補正予算内容から今後の不動産需要動向を考察

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

補正予算が正式に成立し、その中に三世代同居方住宅の新規建設に対する
補助金支給が含まれているのは、多くの方がご存知のことと思います。

また、来年度からは3世代で済むためのリフォーム費用に対し所得税控除も
導入されることになっており、現政府は「核家族から拡大家族への回帰」
を掲げているように思います。

名目に家族間の介護や子育ての共有化による社会保障費抑制とありますが、
はたして思惑通りに進むのでしょうか。

 

不動産投資の観点から考えると、核家族から拡大家族へと回帰してしまう
と、確実に賃貸需要が減少しますのであまり嬉しくない政策です。

補助金が出るのであればリフォームしたり、改めて家を建てたりしようと
思う人は多いでしょうし、そもそも世帯数が減りますので。

 

医療現場で働く人間からすると、家族が同居していると大変ありがたい話
で、通院も協力してもらえるケースが多いし何かあって入院した時も治療
から退院準備、退院後のことまでスムーズに進みます。

逆に家族が近くにいない場合は非常に厄介な話で、何をするにしても時間
が必要でちっとも話が先に進まず、治療に支障をきたしたり、無駄に入院
期間が延びて医療費が増えたりしてしまう。

ですから、医師としての立場で言うと三世代同居は賛成です。

ただ、認知症が強くて家族が非常に大変そうだったり、家族からいびられ
辛い思いをされている人も中にはおり、必ずしも拡大家族が幸福である、
とはいえないとも感じます。

一人暮らしの高齢者は、家族と同居している高齢者よりも生活の満足度が
高く、悩みが少ないなんて調査結果もあるそうで。

もちろんいくつかの条件をクリアしているのが前提ではありますし、人に
よって意見は大きく違うものです。

しかし、そういう人とお話をしたり、調査結果を知ったりすると、一概に
家族と同居が良いとは言い切れないな、と考えさせられます。

 

僕も今後、何年かのうちに2世帯住宅的な形で両親と妻子と生活を共にする
事になりそうですが、果たしてそれは親の為になるのだろうか。

難しいところですね。

仲のいい家族ばかりであればいいのですけれども。

ワンルーム需要は落ち込む?

賃貸で三世代同居住宅を(これは補助金などの対象外と思いますが)提供
しているところはほとんどないのではないかと思いますが、可能性として
需要が生まれたりするのでしょうか。

 

かつては夢のマイホームなどと言われ、自宅を持つのがステータスであり、
普通の人生なのだとの観念が一般化、住宅を所有するのが当たり前でした。

が、昨今は住宅所有の問題点も明らかになってきて、賃貸派の人間が随分
増えています。

加えて人口の減少により賃貸需要が減少、借り手優位の市場環境が作られ、
初期費用負担も低く、保証人なども緩くなり、以前よりもずっと賃貸住宅
は借りやすい存在になっていて。

その傾向は今後、更に強まっていくのも確実な情勢です。

 

そうなると、政府や地方自治体の動向次第では賃貸住宅による3世代同居
一般化していくかもしれません。

親の近くに住むのが当たり前であると世論が作られていくと、賃貸需要と
して2世帯住宅が望まれたりするのでしょうか。

アパートやマンションであれば二部屋貸し出すことで仮想的な二世帯住宅
を構築できますので、2世帯割引(3世代同居割引)なんていうのは面白い
アイデアのように思います。

高齢の両親と一緒となれば、退去率はかなり低くなりそうですし。

 

そしてもし世論がそうなっていくとしたら、ワンルームマンションなどの
単身向けの物件は立地によりかなり厳しい状況に追い込まれます。

中年独身の実家暮らしも増えていくでしょうし、ただでさえ少子化で今後
の需要は外国人頼みな部分が大きいのに、東京ですら単身向け住宅の需要
が先細りする可能性は否定できず。

今後新たに物件を購入する際に利回りを求め単身向け住宅を検討するなら、
拡大家族の傾向が強まっていないかどうか、外国人需要があるかどうかを
検討しなければいけなさそうです。

 

空き家の介護住宅再生事業

その辺の話に関してもう一つの政府発信の話題は、空き家を介護向け住宅
として活用しようとの意見が出ている点です。

これは、私たち不動産投資家も今のうちから積極的に参入を検討してよい
案件のように感じています。

特に僕が整形外科であり、要介護高齢者の退院後居宅環境整備に携わって
いるからそう考えるのだと思いますが、あったら非常にありがたい。

 

自宅に入るまで段差があって自宅に帰れないとか、自宅が狭くて車椅子が
入らないとか、都営住宅住まいで手すりの設置ができないとか、介護関連
は本当に悩みだらけ。

結局無理して帰ってまた転んで骨折し戻ってくるという話はしょっちゅう
です。

有料老人ホームは高すぎて、お金が無ければ入居はできません。介護老人
保健施設は期間限定で結局その後はどうするという話になります。

最初から介護に適した住宅へ住み替えを検討できるなら本人や家族が納得
すれば非常に便利だと思います。賃貸で提供できるならば尚更。

 

初期費用も大型物件ほどには掛かりません。医療、介護に通じてなければ
難しい面はありますが、少なくとも僕は興味が湧きます。

まだ制度も何も決まっていませんので期待する程度ですが、是非一般化を
して欲しいところです。

 

同世代以上の方々のほとんどは親の介護やらなにやらで大変な思いをして
いる、もしくはする事になると思います。子育ても同じく。

早くからどうあるべきかをしっかり検討しておけば、後から慌てふためく
ような事態になりませんので、よくよくお話し合いをしておいて下さい。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 平和な時代のままでいてほしいものですが。
  2. 株式などでは悩みの種の含み損ですが。
  3. 中小でも生き残っている店は品質が素晴らしいところが多いと思いませんか?
  4. 健康に長生きしたいものですね。
  5. 画一的な枠組みから飛び出すべし
  6. 順序良くこなしていきたいものですl。
  1. この記事へのコメントはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る