区分マンション投資を再評価する【6】目標との現実のジレンマ

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区分マンション投資とはいえ、一戸を取得するには
数百万円から二千万円程度の資金が必要です。

1棟RCマンションを購入することに比べれば一桁小さい
金額ですが、一般的なサラリーマンの給与水準から考えると
決して簡単に出せる金額ではありません。

 

全額現金で安全な投資をしていきたいと考えたら、
一戸目の購入で貯蓄を使い果たしてしまえば
また地道に蓄えていかなければならない。

収益不動産を無借金で所有しているとそれまでより
収入が増える分有利ですが、購入した区分マンションの
家賃が月10万円だとしても、年間120万円。

そこから修繕費や税金などが引かれるのですから、
なかなか2戸目の資金を貯めるには時間が掛かります。

 

そのうちに減価償却が終わって収支が悪化したり、
売却のタイミングが巡ってきたりして、
規模の拡大には限界がある。

この辺りをどう考えるか。

区分マンション投資について語るには避けて通れない道です。

 

前回は以下より。

区分マンション投資を再評価する【5】

お金に縛られて不自由なのは嫌になります。

区分マンション投資に内包される難しさ

基本的にはリスクを抑え、且つ利益率を高めるために、
区分マンションへ投資をするなら現金購入が好ましい
とは今でも僕は思っています。

くどいようですが、区分マンションは利回りという点では
かなり不利な投資先です。

元々の利回りの低さもさることながら、そこに追加で
修繕積立金や割高な管理料が掛かります。

少ない利益から経費を出さなければならず、
手元に残るインカムゲインは多くありません。

 

一戸所有では節税の観点でもいま一つ。

5棟10室基準を根拠に、区分マンション投資で青色申告が
可能となるのは10室目を取得してからとなります。
途中で売却をしていたら尚目標は遠く。

必ずしも青色申告が白色申告よりも優れているとは言いませんが、
青色申告特別控除の65万円と30万円未満の資産の一括経費化が
数字上有利であることには間違いありません。

 

これだけ金銭的に不利な状況が揃っているのならば、
融資を受けて更に経営を厳しくするのは上策ではない。

リスクマネジメントの観点からも、恒常的な利益を
得るという観点からも、できるだけ現金購入を
目指す方が現実的だろう、と。

融資を受けるなら、担保価値の高さ、利回りの良さ、
スケールメリットを考慮すると1棟ものへ投資をした方が
どう考えても合理的である、と今でも思います。

 

でも、世の中そう簡単に都合の良いRCマンションを
いつでも誰でも購入できるわけではなく。

仕方ないから区分マンションの現金購入を開始しようと
した時にぶつかるのが資金の壁。

 

元から高収入であったり、宝くじなどから多額の現金が
手に入ったりという条件が整わない限り、現金購入では
事業規模の拡大を速やかに実現ができない。

融資残高がゼロならリスクはほぼありませんから、
じっくり数年掛けて買い足していきましょうというのも
それで満足がいくならいいんですが。

成し遂げたい夢次第では、とてもじゃないけれども
間に合わない、規模が足りないとなってしまいます。

リスクを排した現金購入のジレンマです。

 

目標金額が大きくなく、余裕を持った生活を送りたいだけで
人生に劇的な変化は望まない、という方には現金購入による
区分マンション投資がおすすめできます。

ただ子供の学費なども考慮すると、結構な収入がなければ
まとまった家賃収入を得るには10年以上必要になりそうです。

 

金額が小さいからと気を緩めてはいけない

据えた目標を達成するために、現金購入での投資規模では
不十分である場合、レバレッジを掛けるべく融資を受ける
以外には選択肢はありません。

リスクを背負い利回りを落とすことになりますが、現金もなくて
借金も嫌だというなら投資自体を諦めた方がいいでしょう。

投資先が見込み違いであれば投資したものを失うのは
投資の摂理です。

 

難関大学に入ろう、資格を取ろうとして勉強をすることも、
一度きりの人生の貴重な時間を投資しているのと同じこと。

大学受験に失敗し、資格が取れなければ投資した時間は決して
無駄ではありませんが、ある意味で失われたと言えます。

単純にお金に換算するなら、その時間をアルバイトに使えば
稼げたお金を失ったとも言えるのですから。

 

投資でお金を失うというのはそれと同じで、
見方を変えればたかがその程度のこと。

自分が手に入れたいものが、未来がどの程度自分にとって
重要であるか、それを成すためにどれほどお金が必要か。

リスクや失われる可能性のあるものを天秤にかけることが
できるかどうかで、融資を受けるのが得策か否か、
決定するしかないでしょう。

 

ただでさえ効率の悪い区分マンション投資です。

ちょっと早く収入を増やしたい、できれば早く仕事を辞めたい、
そんな程度の心構えで融資というリスクを背負ってはいけない。

 

自分の身の丈に合った投資をするというのは、収入が少ないから
小さな投資をした方がいいなんて意味ではなく、目標に、志に
合った投資をしなさい、ということ。

これまで何度も繰り返してきたことですが、僕は理想の未来を
具体的に想像することがとにかく大事である、と確信しています。

 

区分マンション投資にはそれなりの覚悟を

ある意味、融資を受けて購入する以外の選択肢がない
1棟RCマンション投資の方が、悩みがないですね。

融資を受けて区分マンションを購入する投資法は
かなり玄人向けです、本当に。

 

現金購入は区分、戸建、1棟どれにおいても経営上は
強力な選択肢です。

負債のない純粋な資産となった収益不動産は、利回りは良く、
信用は高く、リスクはほぼゼロという、投資対象としては
理想的と言えます。

 

しかしそれでは目標に手が届かない、では何のために投資を
しているのか分かりません。

区分マンション投資で規模が小さいからといえど甘く見ず、
志高く投資に臨む姿勢が大事であると思います。

 

最後にお知らせです。区分マンション投資について6回ほど
一気に記事を書いてきましたが、ここで一息つかせて
いただきます。

記事をまとめることも含め、頭を整理しますので
今しばらくお待ち下さい。

 

本当は区分マンションに特化した教材でも紹介できればと
思っていたんですが、はっきり自信を持って紹介できる
区分に絞った教材がないんですよね。

やはり安定は楽待さんから販売されている教材、
不動産投資「8つの戦略」ですね。

区分マンション投資に関しては現金投資に絞っていて
僕の考えとぴったり一致しています。

それ以外の不動産投資のノウハウもハイレベルで、
これから投資を始めたいけどどうしていいのか悩む、
という方はとりあえず買っておくのがいいです。


不動産投資「8つの戦略」DVDはこちらから。

 

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    • 杉原正則
    • 2015年 5月27日

    はじめまして。区分マンション投資を始めようと考えている、35歳、男です。家族は妻、長男(2)、次男(1)、を抱え、仕事は飲食店を経営しております。

    一棟のマンション投資より区分マンションに魅力を感じております。

    その理由と計画は

    10年後、1億円(資産)×8%(実質利回り)=800万円(年収)

    これを目標にしております。

    魅力1 税金

    毎年1000万円ずつの貯蓄は今の収入でギリギリでありますが、税金分を考えると不可能。そこで、税金を圧縮しながら資産形成のできる

    1000万円(区分マンション)×10年=1億円(資産)

    魅力2 現金

    区分マンションを考える理由は現金で買える価格帯であるというところです。

    融資を受け金利を払う勇気が自分にはないので、現金で買える価格帯に魅力を感じております。

    以上ズブの素人のささやかな目標です。

    もしお手間でなければ、ご意見、ご批判、ダメ出し、ご指摘、
    お願いします。

      • きりのき
      • 2015年 5月29日

      コメントありがとうございます。

      もちろん、そのような考え方も全く問題ないと思います。
      過去記事にもありますが、現金購入であれば大したリスクは
      ありませんし、区分マンションだけで100戸以上抱えている方
      がいることも知っています。

      手間と資金さえあれば、良い立地に選択肢が多い区分マンションは
      非常に良い選択肢となりえると思います。

      せっかくですので、今後もう一度記事として扱わせて頂きます。
      今後とも宜しくお願い申し上げます。

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