この先の日本国内ビジネス環境で考慮すべき部屋作りの方向性

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日本人の消費性向に現れている変化は本物のようです。

思えば、日本のデフレはなるべくしてなったとも言えます。金融政策
は関係なしに。

 

高度経済成長時代を超え大量消費が当たり前になり、どこの家庭でも
同じような家電、同じようなインテリアが置かれ始めました。

そしてそれは、徐々に「無いのはおかしい」との風潮へと変化をして
いきました。エアコンなどつい最近まで、2014年夏前までは生活保護
需給制度の援助対象になっていませんでした。

それが今や、熱中症対策には必須の存在、とされています。

 

メディアもその変化を煽り、各メーカーもそれを利用して販売戦略に
組み込んだ動きをしてきました。

たくさん売れれば量産効果でコストも下がり、利益を増やせますから
「あって当然、無いのは遅れている」とするステルス的な広告戦略は
非常に高い効果を示した、と。

日本人の右倣えの性質がより高い効果を生み、何かが生み出されると
あっという間に広まる時代へと変わりました。

携帯電話やスマートフォンなどはその代表選手と言えます。

 

しかし、その流れを作るのに犠牲にしたものもあります。それが価格
です。

大量消費をしてもらうにはやはり低価格でなければいけない。低価格
である程度高い品質を実現しなければ、広まらない。

そんな条件化で企業が切磋琢磨した結果、あらゆる分野で価格崩壊
進み、デフレ化していきました。ライバルに市場を奪われる前に自社
が市場を寡占しなければ生き残れませんので、仕方ない話。

低価格により市場へと商品を放出し、生まれた需要をあっという間に
食い尽くす時代の到来です。

 

牛丼やファーストフードなど、その最たる例。200円台で以前と同じ味
が楽しめる、ハンバーガーひとつ80円。

衣服でもありましたよね。ジーンズが数百円とか。

それが長い間続いた結果、多くの日本人は「値上げなんてあり得ない、
物は安くて当然、それが公平なのだ」との意識がついてしまった。

 

日本の経済的低迷が決定付けられた瞬間、です。消費量がこれ以上は
増やせない段階まできてしまった以上、モノの値段が下がれば給料も
下がる。

日本で賃金が下がり続けたのは必然だったんです。

大量生産大量消費は、日本はもう通り過ぎた道です。

価格と品質の間で揺れる企業業績

そんなデフレ化で成長してきた企業が、苦戦をし始めています。

代表例はマクドナルドでしょう。2014年からのマクドナルド関連報道
を知らない方はいないと思います。

一見すると、単純にマクドナルドが食の安全を怠った自滅であって、
デフレは関係ない、と感じてしまうかもしれませんが。

マクドナルドがそうなるに至ったのは、確実にデフレのせいです。

 

価格が上げられないのであれば、安全を犠牲にしてでもコスト削減に
踏み切るしかない。

企業が生き残りへの道を模索するうえで、選択肢として一般的に浮上
する内容でしょう。

企業が顧客の安全を確保するのは義務である。それは正しい話です。
が、安全にコストが掛かる事実を日本人はデフレ化で忘れてしまった。

いつの間にか「安くて安全なものを誰でも手に入れる平等が日本には
あるのだ」と勘違いをしてしまった。

それが安全に対する過剰反応を呼び、マクドナルドの異物混入事件へ
と続く、と。マクドナルドだけではありませんでしたが、いくつかの
報道が続いてしまったマクドナルドが代表的になってしまいましたね。

 

これを加速したのが大規模金融緩和・消費税増税から始まった値上げ
ラッシュ、です。

色々と理由をつけられてモノの価格が上がり始めた中で、このような
事件が多発した結果。

日本人の「商品」に対する消費性向に変化が現れ始めている、と。

 

事業者として目指すべき方向は

ユニクロ(ファーストリテイリング)、すき家(ゼンショー)、和民
といった「価格破壊」の急先鋒がここへ来て業績が低迷しています。

いずれも大量消費を前提にした戦略を打ち立てていた企業。

業績の低迷は値上げではありません。和民など値下げをしているにも
かかわらず売れ行きは落ちています。ユニクロも値上げタイミングと
ずれての売り上げ減に困惑している様子。

 

これは勝手な推測ですが、モノを買う際に「大量生産品・低価格品は
品質や安全性に劣る」との意識が根付き始めているのではないかと。

安いモノを大量消費をするより、高いモノを少しずつ嗜むのが賢い、
と気がつき始めたのではないかと。

 

住宅にもこの傾向は現れているように思えます。小規模大家が工夫を
凝らして提供している賃貸住宅が、これまで忌避されてきた築古物件
だろうと契約を取れるようになってきている。

リノベーションされた中古マンションの売れ行きも、以前に比べれば
格段に増している。

逆に大手の新築マンションは外国人が投資目的に所有しているだけで
人があまり住んでいなかったり。

 

このような市場の変化を観察すると、私たち不動産投資家がこれから
進むべき道がなんとなく見えてきます。

同時に、進んではいけない道も。もう、言わんとする事はお分かりに
なりますよね。

 

とはいっても値上げはなかなかに厳しいものですので。まずは価格を
変えずに手間を掛けられる余地のある物件を仕入れ、同価格帯の中で
目立つ部屋作りからしていくのはどうでしょうか。

高みに踏み込むのは、もう少し環境が整ってからで良いと思います。

そのためには、下手な物件を割高で買わないこと。焦らずじっくりと
見定めて投資先を選ぶのが最重要。

 

もうトレンドは決まっているように思います。流れが見極められたの
であれば、あとはそこに乗って駆け上がりましょう。

 

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