働き方と人生は切っても切り離せない関係

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働き方改革は一気に世間へと浸透しています。恐らくそう遠くない
うちに、労働基準法違反は社会的に許されない時代へ突入していく
のは間違いないと見ます。

とても素晴らしい流れであると共に、かなりの人が労働というもの
を勘違いして痛い目に遭うのではなかろうか、との不安もあります。

ということで、本日は不動産を離れ、労働の話題です。

 

僕は経営者であるとともに労働者でもある立場にあります。それも
あって、両方の立場から労働について考える習慣がつきました。

そして当たり前の価値観として、日本は法治国家であり労働基準法
という法律がある以上、労働とはそれに則った形でなくてはならぬ、
と考えます。

当然すぎて発言するのも馬鹿らしい話ですが。

 

ただ、労働基準法が全く素晴らしい、とは思いません。むしろ現状
の法のままでは、経営者としても労働者としても極めて不自由だ
と感じます。

本来、労働契約とは企業と個人の間で結ばれるものですから、互い
が納得しての合意であればどのような条件であっても良いのでは、
と考えてしまいます。

もちろんそれでは企業が良いように個人を騙して働かせるような事
が多発しますので、立場の弱い労働者を保護するために労働基準法
が作られたのだと理解しています。

弱者保護のため、真に信頼関係のある者同士の間でも規制が生じ、
互いにとって不自由な雇用契約を結ばざるを得ない、と。

何とも面倒な話。

 

けれども、労働の問題点は雇用契約ではなくその実態にあります。

雇用契約で交わされる内容は、業務内容と就労時間、休みや賃金の
具体的なところが主たるもの。

雇用者側としては「労働の結果」を期待しているのに契約内容には
含められず、また期待したほどの結果が得られなくても契約解除を
一方的に行えず。

労働者側としては「労働の結果」は雇用契約に入っていないはずで
あるのに結果を求められ、また結果が出せる人間であっても結果が
出せない人間と大きく待遇に差がつかず。

その噛み合わない部分でお互いに齟齬が発生し、お互いが不自由で
お互いが不幸で生産性も上がらない、そんな労働環境に陥っている。

 

この働き方改革の流れで、少し状況は変わってくる可能性がある、
と感じなくもありません。

その中で痛い目を見る人とは、労働の在り方と自分の希望を現実的
なものにすり合わせができない人

雇用契約とは己が直接の契約主なのですから、きちんと向き合って
契約内容に責任を持たなければいけません。

 

そうでなければ、あたかも業者に流されるままに不良収益不動産を
購入してしまった人々と同じような状態に自分を貶めることとなる
でしょう。

仕事について、労働について、働き方改革の流れが生まれている今
こそ、もう一度自分を知るラストチャンスだろうと思います。

働き方改革で逆に都合が悪くなる人も多そうです。

対話可能な職場の獲得を

これまでは程々の仕事内容で程々の結果であっても、会社の意向に
従って、文句も言わずに仕事をしている「従順な労働者」であれば
ある程度の評価を受けられました。

働き方改革が実行されれば、今まで「従順でいる」ためにやらざる
を得なかった労働から解放される、楽になる、と感じているのかも
しれません。

様々な形でその予想は裏切られるでしょう。

 

既に実感をしている方もいるでしょうが、働き方改革をしたところ
でほとんどの場合労働内容や業務量には変わりなく。要するに短い
時間で詰め込んで仕事をしなければならないだけ。

残業時間が圧縮されるとなれば、各労働者に渡るお金も少なくなり、
企業としては嬉しいですが、その分残業代が減って生活が苦しいと
感じることとなる労働者は少なくないでしょう。

営業職でも、短い時間で同じノルマを確保しなければ評価は確実に
下げられてしまいます。

 

賃金が少なくていいからもっと時間的余裕が欲しいと考える人には
望ましい状況ですが、そうでない人だって多くいるわけで。

また、働き方改革が為されてから数年もすると、経営者や管理者は
誰が結果を出せる人間なのかを見極め、効率的に働ける者と非効率
にしか働けない者を区別するようになるでしょう。

いわゆる成果主義です。ただし、歪んだ成果主義になるでしょうね。
どのように歪むかは、業界や業種、また企業によって異なります。

 

そして、恐らく最も求められるのは「忠誠心」です。自分の雇用主
に対してどこまで忠誠を尽くせるかどうかが、成果以上に評価の差
となっていくでしょう。

その忠誠心、これまでは就労時間という形でもって数字に出ていて
誰の目にも明確でした。が、今後はそうではなくなります。

経営者、管理者が労働時間以外のもので目ざとく優秀な人物を評価
できるのであれば何も悩ましいところはありませんが、そうでない
のは誰しも知るところ。

そうなると危惧されるのではないでしょうか。取り入るのが上手な
人間ばかり評価されてしまうのではないか、と。

 

そこで必要と思うのが、対話です。雇用者と対話こそ、これからの
労働環境改善に必要となると思います。

また労働者と対話できる企業こそが優良企業である証拠になります。
労働環境について真面目に考えているところほど労働者との対話を
欠かさないのは感覚的にも分かりそうな話。

しかし対話は、企業側が労働者のためを思って、なんて都合の良い
ものではありません。

「外れ物件」を掴みたくないのはお互い様なのですから。

 

貴方の労働環境は、貴方の人生観で適正でしょうか。適正な状況を
維持できるでしょうか。

仕事は己の一部。自分を知り、労働について、労働に対する態度に
ついて、今一度考え直す時期が来ているように思います。

 

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