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不動産価格の変動は、実は医療業界に大きな影響を与えます。
主に、新規開業時について。病院や診療所を開設するに当たっては、
まず医業を行う場所を確保しなければいけないからです。
建物やその内部については、かなり細かい規定があって。用途毎に
利用者当たりの面積が決められているものもあって、診療科や提供
したい医療サービスにより必要な広さは千差万別。
まあでも、それだけであれば医業に限らずどんな事業でも同じ事。
どのような場所が用意できるかである程度提供できるモノの限界が、
事業のキャパシティが決まるのは当然です。
問題は、日本で保険診療をしていくに当たり単価が決められている
ところです。
東京の一等地で診療所を開設しても、離島で診療所を開設しても、
同じ医療を提供して得られる収入は同額。となると、どちらが利益
を得やすいか、投資資金を回収しやすいか、という話。
同じ患者数が獲得できるなら明らかに地価の低いところでの事業が
経営的に楽なのは間違いありません。
離島までいくと極端ですが、僻地にはライバルも少ないので意外と
患者数は違わなかったりします。まともな診療を心掛けると一日で
診察できる人数など限界があります。
離島までいってしまうと資材の搬入などで建設費が高騰しそうです
から話は極端でしたが、比較的地方で人口はそこそこ、地価は安く
ライバルは少ない。そんな土地であったらどうでしょう。
東京やその他の大都市が地価の高騰を起こしている今のような時期、
どちらで医療事業を行うのが楽かは言うまでもないと思います。
医療機関は非営利ですが、非営利=稼がなくても良い、では非ず。
むしろ医療機関に求めらえているのは安定した医療の提供が第一で、
そのためには十分な利益を上げられなければいけません。
病院の開設や増床、医療法人の設立には一般法人と違い審査があり、
そこでは経営が長期に渡り安定して行われそうかどうか、事業計画
を厳しくチェックされます。
しかも結構無茶も言われるようで。元銀行マンのお知り合い曰く、
銀行員でもこんなもの作らないよ、と言わしめる程。
地価の高いところで新規に医療機関を設立するとなったら、計画を
立てる時点でそうでないところと比べて厳しいのは明らかです。
不動産価格の上昇と医療単価の下落は、医療業界にとって由々しき
問題であるのは間違いないでしょう。
特に東京では今後、医療者側にも患者側にも不幸な話ばかりになる
だろうと僕は感じています。
利便性の高い地方に大きな可能性
正直なところ、現在の健康保険制度を維持する前提であれば東京で
開業するなど自分で戦場に乗り込み名乗りを上げるようなものだと
思っています。
いえ、開業だけでなく医療職(医師含む)をしながら東京に定住を
しようということ自体、経済的な苦境を容認してでも都会住まいを
求めているだけなのですから、環境悪化に文句を言うのは筋違い。
仕組みを知れば当然です。地価一つ考えれば、同じ仕事を同じ時間
しても土地代に利益を吸い上げられるのですから労働単価は下がる
のが当然すぎる話。
経済面では、医療職は地方で仕事をした方がよほど上を目指せます。
事業主としても前述のように地価が高ければ初期投資費用が大きく
なり、それは受ける融資金額の増大を招きますから、実質利回りが
大きく下落するのは開業する前から分かる話。
人口の多さも、病院や診療所の多さでトントンでしかありません。
事業計画を立てる上で利回りが大切なのは、不動産投資と関わりの
ある方なら誰でも理解しているかと思います。
東京の不動産が利回りが低く経営に不向きなものが多いのと同様、
東京で開業するのが利回りが低く厳しいものになるのは仕方がない
のではないでしょうか。
東京だけでなく、他の大都市圏でも同じです。
僕は東京圏から地元の地方へと戻ってきて、その職場環境の良さに
驚いています。病院の経営状況も良く、需要が途切れる気配は全く
感じません。
都市にこだわるなんて、少なくとも仕事をするのに邪魔でしかない
のがはっきりしました。
不動産投資でも地方物件を購入しましたが安定経営ができており、
地方だからという不安要素は全くありません。
子供の教育面などで大都市圏に留まる、留まりたい方が多いのかも
しれませんが、僕は自分が地方で育って今に至りますので、あまり
心配せずに済んでいます。
教育環境整備にある程度頑張らなければならないのは確かですが、
私立小学校に行かせるお金の半分も利用すれば、十分以上の教育を
できるだろうと楽観的です。
もっとも、そこは何を信じるかですから、理由があって大都市圏に
留まるのを否定はしません。
が、地方にもっと可能性を感じた方がいいのではないかな、と。
東京には長く住みましたが、一生住みたいとは全く思いませんで、
確かに地方は飲食店など少ないですけれども、歳を取るごとに外へ
遊びに出る回数など減っていくもの。
30歳代後半にもなれば仕事も忙しく、また楽しくなってきますので
外に遊びに行ったりする機会が少なくなるため、地方と都市部の差
はよっぽど小さくなります。
これからは地方が優遇され、過ごしやすくなっていくのは確実だと
僕は確信しています。大都市圏には、時々遊びに行く程度が僕には
合っています。
仕事上も、私生活上も、もっと地方に目を向けて、可能性を広げて
将来を描いてみてはいかがでしょうか。
幸福は、都市部ではなく地方で貴方を待っているかもしれませんよ。
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