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大阪の地震で被害を受けられた方も少なくないと思います。
震度6弱、マグニチュード6.1と地震の規模としてそこまで大きな
ものではないにしろ、死者も複数人出ており、決して小さな災害
ではありません。
僕も東日本大震災を福島県で直撃した経験がありますが、兎に角
暫くの間は余震もあり、落ち着かない日々が続きます。
直接住んでいなかったとしても、収益不動産を所有している方は
気が気ではないでしょう。
現地入りしようにも月曜日の地震ですから、週末までは随分間が
空いてしまいます。しばらくは管理会社さんにお任せする以外に
ありません。
こういった災害があるので、たとえ物件が近かろうと自主管理に
したくない。一次復旧するだけで結構な手間が掛かってしまう。
本業を急に休むわけにもいきません。
管理会社さんも被災をしているでしょうから、あまり無理な事は
お願いできませんけれども、緊急に連絡しなければならないもの
だけでも連絡してもらえれば非常にありがたいです。
今回はガス関連が大きくダメージを受けているようで、完全復旧
まで1週間以上かかるとの話。
都市ガスは安く済みますが、こういった時は困ります。プロパン
であれば建物の配管がやられない限りはすぐ使えなくなったりは
しないため、災害には有利ですね。
実際、熊本地震の時もプロパンガスは翌日には使用可能となって
いたようで、高コストで不人気ですけれども、今回の大阪地震で
若干見直されるかもしれません。
いずれにしろ阪神大震災や東日本大震災ほどの地震規模にならず
に済んだのがせめてもの救い。
しかし、大きな教訓は生みそうです。特に、例のブロック塀倒壊
の問題は私たち不動産投資家として注目すべき案件です。
常に加害者になりかねない
件のブロック塀は、少なくとも適法でない状況にあったようです。
記者会見中に「違法建築だったのか」との質問に対して市の担当
は「適法ではなかった」との言い方をしており、誤魔化したくて
仕方ないようでしたが、一応僕も「適法でない」と記述します。
ポイントはブロック塀の高さにあるようで、ブロック塀は2.2m
までの制限があるのに3.5mもあった、との事。
一定の基準を満たせば2.2mを超えても良いようですが、基準を
満たしているとは認めがたい状況であったようで、安全点検すら
されていなかった、と。
崩れる恐れが高いからこそ、そうした規制がされているんです。
それを、適法でないままに長年放置され、地震で倒壊し子供一人
の命を奪う結果となってしまった。
これは言い訳のしようがなく、所有者の責任です。
市立小学校のブロック塀なのですから、当然責任は市にあります。
家族としてはやるせない気持ちでしょうが、まだ市が相手ならば
補償能力の面で不安はなく、マシだったと言えるかもしれません。
これが個人の所有していたものであったら、そしてそれ用の賠償
責任保険などに入っていなかったとしたらどうなったでしょうか。
刑事責任が追及されるのはともかくとして、民事責任は支払能力
の欠如から、家族は泣き寝入りせざるを得なくなっていた可能性
があります。
加害者側となってしまった個人も自責の念を強く感じるでしょう。
真面目に支払おうと思ったらそれこそ支払に一生の時間を費やす
ことになります。
一つの法令違反が不幸な人間を倍増させてしまう。
こんな事態を防ぐ方法はたった二つ。
一つは法令を遵守する事。日本は法治国家であり、法を守るのは
大前提。法律に違反すれば、それは罪に問われて当然です。
今回のケースでは、もしかしたら適法な基準で作られたものなら
倒壊せずに済んだかもしれません。
適法な基準で倒壊して結果同じであったなら致し方ない。それは
法律を変えるべき議論がなされるだけです。
もう一つは、保険への加入。人類の知恵はこうした事態にも目が
向いていて、きちんと保険が用意されているんです。
それが賠償責任保険、ですね。
生命保険よりよほど重要
そうそうは、賠償責任が発生するような事態にはならないだろう
とは思います。
思いますが、いざ起こった時に他人に被害が及ぶのは僕には容認
できません。
自分しか損害を受け無いものであれば、確率が低ければ入らない
という選択もありでしょう。例えば団信なんかは、自分や家族に
しか影響がありません。
ですが賠償責任保険は、加入を義務化してもいいでしょう。最近
は自転車すら保険に加入しなければ買えなくなっています。問題
となるケースがそれだけ増えている証拠。
権利意識の高まりとともに、泣き寝入りをしてはいけないという
意識が日本人にも強まっていますので、自己防衛の意味でも賠償
責任保険には入るべきだろうと考えます。
今回のような、建物が適法ではない場合は保険が出ない可能性も
ありますので、大前提としては法の順守がありますけれども。
不幸な人が一人でも減るように、賠償責任保険への加入は必須で
あると思っていいでしょう。
いつ、自分が自身の被災者となり、加害者となるか分かりません。
収益不動産の規模が大きくなればなるほど、その確率は高まって
いくのですから、利益を得る分だけ責任は重くなるのだと意識を
強め、備えるようにして下さい。
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