可能性への投資よりもまずは確実性の確保から

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ここへきてやたらと「不動産は危ない」というような意見を多く
見るようになってきました。

人口減少により住宅あまりが発生し賃貸経営は成り立たなくなる
との長期的な悲観論は以前からあります。

それに加えて、不動産への融資額がバブル期を超えている、との
データから過去のような暴落が起こる、と不安を煽る内容のもの
が増えてきたように思います。

 

とりわけ一部の出版社は、どうしても今を巨大バブルである事に
したがっているようですね。

日本経済がまた大混乱となるのを期待しているかのような内容を
大きく取り扱っているようで、あまりいい気分はしません。

戦争が起こる事を期待しているような言い分に賛同できないのと
同じように。

総融資額という数字だけを見てバブルであると断ずるのは極めて
飛躍した論理です。

住宅ローンも含めた不動産融資に対する環境は、バブル期当時と
今とでは大違い。人口は数百万人程度の差でも社会の変化により
世帯数は今の方がずっと多い。

加えて金利の低下により融資の安全性が増しました。多額の資金
を借り入れてもバブル時代より遥かに金利負担は少なく済みます。
融資額が増えて当然です。

 

バブルというならば、リーマンショック直前の方が不動産価格は
高騰していました。あの時はプチバブルと言われていましたね、
実際に。

冷や水を浴びせられた結果、プチバブルは弾けて5年ほど不動産
価格は低迷しました。

 

今また同じような状況に向かっているかというと、全くそんな事
はありません。

度を超えて高騰しているのは一部地域の新築物件のみ。それ以外
は、特に中古マンションに関していえば大した伸び率ではなく。

一時期より利回りは落ちていますが、金利の低下により同程度の
収支計画を書ける程度には維持されています。

 

バブルというなら、利回り関係なく飛ぶように不動産が売れる程
になってから言って欲しいもの。

利回りの低下によって収益不動産の人気がやや低迷し、不動産の
価格が頭打ちしているとしたら、それは純粋に市場原理で価格の
調節が起こっているだけ。

バブル崩壊とは程遠い現象です。

 

もし、かつてのように不動産価格が永久に上がり続けるかのよう
な盛り上がりを煽る記事が乱発されるようになったら、そろそろ
危険なサインであると感じますが。

リスクが煽られている間はまだまだ不動産投資は捨てたものでは
ないように思われます。

雲行きが怪しい? なら傘を持っていけばいい話です。

「可能性」を中心に語らない

敢えて意見を参考にするならば、極一部の度を超えた価格上昇を
見せている物件は購入すべきではないとは考えます。

また、そろそろ調整期間に入る可能性もありますね。不動産投資
に対するネガティブな意見が広まれば不動産投資は人気を落とし、
価格が多少下落するかもしれません。

 

株も一時期に比べればやや下落し、調整期間に入っていますよね。
不動産価格は株よりも遅れて変動するといわれています。

株価がまた首をもたげようとしている現在、株式市場へと資金が
流れ、不動産からは資金が引き上げられる傾向が出てもおかしく
はない。

そんな状況がしばらく続くと、利回りが上昇し、また不動産投資
への人気が高まっていくでしょう。危険だなんだと騒いでいる方
も、態度を180度転換しているかもしれません。

 

不動産価格が多少下落する時期に突入する可能性は僕も感じては
いますので、ここは様子を見るのも一つの判断です。

予想通りに動いてくれたら、1年後には今よりも高い利回りの物件
を購入できる可能性があります。

ただし、あくまで可能性です。可能性で語り始めたら実のところ
きりがなく、すぐにでも収益不動産を購入した方が儲かる可能性
だってある。

来年から不動産価格が急騰しないとも限りません。

 

僕は、可能性で収益不動産を購入するかどうかを検討する事自体
がナンセンスであると思っています。

大事なのは、目の前の収益不動産が長期的に採算が合うかどうか。
いつ物件を買おうと、それ一点です。

 

まずは事業的確実性の確保から

微妙な可能性で不動産の購入を決めたり止めたりする人は、もし
狙い通りに物件価格が下がったら、まだ下がるかもしれないとの
不安を乗り越えられません。

不動産価格が高騰するのを期待して物件を購入するべきではない
のと同様、不動産価格が下落するのを期待して物件を購入しない
というのもまた不条理であると僕は考えています。

 

目の前の収益不動産が事業として成立するかどうか。不動産投資
を長く続けていこうと思うなら、ここを自らの意思で判断できる
よう努めるのが最も自然です。

そうすれば煽り記事の内容なんて気にならなくなりますし、本当
に危機が差し迫っているならばそれを察知できるようになるもの。

目の前の投資商品に手を出していいかどうか、明確な結論を出す
など容易な事となるでしょう。

 

可能性なんて、データの取り方、解釈の仕方、何を重視するかで
いくらでも言いようができます。

短期的な価格変動の可能性など丁半博打でしかありません。

不動産投資に必要なのは、長期的な見通し。一時期的に売買価格
が多少低迷しても、5年後に許容範囲であるなら何の問題もない。

 

現実的な事業計画と長期の見通しを重用して下さい。それを売買
の判断基準とすれば、将来に対する過剰な期待や不安など気にも
ならなくなるはずです。

 

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