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いきなりステーキの業績が、値上げが原因で急激に不振へ陥って
いるなんて報道についたコメントを読んでいると、様々な意見を
皆さん持っていらっしゃるようですね。
政治がらみにしたい人、企業の責任であるという人、自分ならば
こうする、との持論を展開する人。
色々な意見があり、それぞれがある程度の理はある、と思います。
ただ、経済政策が悪くて消費者の経済状況が改善していないのが
原因で、企業に責任はない、との意見を書いている人がいること
だけが気になりました。
企業に責任はない、そんなことは「あり得ません」。まともな頭
をしている人ならすぐに分かると思います。
値上げをするのが難しい、なんて誰でも知っているはず。まして
経営者であれば十分承知しているでしょう。
その中でも、上手に値上げを行っている企業は多い。もちろん、
消費者側に不満がないはずはありませんが、それを我慢させる力
が上手くやっている企業にはあるのでしょう。
いきなりステーキは「価格の安さ」で外食市場のシェアを奪って
きました。薄利多売でこれまでやってきたのです。
つまり、ついている顧客は価格を重視する顧客が多いわけですね。
それは性格、主義、嗜好の部分もあり、所得が上昇しても大して
変化はありません。
そんな中で、ターゲットを変えもせず少しずつでも値上げをする
結果として顧客離れが起きたとしたら、それは企業の戦略ミスと
しかいえません。
価格を上げればライバルも変化します。ボクシングで階級を変更
すれば勝手が違うのと同じ。同じ価格ならいきなりステーキでは
なくてもっと良いところに行く、と考える人は少なくないはず。
低価格路線、薄利多売で築いたブランド力の高さが通じないかも
しれないとは考えなかったわけではないでしょうが、やや市場を
侮っていたのでしょうね。
ダンピング、とまではいかないでしょうが、低価格路線で市場を
開拓したのは企業なのですから、その方向転換が失敗したことを
政治のせい、経済環境のせいにするのは無理筋というもの。
政治がステーキの値上げを命じたのではないのですから、長期的
な戦略をミスした責任はあくまで企業にあるのは確実です。
いち企業の業績まで政治に絡めて政府批判をするのは、政府批判
をしたくて書いているようにしか読めません。
官僚憎し、政治家憎しは構いませんが、それで目が曇って損失を
被ったとしても、それもまた自己責任と思います。
直近最低価格に注目を
不動産投資でも、価格戦略は長期的な視野も考慮した上で検討を
していかなければいけません。
購入時点でも、もし満室の物件を買うにしても本当に適正価格で
皆が入居をしているのかどうかをしっかりと確かめましょう。
家賃と入居時期は極めて重要です。
中古不動産のレントロールを見ると、たまに一人、二人だけ他と
桁違いの長期入居者がいたりします。そんな人の家賃を見ると、
他の部屋よりもずっと高かったりする。
大手企業の法人契約だったりすると、一度契約した後は更新する
だけで、それを管理する担当の人間にとっては価格が高かろうと
興味がないのでしょう。
そもそも高い事にすら気が付いていないのだと思います。
そうした分も含めての利回り計算がされていますから、もし高い
契約をしている人が退去でもしたら一気に利回りが下落します。
大事なのは、最近いくらで契約が決まったか。それ以上の価格で
契約を獲得するのは相当に難しいと考えて下さい。
その上で、利回りの再計算をした方が良いと思います。高額契約
のままでいるのは単なるボーナスであり、まやかしです。
また、価格を下げて入居を得る戦略は、後々にかなり響いてくる
点に注意してください。
市場価格から逸脱しなければ、低価格は強味です。現に僕の所有
物件も、周りのライバル物件に対して価格競争力が見込める程度
の低価格を提示しています。
が、空室が出来て次を入れなければいけない際には、多少の空白
期間を覚悟してでもできるだけ家賃引き下げは行いません。
下げなくても案外入居は得られますし、一度下げると次の入居の
家賃ラインは引き下がってしまいますから。
管理会社も客付け業者も早いところ入居を決めて広告料や管理料
を貰いたい、と考えていますので、簡単に値下げを提言してくる
のが実際。
参考にするのは、同一条件の部屋の最終契約価格の場合が多い。
そこであれば、いかにも早く決まりそうだからです。少し値下げ
をすれば更に早く入居が入るとは誰でも考えるでしょう。
それを提言に任せてしまうと、家賃単価は下がる一方。1,000円
の値下げも年間にすれば12,000円。それが10戸、20戸あったら
業績に大きく影響するのは想像に容易い。
低価格戦略は実に有効な戦略ですが、一歩調整を間違えると首を
強烈に締め上げる罠になります。
一時の利のみを見て価格引き下げを行うのは極めてリスキーです。
本来の価格を見抜き、十分な価格競争力を維持しつつ確かな利益
が望める物件を探し、その価格を維持しましょう。
安易に市場に乗っかろうとすると、後々痛い目を見ますから。
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