重く考えすぎなローン、軽んじられすぎな借金。

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借金について、あまりにも深刻に考えている方があまりにも多いと
感じるのは僕の気のせいでしょうか。

確かに質の悪い借金をしてしまうのは非常に問題があります。闇金
は勿論のこと、生活費の補填として恒常的にキャッシング等を利用
するようになったら、返済地獄の始まりです。

クレジットカードを全否定する人も少なくありません。あれは借金
である、との認識から一回払いすらしてはいけない、との意見です。

それはお金のコントロールができない自分への戒めにしているだけ
なのかもしれませんけれども。

 

そんな方々からすると、不動産投資で融資を抱えるなんてとんでも
ない事なのだと思います。不動産屋と金融屋に騙されているだけだ、
と。

確かに、リスクはありますからね。入居状況が芳しくなければ返済
に困り、返済が遅れれば資産を召し上げられる危険性を孕みます。

それ以上の見返りがあるのと、リスクコントロールに自信がある為
私たちは不動産投資を止められないのですが、リスクを考え投資に
打って出られない方々を否定はしません。

大きく括れば、同じ借金であるのは確かです。人に勧められて意思
決定するようなものではないですから。

 

かと思えば、住宅ローンは問題ない、という人は多い。同じ借金で
あるのに、不思議な感覚です。

むしろ、僕からすると住宅ローンの方がよほどリスクが高いと感じ
あまり組みたいとは思えません。住宅購入には、金銭的リスク以外
にも様々なリスクがありますので。

感覚的な部分が多々ある議論になり、なかなかお互い理解し合うの
が難しかったりしますが、せめて借金に対する偏見や認識の歪みを
矯正し、真正面から向き合えるようになりたいところです。

金融の世界は次々変わっていきますね。

住宅ローンは信用棄損

住宅ローンを問題のない借金である、との誤った認識だけは正して
おいた方が良いでしょう。

住宅ローンなんて、多少金利が優遇されているものの、本質的には
普通の借金と何ら変わりません。

そして、今後は現状のシステムのままでは社会システムに合わない
融資形態になっていきますので、収入に対し高額過ぎる住宅ローン
を抱えるのは本当にやめた方がよいでしょう。

 

住宅ローンは、完全に属性を意識したローンです。担保評価額は、
融資金額に対してかなり下回っています。つまり、マイナスからの
スタート。

住宅ローンを組んだ時点で、他に金融資産が無い限り債務超過状態
となります。担保も無いのにお金を貸してくれる住宅ローン制度は
素晴らしいのですが、恐ろしい搾取システムでもある。

一生涯で得られる給与収入は多くの場合、上限が決まっています。
企業平均より大幅に上回る、なんて希望的観測は不動産投資で稼ぐ
よりもよほど非現実的。

その、上限の決まった生涯賃金から、衣食住の3大生活費のうちの
「住」の金額を事前に決定してしまう住宅ローン。収入が減少する
リスクを考慮から全く外してしまっています。

 

長く生きていると、お金で悩む機会なんて山ほどあります。何とか
捻出しようと努力しますが、その大半は「節約」になるでしょう。
所得を増やすのは一般的に容易ではありませんから。

基本は生きるのに不要なお金、趣味や無駄な光熱費などを減らす事
から始めますが、同時に食費や衣料品の切り詰めも行うはず。

もしも金銭的困窮がある程度長期間にわたる可能性があれば、住居
に関する費用も削りたくなりますし、金額が多い分だけ節約効果は
非常に高い。

しかし、住宅ローンによる持ち家購入はそれが不可能になります。
最初の返済条件次第ではありますが、返済負担軽減の交渉は困難を
極めるでしょう。

 

事故や病気などで従来の仕事ができなくなる恐れもあれば、賃金の
引き下げ、リストラ、そもそも会社が倒産する恐れもある。

今後、雇用形態に政策的、社会的変化が起こる可能性はかなり高く、
正規雇用という立場もどこまで維持されるか不透明です。

そこを信頼して住宅ローンを組むなど、不動産投資をするのと何が
違うでしょうか。住宅の維持には相応の維持費が掛かることも考慮
すれば、なかなかにリスクがあるのは想像に容易いと思います。

 

住宅は、資産などではありません。賃貸と比べて金銭的なメリット
は小さく、住宅所有にお金以外の何かを感じていなければ、借金を
抱えてまで買う理由は現代社会において薄く。

住宅ローンによって縛られるお金で何ができるかをしっかりと考慮
した上で、借金をするかどうか検討すべきでしょう。

 

小さく失敗して学んでおく

逆に考えると、住宅ローンならばそのくらい気軽に大勢の方が借金
をしているわけで。

不動産投資の融資を怖がったり、ましてやクレジットカード一括払
を恐れる理由などどこにもありません。

結局は金銭管理がしっかりできるかどうか。

 

これは、どこかでお金についての正しい認識に目覚められるか、に
掛かっています。

経験上、一度は失敗を経験した上で学習し、ポジティブな考え方を
身に着けられるとバランスの良い金銭感覚が得られるように感じて
います。

いきなり不動産投資や住宅ローンのような大きな金額の借金に突貫
して失敗するのは確かに怖いですからね。

せめてクレジットカードに対する拒否反応だけは克服した方がいい
ように感じます。一括払いは制度的にも、「借金」には含まれては
いない存在です。

 

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