イギリスのマンション火災で必ず増える、不動産の運用コスト

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イギリスの高層マンション火災、衝撃的な映像でした。その絵面
がかつての911テロ事件の映像を思い起こさせるところもあって、
本当に事故なのだろうか、と深読みをしてしまいます。

報道によれば、低所得者用の福祉住宅との事。スプリンクラーの
設置はされておらず、火災報知器も作動しなかったとの話から、
建設や管理は相当に杜撰であった可能性が高い。

消火器の期限切れ、避難経路の不備などが住民団体から繰り返し
指摘されてきたのが事実であれば、逮捕者が出る可能性が高いと
思われます。

建物の管理会社もインタビューに対して明確な回答をしていない
のが、後ろめたさを表しているようです。

一人でも多くの方が助かるよう祈ります。

 

この問題が大きくなり、報道が長期化したら、世界の不動産価格
に影響が出そうですね。

当然、高層住宅は人気が落ち下落、逆に多少立地が悪くとも安全
が確保しやすい印象がつく低層マンションや一戸建てが受け皿に
なり、人気が出るでしょう。

燃えやすい木造住宅は人気が落ちそうです。

あと、火災保険が潤うかもですね。火災保険を扱う企業の株式を
購入するのも悪くないかもしれません。

 

実際の安全性の差異よりも、こういった事件や報道による印象の
方が全体的な傾向には大きく影響します。

時間が経つにつれて事件は風化し、価格が下落してお買い得感の
出た高層マンションにはまた人気が集まってくるでしょうけれど、
こうした事件を利用してひと儲けしようとする企業もいますので。

当面、高層マンション下げ(他の何か上げ)の環境となっていく
傾向は何らかの形で出てくるのではないでしょうか。

後は業界の力関係次第でしょう。

 

ここ最近は、武蔵小杉の高層マンションからの落下物事件報道等
日本でも高層マンションに関する問題点の指摘が報道でもネット
でも相次いでおり、流れに変化が出るかもしれません。

僕は高層マンションに住みたい、買いたい、という気持ちが全く
理解できませんし、そもそも自分の住居用に住宅を購入する予定
が今のところ全くありませんから何の影響も受けません。

が、不動産価格全体に多少なりとも変動が起きる事件については、
今後の動向を注目せざるを得ないところです。

消防法も更に厳しくなりそうですね。

内部留保を増やす意味

結局は日本からすると海外の事件であり、不動産価格にそこまで
影響をするとは思えません。

どちらかというと防火設備の点検や整備の声が強まり、不動産の
所有者にはコスト面の負担を強いられるような世論形成の形成が
される可能性の方が怖いところ。

数年前、福岡の整形外科診療所の火災で複数死者が発生した事件
を契機に、病院・医院における防火設備関連法案の再整備がされ、
経営に大きな影響を与えるに至りました。

医療は増えたコストを価格にほとんど転嫁させられませんので、
急な変化に対応がしきれず経営危機を迎えたり、閉院を余儀なく
されたところも出る始末。

最終的に経過措置がついたり、スプリンクラー設置に対して補助
が出るような形になったりして落ち着きましたが。

 

不動産関連ではこのように何かの事件、事故が行政を動かし振り
回される傾向が極めて強いです。

当初の事業計画や見通し予測では経営に問題なかったはずなのに
ある時から急により厳密で高い安全性(時に本当に必要かすらも
不明な)を求められ、急なコスト高を受け入れるしかなくなり。

いつの間にか、経営が厳しくなっていく、と。

 

事業においては、こうした急な抗いがたい変化は大きなリスク。
逆にプラスとなるような事もあるでしょうけれども、注意すべき
はマイナスになる事態から経営が傾かないかどうか。

事業主となるのであれば、急な変化が起こった際に対応ができる
よう事前に準備をしておかなければいけません。

もしかしたら、何が起こるか分からないなら準備のしようがない
ではないか、と思われるかもしれませんが、その通りで。だから、
内部留保を貯めておく必要があります。

お金さえ残しておけば、大半の問題には対処できますから。

 

内部留保の増大は自然な話

近年、企業が内部留保を増やして使わない、なんて話題が報道を
されます。内部留保とはイコールで現金ではない為、内部留保の
放出がどう、というのは筋違いだったりもしますけれども。

企業が金融資産としても内部留保を増やしている理由が、リスク
対策です。

何でそうなったかといえば、いざという時に金融機関が貸し渋る、
リスクが高まったら貸し剥がす、自己保身をしてきた歴史がある
からに他なりません。

 

何かあってから金融機関に融資を申し込んでも、融資を出しては
貰えないリスクがかなり大きい。もしも資金が必要な際に融資が
断られてしまって現金も無かったら、資金がショートしてしまう。

そうなったら、不渡りを出して倒産しかない。

急変リスクに備える為、企業が内部留保を貯めておくのは当然の
自衛行為といえるでしょう。

 

不動産投資家も、他の一般企業と同じような感覚を持ち、リスク
に備えなければいけません。だから、得た家賃を使ってはならぬ、
と言われているのですね。

自由に使って良いお金はそうしたリスク対策が完了してからです。
何かあっても盤石、と思える体制が作れた、と思えるまで、僕は
内部留保の積み上げに努めるつもりです。

 

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