御嶽山の噴火。不動産投資のリスクとしてどう捉えるか。

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こんにちは、きりのきです。

御嶽山の噴火、突然のニュースでビックリしました。天災ですから致し方ない
部分はあるものの犠牲者が出てしまっているのが残念です。

今年は災害が多いというような報道がされてはいますが、毎年非常に多くの災害
に見舞われる日本ですので、実際には単に忘れているだけのような気もします。

騒ぎが収束するまでにはしばらくの時間が必要かと思いますが、できる限り多く
の方が一刻も早く健康を取り戻されることを祈ります。

 

不動産に関わる人間としては、天災は気になる話。何しろ避けようがない。

そのために保険がありますし、焼け太りなんて言葉があるように災害被害に遭う
ことでかえってプラスになることは不動産投資の中ではよくある話ですが。

不動産賃貸業は人命が深く関わる商売ですから、自分の利益のためにそのような
主張を表立ってしてしまうようでは人間としてのステージダウンが起こり、運を
失いかねません。

目先の利益よりも自分自身の人間性を優先し、将来に益を得ることを思想として
おくことをお勧めします。

この噴火1分前の画像をアップロードされた方は無事下山されたようです。

噴火による経済的影響

火山の噴火で経済的に最も恐ろしいのは降灰です。

ニュースをテレビで見ていた時、妻がボソッと呟いたのが「雪みたい」の一言。
一見、大雪被害を受けたのと同じように見えるのは確かです。

が、残念ながら火山灰は雪と違って溶けません。人力で除去しなければずっと
そこに留まり続けてしまいます。

 

細かさも雪の比ではなく。報道で火山灰が積もった多くの自動車が映されました
が、かなりの数が廃車となってしまうのではないでしょうか。

灰が精密機械の中に入り込めば、故障の素になることは容易に想像できます。

 

これが建物だったらどうでしょうか。まず初めに徹底した洗浄が必要になること
は火を見るよりも明らか。高い建物であれば足場を組まなければいけませんし、
相当な金額になります。

上下水管や浄化槽も詰まりを起こしたり汚染されたり、処理が大変そうです。
オートロックやエレベーターがあれば、壊れないことを祈るしかありません。

修理費は保険で支払い可能かもしれませんが、辺り一帯が同じような環境と
なってしまっていますから保険会社が潰れることもあり得ること。

保険料率ばかりを優先して加入先を選んでいる方は要注意です。

 

加えて交通機関を初めとした街の機能も低下ないしは停止しますので、住民の
中には安全な、便利な地域へと引越しをしてしまうかもしれません。

噴火の影響で倒産する企業も多数出るでしょうから、被害地域の経済規模が縮小
することは避けられない。

地価の低下により家賃の下落が起こりますし、空室率も大きく上昇します。保険
に入っているから大丈夫、なんてこと全くありませんね。

 

阪神大震災や東日本大震災などに比べれば被害の人数も範囲も極めて小さいので
あの時ほどの騒ぎにはなっていませんが、当事者になってしまったら恐ろしい程
大きな被害が出ます。

今回の御嶽山の噴火も、数週間もすれば話題の新鮮味も薄れて報道が小さくなり、
人々の頭から忘れられていってしまうのでしょうが、投資家の立場でいるならば
これを機にチェック項目を増やし、より注意を払う必要があります。

現地に行って街の様子を確認してくるのもいいかもしれません。

何しろ日本は火山の国。日本中のどこにいても火山の噴火リスクから逃げること
は不可能なのですから。

 

リスクを3つに振り分けて考える

災害リスクにしろ安全保障リスクにしろ、どこまで想定すべきかは答えの無い
議論です。

富士山の噴火や東海大地震などをリスクであるとするならば、首都圏への投資
すらリスキーですべきでない、となってしまう。

結局、ある程度のところで線を引いて対応策を事前に練っておくべきリスク、
看過できないリスク、無視するリスク、に分けるのが正しいのだと思います。

 

具体的には、

1)火災や地震など日常的に起こりうるリスクは対応すべきリスク。
2)地盤の液状化など目に見えても対応策が無いものは看過できないリスク。
3)火山、原発の近くなど非日常な災害や事故の可能性は無視するリスク。

です。

 

2)と3)の境は曖昧です。収益性などでリスクがトレードオフされるとの
判断があれば、2)が3)になることはあります。

例えば明らかな過疎地域であるとか、小さなものだと再建築不可であるとか。
利回りの圧倒的な高さがリスクを無視させることはよくある話。

そこをどう判断するかはビジネスリーダーである自分次第。

 

確実に正確な判断をを下すのは不可能ですが、それでも自分なりの答えを
出さなければ投資は始まりません。

一つのヒントとなるのが「数字」であることは間違いありません。
判断に迷うようなら全てを数字化して公平な天秤に載せて下さい。

特に今回のような災害となると想定被害額以上に恐怖が占めてしまって、
投資判断を誤らせます。

 

感情を投資判断へ紛れさせるのは絶対にしてはいけません。災害の多い
日本の不動産へと投資をしようとしているのですから、最初から天災に
直面する可能性は織り込み済みのはず。

僕自身への戒めでもありますが、感情を抜きにして投資判断を下せるよう
自分を鍛えましょう。

結局のところ世界中のどこを探しても、想定外の非日常的リスクが無い
投資先は存在しないのですから。

 

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