所有している不動産は管理責任の統一化と確実化を。

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管理のしきれない不動産を所有するのは、不幸を招き入れることに
繋がります。

それは自分のみならず、家族にも降りかかる可能性があるのを十分
理解しておくべきでしょう。

もしも、管理責任者が不透明になっていたり、所有権が共有名義に
なっていたりする不動産があれば、今すぐにでも話し合いをして、
意見を明確に、かつ一致させておくのをお勧めします。

 

これは実体験、というか近親者の実体験です。放置すれば、確実に
次世代に引き継がれ、問題は更に混迷を極めます。

とある管理不足の土地があって、台風などで土砂崩れを起こした際、
何が起こるか。もしその土地由来の土砂崩れで他者に被害が及んで
しまった場合、誰が責任を取るのか。

当然、所有者です。人命被害が無ければ幸い、しかし経済な損失は
計り知れません。

 

実際に、近親者でそういった事例が発生しました。市からは再発の
防止を命じられ、仮の修繕工事だけで500万円を投じざるを得なく
なりました。

幸いなことに、自治体が比較的裕福な地域であったのと、台風被害
であったというので自治体側が色々と助けてくれて、仮工事費用に
ついては後に全額補助をして頂けたようです。

ただ、本工事をしなければいけませんからそちらは自分持ち。今後
その土地をどうしようか、と共同所有者と話し合いを続けています。

 

尚、その土地については他にも悶着があって、弁護士に入って貰い
様々なやり取りが同時に行われたようです。

それに関連して他者の住宅に被害があったらしく、責任は最終的に
違法な事をしていた第三者が負う形となって終結したとの話。が、
もし自分の管理不行き届きであれば、損失額はとんでもない金額に。

これが人命被害に至っていたらどうなっていたか。賠償請求金額は
手に負えない額になっていたでしょうし、失われた人的被害は取り
返しがつかなくなっていました。

無保険で交通事故の加害者になってしまったようなものです。

 

管理の手が届いていない、なあなあになってしまっている不動産が
隠されている可能性は誰にでもあります。

自分のものでなく、両親や祖父母の所有であっても、相続権がある
以上は自分に被害を及ぼしかねない。

不動産を所有するには管理する義務が生じます。そこを甘く考えて
いると、どこかで痛い目を見るかもしれません。

遠方の古い実家など困る人が増えてきそうです。

別荘が資産家の象徴である理由

ですから、将来的に管理をしきれなくなる可能性のあるような物件
を購入するのは、個人的には大反対です。

例えば実際に相談された話なのですが、子供のためにと遠い土地の
マンションを購入するとか。賃貸は勿体ないから、どうせ長く住む
のであれば購入してしまった方が良い、との考え。

使い終わったら賃貸に出すなり売るなりすればよいのではないか、
と思って、と言っていました。

 

購入する地域にもよるかもしれませんけれども、僕の基本スタンス
は「どう考えてもナシ」です。特にそこは東北の、人口減少著しい
ところでしたので……。

地方の時点で、単身者向け賃貸住宅の家賃などたかが知れています。
それはつまり、将来的に貸し出したとしてもたかがしれている、と
いう事実を示していて。

売却をしようにも、買い手が現れるかどうか。大都市圏の物件なら
ともかく、誰が聞いても地方と感じるところでは売却時価格で資金
が回収できる可能性は低い。

もし家賃差額で多少のプラスであったとしても、キャピタルロス
全てが台無しになるのは間違いないと感じます。

非都市の地方で住宅価格が上昇するのは、かなり限定された条件下
のみでの事象です。

 

もし使わなくなったマンションが、買い手も借り手もつかずに宙に
浮いてしまったならば、固定資産税や管理費、修繕積立金は所有者
の懐から出さなければいけません。

管理会社に管理をお願いしなかったら、消防点検のたびにわざわざ
出向かなければいけませんし、排水管の洗浄など立ち合いを要する
場面は複数想像できます。

管理会社に中の管理まで頼むとなると、更にコストはかさむことに。

 

住まないマンションを持つなど、良い事なんてありません。別荘が
いかに金持ちの特権であったかを思い知る羽目になるでしょう。

 

「賃貸はもったいない」の危険

そもそも、住んでいた住宅を賃貸に出そうという考えには大きな穴
がある事実を忘れてはなりません。

賃貸住宅市場は、サラリーマン不動産投資家を含めた賃貸住宅業者
が血眼の争いを続けている空間です。

持っている住宅を他人に貸すだけ、というのが「簡単で儲かる」と
イメージさせているのでしょうが、不動産投資家が利益を確保する
ためにどれだけの覚悟をして、創意工夫を凝らしているか。

うまくいってトントンか、損失を出して終わる可能性の方が高い。

 

不動産賃貸事業で利益を出したいと考えるに当たって、自分は素人
であるとの認識を持つのがまずスタート地点。

道楽で利益が出る程、市場経済は甘くない。

収益不動産を持つなら、プロになろうとする意識を持って臨まない
限り成功はありません。であれば、住宅の流用をするより最初から
収益不動産を購入した方がずっと近道です。

 

多少のお金を持っていたとしても、賃貸は勿体ないとの考え方には
十分ご注意下さい。

 

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