おまかせ不動産投資でも選ぶのは自分自身

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

普段、「おまかせ不動産投資」と銘打って投資活動を推進しています
僕ではありますが。

実のところその実態は「おまかせ」との言葉から受けるであろう印象
からはやや逸脱している部分があります。

 

「おまかせ」という言葉をよく目にするものといえば、レストランが
代表的でしょうか。シェフのおまかせコースとのメニューが、その店
で最も高い値付けをされたものであるのは珍しくありません。

何故シェフのおまかせコースが高いのか、考えたことはありますか?

店側としては高い料理を食べてもらって利益を上げよう、との魂胆も
当然あると思います。しかしそれだけでは無いと考えます。

 

通常、物を売ったり買ったりする際には購入側に「選択をする権利」
が存在します。何を買うか、買わないかを販売者側が強制することは
できません。

しかし世の中、権利の裏には義務があるもの。権利とは無条件に与え
られるものではなく、義務を果たしてこそ手に入るのは世界の常識と
言えます。

義務を果たさずに権利だけを得ようとすれば、それなりの対価を払う
ことになる。

購入者側の義務とは、決してお金を払う事だけではありません。何を
買うか「選ぶ」のも、購入者側の義務のうち。

「おまかせ」は、その義務を放棄して販売者側に押し付ける行為です。
つまりはそこに支払うべき対価が発生します。

シェフのおまかせコースでは、それが価格に転嫁されている。

 

では、何故おまかせコースは高価格になるのでしょうか。ただ「選ぶ」
という行為をお願いするだけで価格が跳ね上がるのはぼったくりでは
ないでしょうか。

そこには、もう少し深い理由があるように思えます。

シェフのおまかせコースを注文した経験はありますか?

他人のために選ぶ事の難しさ

選択を任される、というのは販売側にとって非常に重圧です。

何しろ、相手を失望させないような、満足をしてもらえるような選択
を期待されるのですから。

選んだものが不味かった時より、選んでもらったものが不味かった時
の方がショックは大きいと思いませんか?

 

まともなビジネスをしようと思っているなら、信頼関係が商売をする
なら最も大切にしなければならないものだと理解しているはずで。

期待に応えなければならない、との気持ちが出てきます。

すると自然と自信を持ってお勧めできるモノを提供するしかなくなり。
多少のコスト増加は受け入れてもらおう、との方向になります。

 

また、それを考えるだけでも結構な労力が掛かるものです。常連客で
あればまだ好みも分かりますが、一見さんの好みなんて分からない。

好みの壁を越えて満足のいくコースを考案しなければいけないのです
から、厄介な話。

その労力もまた、コストに添加するしかなく。結果として「おまかせ」
のコースは高価格帯になるケースが多くなる訳です。

価格が高ければ選ぶ人も少なくなりますから悪評が立ってしまう機会
も減りますし、高いものを食べるだけで満足する人も少なくない。

 

シェフのおまかせコースをメニューに並べている店であれば、それは
店側の戦略の一環でしょうけれども、そうでない場合に「おまかせ」
をするには、更なる高価格を覚悟しなければならないでしょう。

店側にリスクを抱えさせる分、仕方ありません。

 

レストランではありませんが、医療でも何でもその傾向は同じです。

特に僕が普段従事する医療においては価格に転嫁すらできませんから
選択の義務を放棄されると非常に困ってしまいます。

どのような医療を受けるかは、十分理解し、納得の上で選択して頂く
のが普通です。そのために、私たちは必死に説明しますし、説明義務
を果たさなかった場合に罰せられます。

 

それを、「一番良いと思うようにやって下さい。おまかせしますよ」
といわれてしまうと、僕はとても困ってしまう。

医師によってはその方がやりやすいと言われるかもしれません。が、
「おまかせ」される状況は患者さんが理解不十分である可能性が高く、
高いリスクを背負わされてしまっている事になる。

僕は、そんな状況で医療を行いたくありません。少なくともおまかせ
と言われたら、無難な選択肢しかできません。

 

「おまかせで」と言われる方はそこまで考えていないと思いますが、
選択の義務を放棄して人に渡す分だけリスクを抱えている事実を忘れ
てはいけない。

医療においては医師のリスクは自身のリスクなのですから、自己防衛
のためにお願いします。

 

おまかせでも選択は自分で

冒頭に戻りますが、僕は「おまかせ不動産投資」とは言っていますが、
実際には前述の「おまかせ」とは意味合いが違っています。

選択の義務は、放棄しません。

 

前述のおまかせに近い意味では、サブリースなんかがそうです。管理
や修繕の内容まで不動産屋にまるっと任せ、購入者はお金を出すだけ。

投資においてそこまで丸投げしてしまうのはいかがなものか、と僕は
思っています。

金融機関の薦められるがままに契約したような投資信託も同じです。

 

選択の義務を放棄するのは結局のところ自分のリスクを高めるだけ。
相手にリスクを背負わせる行為は、最終的には顧客である自分に転嫁
されて当たり前です。相手は商売をしているのですから。

任せるのは、あくまで「能力的、時間的に」自分で実行するには困難
が伴う作業だけであり。

選択の義務は、必ず果たします。購入物件も、修繕内容も、どれだけ
お金を掛けるかも。

そこだけは、勘違いされないようお願いします。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 鉄道が廃線になったりすれば暴落はしそうですが。
  2. 融資を受けずに小額でも始められる。REITのメリットです。
  3. 自分が率いているのを忘れてはなりません。
  4. 大手企業だからといって営業の笑顔を鵜呑みにするのは危険すぎます。
  5. 激甚災害の恐怖、身をもって体験させて頂きました。
  6. 何事も過度の投資は禁物ではありますけれども。
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る