いつも応援ありがとうございます。
以前、不動産投資は多様な選択肢の組み合わせだ、
という記事を書きました。
それについて、情報が氾濫する現代社会、
自分にとって何を選択すべきかが難しい、
というご意見を頂きました。
実はこれ、ビジネスを語るにとても重要な意見で。
この話をしてしまうと、例えば僕が何かを売りたいと
思った時に、セールスをしても売れる数が減ってしまう、
結構深い話まで踏み込むことになります。
もっともブログ1記事の僅かな文字数では
すべてを語り切ることは到底不可能ですので、
ポイントを絞った話となりますが。
では、一緒に考えていきましょう。
溢れかえった情報から自分に適切な選択をするには
どうすればいいのか?
この記事の対象は、複数の選択肢から自分の取るべき道を
選択しきれないでいるあなたです。
情報は多ければ多いほうが良いとは限らない
情報が溢れているという意味では、医療現場はまさに
例としてふさわしい場といえます。
不安を抱える患者として医師と向かい合っている場面を
想像して下さい。
例えば昨日から突然膝の痛みが出てきて、
歩けなくはないけれどもちょっと気になるので
整形外科を受診しました。
レントゲンを撮ったところ、あまり気になるような
異常は見つかりません。
医師側としても、すごく気になることはないけれど、
痛がり方からして全く問題がないとも言い難い。
こんな時どうするか。選択肢はいくつかあります。
自然消失を期待し、様子をみて痛みが続けば再診。
数日から1週間ほど様子をみて再診。
とりあえず痛み止めの注射をする。
飲み薬や湿布を使う。
すぐに精密検査の予定を立てる。
膝の専門医を紹介する。
ざっと考えるだけでも、これだけの選択肢がある。
この選択肢を全てお伝えした場合、どうなるでしょうか。
患者のステージによって応えは変わりますが、
多くの場合は「訳が分からなくなって、その病院への
受診を中断する」という選択をします。
外側から見ていると、できる限り多くの情報を
出してもらって、多くの選択肢から選ばせる、
というのが正解のように感じますが。
必ずしもそうとは限らないのが現実。
混乱した脳はノーと言う、という言葉があるのですが、
人間、情報や選択肢が増えすぎて処理が困難となると、
全てを拒否してしまうという習性があるんです。
これが手術が絡んでくるとなおさら難しくなる。
膝の痛みが非常に強くて歩くのが困難な方に、
手術を薦めたとします。手術をしてリハビリを頑張れば、
恐らく普通にあるけるようになるだろうと思って。
でも、手術は危険を伴います。
だから、手術の説明を細かくします。
麻酔が身体に合わないかもしれない。
術後感染を起こし、手術前よりも悪い状態になるかも
しれない。最悪脚の切断が必要となるかもしれない。
手術中に何かが起こって、そのまま目が醒めないかもしれない。
小さなことから大きなことまで、全部話します。
極めて起こる可能性が小さいことまで、全て。
すると、どうなるかというと。
手術を選択する人は、激減します。
なんか怖いから止めておこう、という方が増える。
僕としてはそれが本来あるべき姿だと思っています。
全ての情報を伝えたうえで、それでも頑張ろうという
気持ちがないと、手術をやっても良くならないから。
でも、こうも思います。
リスクは非常に小さいのだから、ある程度楽観的に
説明してあげて手術をするように誘導した方が
良かったんじゃないか。
難しい話、怖い話を全て話してしまったことで
この人は今悩んでいる痛みから解放されることなく、
今後も辛い生活を強いられてしまうんだ、と。
全員が全員、選択できる人ではありません。
むしろ、選択できない人の方が多い。
患者は医療に関しては素人なんですから、当然です。
医療におけるトラブルのほとんどは、
この狭間で起こるといっても過言ではありません。
いったいどの情報を信じればいいのか?
さて、不動産投資の話に戻りましょう。
不動産投資も、多くの情報が溢れています。
不動産のプロ(販売側)からの情報。
不動産投資家からの情報。
根拠のない素人同士の噂話。
何も知らない人間が聞けば、どれも本当のように
聞こえるし、どれも疑わしいようにも聞こえる。
医療と違って(医療でも怪しい人はいますが)、
損得勘定抜きで付き合ってくれる人は多くはありません。
自分に都合の良いような情報だけを流すか、
情報の真偽は二の次で面白半分に人を惑わせる情報を
好きなだけ流すかのどちらかです。
しかもネット上では過去の情報であっても消えることなく、
延々とそれが繰り返され、情報過多になっていく。
ネットで情報収集する際の問題点ですね。
どれもこれも誰かしらが成功したと言っているし、
逆に誰かしらが失敗するからやめた方がいいと言っている。
経験のある人間の話を聞いても、
あくまで僕の場合はこうだった、というだけで、
それが自分に適しているかどうかまでは判断できない。
調べれば調べるほど不安は増すばかりで、
最終的にはどうすればいいのかが分からなくなって
結局何もやらないで終わる人が8割です。
詐欺と偽善の狭間
なぜ販売者側は自分に都合のいいような情報だけを
流すのかというと、それは前述の通り。
迷わせてしまったら負けだからです。
混乱した脳はノーと言うのが分かっているから、
選択肢を絞って「これしかない」という状況を作り、
迷う隙を与えない。
やるかやらないか。この2択さえクリアすれば
不動産投資家になれますよ、お金持ちへの道が開けますよ。
極端に道を絞り込むことによって、
何もしらない素人に決断させています。
内容が詐欺的でない限りは、
これが必ずしも悪いこととは言えません。
前述の手術が必要な際の話し方と同じ理屈です。
迷わせたら、この人は一生普通のサラリーマンのまま
お金に苦しみ続けることだろう。
であればここでうまく誘導して、不動産投資家としての
スタートを切らせてあげようじゃないか。
一見傲慢にも見えますが、それが正解であることは
少なくないのではないかと思います。
僕は好きではありませんが。
何でこんな方法を売り手が取らなければいけないか。
それは買い手のステージが低いからです。
買い手が自分で判断すべきことも判断できないので、
売り手がそれをサポートしているというのが現実。
実際には、自分の買い物も自分で決められない人が
収益不動産なんて買ってしまったら、悲惨な未来が
見えてしまうだけなのでやっぱり不正解だと思います。
でも、中にはそれでとても満足をする人もいるでしょう。
手術だろうが、不動産投資だろうが同じことです。
イメージを具体化することの重要性
ここでもう一歩先を考えてみると。
氾濫する情報の中、自分が取るべき道が見えずに
喘いでいるあなた。
決して自分が決められない人間だと
落胆する必要は全くありません。
むしろそれは、人任せでしか選択できない自分から
脱却しようと努力している、一段上のステージへと
向かっている過程にあると言えます。
難しいと悩むと言うことは、
自分で選択をしようとしている証拠ですから。
その過程なくして上のステージへは上がれません。
では何が足りないがために選択ができないのか?
どこから近寄れば不動産投資家としてのスタートを
切ることができるのか?
それは、具体的なイメージが足りないんです。
なぜただのサラリーマンのままではいけないのか。
なぜお金を今以上に稼がないといけないのか。
なぜ不動産投資を選んだのか。
このなぜを深く掘り下げていないがために、
その目標へ向かってどういう順路を辿ればいいのか、
登山計画を立てられないでいるのが今のあなた。
どこの国のどこの山へ登るかを決める前に
登山に必要な道具や食料を過不足なく揃えること、
できますか?
大学受験を控えた高校生が将来何になりたいか
全くイメージできていないのに何学部に入るか
悩んでいる姿を見て、どう思いますか?
事業を起こしたいからお金を貸してくれと
言われ、どんな事業をしたいのか聞いても
具体的な計画が全く立っていなかったら、
お金を貸してあげますか?
お金が必要だ。
分かります。
息子、娘の学費のために。
分かります。
老後が不安だから年金代わりに。
分かります。
でも、弱いです。これでは具体性が無さ過ぎます。
あと何年後に年収いくらくらいになっていたいのか。
何年後までにいくらの貯金をする必要があるのか。
自分がサラリーマンを辞めて早期リタイアをすると
言った時に、どれくらい稼ぎがあれば奥さんは
どうぞ好きなようにしなさいと言ってくれそうか。
その場合、サラリーマンを何年後までに辞めたいのか。
具体的に数字を立てておくくらい明確な目標がないと、
確実に途中で諦めることとなります。
不動産投資だって、多くの面倒くさいことが
たくさんあるからです。
収益不動産を購入するだけでもこれだけ大変。
購入した後は、管理、リフォーム、帳簿付け、税金対策、
確定申告、融資交渉、その他諸々。
まかせっきり投資をしていても、面倒なことになったと
思う瞬間は度々あり、問題をどう解決するかで
頭を悩ませることになります。
それを乗り越えるには強固な意志と、
意思の根拠たる具体的な目標、未来が必要です。
一歩を踏み出す前にノートに書く
ある一線を越えてしまうと、具体的な目標は
比較的どうでも良くなってくるんですけどね。
メンタルブロックを完全に外すことに成功し
自分の可能性が無限大に感じられるようになると、
具体的目標なしに的確な判断をすることが可能です。
ただ、それをするにはちょっと頭がおかしいと
思われてもいいほど図太い神経をしていないと
いけないので、世間体が気になる人には薦めません。
普通の人のまま成功を収めたいならば、
まず立てるべきは人生設計からです。
それも、具体的な数字を書いた上で。
今の年齢、必要最低限のお金、それに見合った年収、
あと時間は何年残されているのか。
本当にその生活が望まれているのか。
そして、現在手元にあるものは何か。
真面目に、一度ノートにでも書いたほうがいいです。
将来ノートを読み返して、目標を修正するのにも
役に立ちます。
具体的な人生計画が決まれば、計画通りに進めるには
どういった不動産投資計画を立てればいいのか、
それこそ具体的に決定することができます。
現金購入でゆっくりと戸建や区分マンションから
始めていって十分間に合うのか。
自己管理で築古木造アパートを可能な限り高利回り、
高効率で回していく必要があるのか。
僕のように資産性も収益性もどちらもそこそこ期待できる
RCマンションを購入して資産運用しながら、
別の事業を起こして人生の幅を拡げていきたいのか。
少し、具体的な未来のイメージは湧きましたか?
もしまだイメージができないのであれば、
まだ焦って不動産投資をすべきではないのでしょう。
ただ単に、インフレになりそうだから何か買っておかないと、
という異常な思考の渦に呑まれてしまっているのかもしれない。
あとは、何も言うことはないでしょう。
具体的な未来のイメージができていれば、
あなたは既に次のステージに立っていて。
自分で自分の進むべき道が、見えているはずです。
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桐木様
いつも楽しく拝読させて頂いております。
先日コメントさせて頂いた事が記事になるなんて、嬉しい限りです。この場を借りてお礼申し上げます。
今回も
「情報は多ければ多いほうが良いとは限らない」
「全員が全員、選択できる人ではない」
という事、考えさせられました。
私はそれこそ「選択できる人ではない」方なので、選択肢を多く与えられると、迷った挙句、前に進めなくなります。
しかも、その選択肢は自分から情報を掴みにいった結果なのに・・・。
ですから、これを機に選択できない自分に別れを告げ、選択をする為に、目標を立てます。もっと考え、イメージします。
今回は本当にありがとうございました。
こんにちは。
言うのは簡単で、やるのは難しいですけどね。
でも、人に流される、よその影響を受けやすいというのは、
少なくとも起業家、リーダーとなりたい人はそうであっては
いけないと思います。
首相が人の意見に振り回されてばかりでどっちつかずでは、
頼りないですよね。
リーダーとしての素質は選択することだけではありませんが、
選択ができなければリーダーには決してなれないと思います。
僕もまだまだ、精進が足りませんから、一緒に頑張りましょう!