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働き方改革が進むことで、国内における労働環境は本当に改善が
されるでしょうか。
良い面と悪い面がやはり出てくるのは間違いありません。どんな
法改正も、必ず利益を得るものと不利益を被るものが現れるもの。
僕も原文を読んだわけではありませんで、理解がまだ不十分な面
もありますので、間違いがあればご指摘いただけますと幸いです。
基本的には、罰則付きの残業時間上限規制などを見る限り、不当
に長時間労働をさせられる環境を撲滅しよう、というのが根本に
あります。
ただ勘違いしてはいけない点として、一般的な労働者に楽をして
もらいたい、なんて気持ちはどこにもないところ。あくまで過剰
な労働を規制したいだけ。
違法な労働環境を社会から排除して、公正な競争の場を作ろうと
いうのが根本であろうと思います。
労働者に対しては、一般的な過労死ラインは突破しないように、
程度の考え方でしょう。それ以下で何かあったとしても、過労死
とは認定されないから別の話、と。
悪い企業が労働力の搾取を行えなくなれば、競争は正常化します。
そうすれば、真面目にやっている企業にとってはやりやすくなる
わけで、労働市場も適正化されていきます。
もちろん働き方改革だけで全てが良い方向に進んだりはしないし、
労働者へ支払われる賃金が増えると物価も上昇しますので、人に
よっては実はマイナスであったりもします。
しかし物価上昇、いわゆるインフレも政府・日銀の狙うところで、
まともな企業にとっては願ったりである働き方改革は、個人的に
非常に良い方向性の動きだな、と考えます。実に合理的。
そう、これは企業側からの視点です。恐らく働き方改革は労働者
視点ではなく、こうした企業側、政治側の視点から作られている
だろうと推測しています。
ですので、まともな企業に勤めている方においては、労働が楽に
なる法案ではない点について誤解してはいけません。
むしろ労働人口が激減してく中、労働力の搾取をしなければ生き
残れないような企業を潰し、より効率的に働いてもらえるような
環境を作ろう、との願望が透けて見えていて。
企業としては労働時間を厳しく守らなければいけなくなる以上、
仕事時間中は更に厳しく、また高い生産性を労働者に求めるのは
間違いありません。
仕事の出来不出来による格差は更に拡大します。
定額働かせ放題、なんて馬鹿なネットの意見に惑わされず、本質
をより見据えて、自分がその中でどうするべきかをしっかり検討
していくようにしましょう。
労働者が企業と対話する時代へ
仕事ができる人にとっては、すごくいい環境になるでしょう。
特に、高度プロフェッショナル制度の創設は、労働者が労働契約
を結ぶに当たって納得のいく契約内容を交渉できるチャンスです。
これまでは自由な内容の契約を結ぼうとしても労働基準法が邪魔
をして、企業としても予防線を張らざるを得ない状況でした。
お陰で、わざわざ個人事業主として契約せざるを得なかったり、
低待遇での雇用に納得せざるを得なかったりと、労働者としても
あまり良い環境であるとは言えなかった。
企業としては、うっかり労働基準法に触れた内容の契約を結んで
しまったら、後で何を言われるか分かりませんから。
けれども、裁量労働の規制が緩和されれば、企業に雇用されつつ
自分の納得のいく内容で労働できます。
これをチャンスと言わずしてなんというのか。いち社員が企業と
対等の立場で労働契約を交渉できるのですから。これまでも賃金
くらいは交渉できたかもですが、労働時間はそうもいかなかった。
労働者側から契約解除の申し入れもできるよう修正され、専門性
の高い労働者にとってはとても良い内容の法になったのでは、と
感じます。
労働者有利の部分なのですから、もっと適用される範囲の拡大が
望まれますね。嫌な人たちは同意をしなければいいだけですし、
労働者側に何のデメリットも無い内容です。
高度プロフェッショナル制度はネット上でかなり強い批判の対象
となっていますが、理解できません。
批判されている方の大半は対象外であろうと推測されます。多く
が年収要件が知らぬ間に下がる恐れがあるからとの意見ですが、
同意制である以上は意味のない批判。
これからの時代、職場が気に入らない、契約内容に納得できない、
契約と実態が乖離している、と労働者側に不満が溜まるようなら、
労働契約を破棄すればいいだけになります。
どこも人手不足、専門職不足で優秀な人材には飢えているのです
から、自分が納得いくまで色々と交渉してみればいいでしょう。
これこそが、正しい労働契約の姿と思います。
しかし残念ながらこれが許されるのは、高プロ制度に当てはまる
一握りの労働者だけ。
大半の労働者はそうではありません。高プロ対象かどうかだけで
格差ができてしまったようなもの。
ブラック企業にいる人は救われるでしょうが、大部分の一般企業
に勤める方は全く何も変わらない。仕事時間中はこれまでよりも
厳しく見られるかもしれません。
あまり関係がないかな、と思っている人ほど悪い影響が出ること
が懸念される働き方改革。
政治の動向より、自分の勤める企業の動向を注視するのをお勧め
します。
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