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続きです。
前回:日本を、世界を襲うギリシャ問題と中国株バブル崩壊のダブルパンチ【1】
現状の金融・経済動向について、前回はギリシャに関する部分のまとめを
行いました。
ギリシャ問題は、EU独特の内部事情が問題を大きくしているだけで、本当
は世界的な金融危機に繋がるようなものではありません。
また、金融では変動こそが飯の種ですので、ほんの些細な問題であっても
大きな問題であるかのように扱い、市場を大きく揺らす傾向にあります。
僕が問題を過小評価しているだけで、実はものすごく大きな問題であるの
かもしれませんが、少なくとも日本の金融・経済に大きな影響を与える程
の出来事ではないでしょう。
実際、日本の政府や金融当局もそう考えているようで、代表の麻生財務相
もそのように発言しています。
しかし現に日本株式市場において日経平均株価は大幅な下落をしました。
7月8日には638円もの下落で日経平均は20,000円を割り込んでいます。
その後も、日経先物価格は下落を続けています。このところ急速に進んで
いた円安も、急激な巻き戻りが起こり円高傾向。
なぜ日本市場がこれほどまでに不安定になっているのか。これには大きく
分けて二つの要因があると思われます。
不動産バブル崩壊に続く中国の株バブル崩壊
一つは、本丸である中国の株バブル崩壊ですね。以前も一度話題に上げた
中国の株価暴落ですが、その後も順調に(?)暴落は継続しています。
中国の株価の代表ともいえる上海総合指数は、6月12日に今年最高値となる
5,178,19をつけました。その後すぐに急落が始まり、7月8日終値3,507.19
と、1671ポイントも下落しています。
実に33%近くも評価額が落ちてしまった。金額にして400兆円を超えていて。
これが日本に、いえ世界に影響がないはずがありません。アメリカですら
近年の好景気には中国が大きく寄与していました。
中国は、日本や米国を中心とした外資から極めて巨額な資金が投じられて
います。株式は経済の縮図であることを鑑みると、その株式が大暴落した
ということがどういうことかは、すぐに理解できるでしょう。
中国の株式市場の崩壊は、資金を投じた外資に多大な損失が発生します。
一つがこけると連鎖が起きるのが、現代の世界中にネットワークを広げた
金融市場の特徴です。こけた元が今や世界最大級の市場の一つである中国
ともなれば、影響の大きさは推し量れるものではありません。
今、中国政府は株価の暴落を押さえ込もうと必死です。政府の無茶苦茶な
やり方を見ていると、真剣に危機的状況なのだろうと思われます。
何しろ1,000以上の代表銘柄を『取引停止』としたのですから。空売り規制
などは理解できますが、これは前代未聞。サーキットブレーカーとは訳が
違います。株売りのみを禁止した、との情報も。
また、報道規制も早期から徹底しています。株価の暴落について、一切の
報道がされていません。ただ、取引している人はインターネットで株価を
見ますから、あまり意味がないように思えますが。
更には株価急落の『犯人探し』すらもしている、とか。
ちなみに日本でもあまり積極的には報道されていませんね。何故でしょう。
日中記者交換協定の影響でしょうか。
日中記者交換協定についてご存じない方は、Google先生にお尋ね下さい。
アベノミクスによる日本の外資割合の増加
もう一つは、アベノミクスの影響です。
日経平均株価が、アベノミクス及び日銀の大規模金融緩和によって大きく
引き上げられたのは公然の事実。実体経済回復前から株価は急騰していて、
それを否定する理由はどこにもありません。
金融緩和を含めたアベノミクスにより、日本の株価が大きく上昇するのは
プロ投資家にとって容易に予見できる出来事だったのでしょう。
その頃から、日本株式市場に外資の参入が一気に膨れ上がりました。今や
日本株式市場の外資割合は極めて大きくなっています。
要するに、日本の金融市場は外国の影響を強く受けやすい体質へとなって
しまっているんですね。
株式そのものがリスク資産ですので、何かの問題が起きてリスクオフ姿勢
が強まれば売られるし、成長が期待できるならばリスクオン姿勢が強まり
買われる、と。
政治のスタンスにより、日本株は外資から極めて取引されやすい立ち位置
となっています。
そんな状況ですから、ギリシャ問題は日本とはさほど関わりがないのに、
日経平均株価は大きく上下します。
まして、中国の存亡の危機に関わるような問題ともなれば、どうなるかは
お分かりでしょう。
実体経済が持ち上がりつつあるところまでに、日本経済を引っ張ってきた
アベノミクスですが。
ここへきて飛び越えなければならない谷間へぶつかってしまったようです。
経済危機の今こそ身の安全に注意を
日本は地力がありますし、世界最大の債権国ですので最終的には世界でも
相当に早く立ち直ると思われます。
最大の懸念は、やはり安全保障問題でしょうか。国会では議論が今まさに
煮詰まっているところですが、まだまだ予断を許しません。
中国の経済崩壊が世界大戦の引き金となる、との予測をする超大物投資家
もいますが、果たしてどうなるのでしょうか。
日本国内においても、時期が時期だけに混乱が予想されます。
是非とも、身の回りにはご注意下さい。
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