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円安が進行しています。いえ、どちらかというとドル高と言うべきかも
しれませんが。
ともかく、ドルに対して円の価値が下落しているのは間違いありません。
円の価値が下がると、円建てで融資を受けて収益不動産を購入している
私たちとしては悪くない話です。ただし、金利が上がらない前提の話と
なりますが。
金利が上がらなければ、円安によるインフレ効果で資産の評価額は上昇
します。人気のある投資用の商品であるほどその傾向は顕著で。
最終的に家賃相場まで上がるところまで辿り着いてくれたら、不動産を
先行して購入をしていた私たちにとってはとても喜ばしい。
ただ、そこまで行くには円安だけでは厳しいでしょう。家賃相場の上昇
は、インフレ要素よりも需給関係により強い影響を受けます。
人口が増加するか、賃貸住宅の供給が減るかのどちらかでしか、家賃を
上昇させる方向に動かない以上、ごく局地的にはともかく、家賃相場が
大きく底上げされるとは考えにくく。
長期的な戦略を立てつつ、どこかで円安による不動産売買価格の上昇を
利用して出口へと向かうのが、投資家目線での基本的な立ち位置です。
現状を眺めてみると、ざっとこのような青写真が見えています。大事件
が起こらない限り(この前提もあっさりひっくり返りそうですが)今後
の既定路線として考えてよいと思っています。
そうなると、何に着目すべきかは分かりますよね。
そう、金利です。この先の長期金利がどうなるか。住宅ローンは金利が
先日一部で僅かに引き上げられましたが、私たちの借入金利は果たして
どうなるのか。
金利動向の判断が不動産へとどこまで突っ込むかを決定すると言っても
過言ではないでしょう。
量的緩和で抑制され続ける長期金利
まず僕の考えとして。
金利が上昇するかどうかは政府日銀の匙加減一つであり、少なくとも
現状の政策が維持されている間はあり得ない、と考えています。
もちろん多少の変動はあるでしょうが、大きく動いたりはしないかと。
理由は、政府には基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化
するという、絶対的な目標を持って政策を進めているから、です。
プライマリーバランスの最大の敵は金利の上昇。国債の長期金利上昇
は財政収支にとって非常に重い負担となり、目標を遠ざけてしまう。
ただでさえ増税と成長をコミにしてもまだ9兆円以上の赤字予測。
少なくとも、2020年には黒字化します、との「事業計画書」を世界に
向けて公開をせねば、財政破綻へと進むのは間違いない。
納得いく計画が打ち出せなければ政府では最早コントロールできない
国債暴落・金利上昇が始まってしまいますから。
それが分かっているので、なんとしてでも現政府は少なくとも目標が
達成されるまでの金利上昇は防がなければならない。
断固とした意志を持って、金利上昇を押さえ込んでいます。
それが、日銀の量的緩和政策の主目的の一つ、です。
財政収支を改善させる日銀の国債買い付け
加えて、これは僕の憶測ですが、国家予算中の国債利払いを減らそう、
利払いを減らしてプライマリーバランス改善の助けにしよう、なんて
思惑があるのでは、と感じています。
日銀の量的緩和政策は国債買い入れにより行われています。日銀保有
の国債は利払いが実質はありません(国庫納付金として日銀決算時に
国へ戻ります)。
日銀の国債保有割合が高まるほど、国家予算から支払う利息は減る事
になります。利払いが減ればそれだけ他に予算を当てられますので、
財政収支は改善に向かう、と。
年々、金利の高い時期に発行された国債から順に償還が進みますので、
先々の新規発行国債により増える利払いさえ抑制できれば財政収支の
黒字化はしやすくなる訳です。
多くの国ではこんな事をしようとすれば国債を誰も購入してくれなく
なって、国債暴落、通貨暴落、金利の上昇、そしてハイパーインフレ
へ、となるところですが。
純債権国であり国債の大部分が国内で消費されている現代日本だから
こその手法、といえます。
後はいかに「為替操作である」「財政ファイナンスである」との批判
をかわすかですが、前者は3大通貨全てで金融緩和が行われている今、
主要国は何も言えません。
後者も今のところ、強い指摘は受けていないようで、安倍総理の外交
が功を奏しているのかもしれません。
少なくとも2020年までは超低金利継続か
その他にも金利が短期的には上昇しないであろうと考えられる要因は
いくつかありますが、一番大きなものはこの二つでないかな、と。
ですので、僕は今のところまだ変動金利としています。家賃の相場が
上昇するような時期にもなれば、固定金利にしたいですね。
こんな想定の元、不動産賃貸をしていますが、昨今の安全保障問題や
世界中で起こっている国家債務問題などを鑑みるに、いつまでもこの
スタンスを取り続けるのもどうかな、と感じています。
世界情勢を気にしつつ、個人の身軽さを利用して先読みで経営を変化
させなければ生きていけない、非常に厳しい時期を歩んでいるように
思えます。
短期的には自信を持っていますが、不安定化しつつある時代。どこか
で間違いを犯さないよう、意識を尖らせておかなければいけません。
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