中古物件の修繕は不自由とコストとの闘い

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診療所の修繕について、関係各社一同で集まり会議をしました。

いや、大変ですね。既存の築古建物という不自由な環境で如何に
顧客(=僕ですね)の要望に応えるかを懸命に議論して下さり、
ありがたい限り。

長く付き合いのあるところには当然可能な限り参加をして頂いて
それぞれの専門家としてのご意見を賜りました。皆さん、うちの
構造をよく覚えていらっしゃっていて。

築40年近いんです。なのに皆さんしっかりと記憶されていました。
おかげで議論は極めて有意義なものとなり、修繕計画は一歩前に
進んだと実感します。

 

当の僕は、建物の事なんて知りませんし、諸々の専門知識なんて
何もありませんから、その場にいてもあまり役に立ちません。

十分な時間を取ったつもりでしたが診療時間になってしまって、
僕は中座させて頂きましたが、要望と診療に必要な条件について
は概ね伝えられたかと思います。

電気系統や配管関連がやはり鬼門ですね。それだけでなく消防法
を遵守しなければいけませんから、避難経路の設定や避難器具の
設置など限られたスペースに詰め込まなければならず。

最終的な完成に向け、多くの専門家からの意見に、設計士さんが
また頭を悩ますのだろうなと思うと申し訳ないばかり。

 

設計すれば後は施工だけ、とはいきません。診療所をずっと休診
とするわけにはいきませんから、工事の計画も重要なポイントに
なります。

うまいこと、一日の休みも無く修繕を終わらすにはどうするべき
か、僕も考えなければいけません。

古い建物を利用するのがこれほど大変なことになるとは、想像を
しておりませんでした。

が、一応は順調に進んでいる様子に、ほっと一安心です。さすが
プロフェッショナルは違います。

 

有床診療所の再生なんて、全国的に見ても滅多にあるないだろう
案件の中心に僕がいることに大変不思議な気持ちを覚えます。

ここまで大勢の方が頑張って下さっているのですから、何として
でも地域医療に貢献をしなければいけませんね。

地域の雇用を増やす意味でも、地域を振興するためにもより一層
診療に力を尽くそうと改めて引き締まる思いでした。

古い建物の再利用は大変ですが、これから先は大切になる気がします。

賃貸住宅はコストが最重要?

賃貸住宅の場合、築古物件を再生にはそこまで悩ましい事はない
かもしれません。

主たる理由は以下の二つです。

 

第一に、大規模修繕工事は全国各地で行われ、ノウハウをどこの
建設業者もそれぞれ保有している点。入居者がいたって修繕工事
はいくらでもできてしまいます。

流石に入居中の部屋は無理ですが、退去したらやればいいだけの
話ですからね。各々部屋は独立しており、連携を考える必要など
ありませんで。

共有部分については、入居者に連絡を入れて承諾を貰えばよほど
変な人でない限り承諾をして貰えるでしょう。

自宅が無償できれいになる事に反対する人なんてほとんどいない
でしょう。もしいたら、そんな方には退去をして頂きたいですね。

 

第二に、あまり複雑な機器、特別な装置などを要しない点。

生活に必要な機器は限られています。高圧電源も必要ありません。
電気が使えて、水が出て、水が捨てられて、お湯が沸かせられる
なら、後は何とでもなりましょう。

後付けもいくらでも可能です。電気の容量はブレーカー交換だけ
で可能ですし、ガスだって既存の建物なら都市ガスかプロパンで
引き込まれているはず。

案外、下水は普及率が低かったりします。が、賃貸住宅に需要が
あるような地域ではほぼ100%に近いのではないでしょうか……
いえ、地域によってはそうでないところもあるかもですが。

 

賃貸住宅として築古物件を再生させる際の焦点は、ほぼコスト上
の問題に限られています。

修繕にお金を掛けて、不動産賃貸事業として経営が成立するのか
どうか、この一点に尽きます。

 

コストが見合わなければ話は流れるだけ。施工業者さんも苦労を
しているかもしれませんね、不動産業者もかなり身勝手だったり
しますから。特に投資用ともなれば。

そして、だからこそ手抜き工事が発生しやすいのかもしれません。
コストが見合わなければキャンセルとなり、仕事自体が消滅する。
であれば、仕事にありつくには予算内に何とかするしかない。

予算が採算ラインを割っていたら、手を抜けるところは徹底して
手抜きして、工事を満了するしかない、と。

 

修繕をお願いする側としても、コスト的に見合わないことを無理
してやろうとしていないか、しっかり監視をしなければならない
のでしょう。

お金の数字ばかりに目が行ってしまうと、そのうち痛い目を見る
羽目になってしまいかねませんから。

 

楽なのは新築。でも……

築古物件の修繕は実に不自由です。ゼロからやれた方がどれだけ
楽であったか。

しかし、こうして一つひとつ皆で議論しながら古い物を再生する
事には強いやり甲斐も同時に感じます。

恐らく完成の暁には、大きな達成感が得られるでしょう。

 

僕としてはそのうち余裕ができれば新たな建物を立て、広々した
空間で仕事をしたいものだと考えてはおります。が、せっかくの
財産ですからあるものを活用するのも大事だと再認識。

所有マンションも中古ばかりで、新築には興味が湧きませんし、
僕には中古、築古が似合っているのかもしれません。

新たにどのような診療所が生まれ変わるのか、楽しみです。

 

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