2016年にやってくる新築ラッシュ。中古不動産持ちはどう迎え撃つべきか。

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どうやら東京を中心に、来年までに多数の新築マンションが竣工するよう
ですね。それも、投資用マンションが。

投資用マンションは賃貸用として使われますので、私たちとしては強力な
ライバル出現、といったところ。

 

流石の東京でも、大きなマンションが乱立すれば供給過多になりますし、
供給過多になれば家賃は下落します。

先に物件を構えていた人間としては、後発の人々により市場が荒らされる
のは勘弁して欲しいものですが、そこは厳しいビジネスの世界。後追いと
競争になるのは仕方がありません。

 

所有物件との顧客を奪い合いに備えて、今のうちからエリアの新築物件の
竣工予定はしっかりとチェックしておきましょう。

日本人は新築を好みますので、直接ぶつかったら結構嫌な戦いになるのは
明白です。

この先予想される新築マンションとの競争に、どうやって立ち向かうか。
考察していきます。

確かに都心では建設中のマンションを多数見掛けます。

新築と中古は競合しない

と、大げさな出だしにしてみましたが、率直な意見を述べますと勝負には
ならないだろう、と思っています。

まず、家賃価格帯が大きく違いますから、実はさほど競合しません

新築と築20年クラスが同価格で競っていたら新築が勝つに決まっています。
中古であるのだから安くて当たり前。私たちも仕入れ時に中古であるのを
理由に安く購入しています。

同条件の新築マンションが同値で買えるなら、新築を買いますよね。

 

もし新築マンションが完成直後、競合する価格で募集をしてきたとすれば、
最初から自分が間違っていたに違いありません。

たまたまライバルがいなかったから相場よりも高く賃貸へ出せていた、と。
それまでがラッキーだっただけです。

収益不動産を購入する前には、家賃はやや低く見積もって経営できるかを
チェックしておくべきで。いざ価格競争になった際にどれほど有利な戦い
ができるか、余力の検討をしておきましょう。

 

お金を掛けて中古マンションのリノベーションをして、新築並みの家賃を
得ているスーパー大家さんもいますが、ただ小綺麗に仕上げただけ、では
実際に新築と競合すれば、負けは目に見えています。

奇をてらった方向性で、いわゆるオリジナルの価値を提供できなければ、
同価格で競り勝つのは難しいと思われます。

つまり、よほど商才に恵まれている人以外は無理してチャレンジするのは
危険である、と。

 

大家気取りに負けるはずなし

また、都市部に建てられる投資用マンションには欠点があります。

大手企業が建てるような大型の投資用新築マンションは、区分マンション
として販売されるのが一般的。その方が、全体として高く売れるからです。

新築区分マンションの利回りは、ご存知のとおり極めて低い。融資を受け
購入したのでは、足が出てもおかしくないほどに。

それほどに、ぎりぎりの価格設定でやっています。

 

しかもこの利回り設定価格は新築プレミアムがついている。高く見積もり、
何とか利回りを確保しているような状況です。

そのような厳しい状況において、価格競争が発生したらどうなるか。

当然、入居しても利益が得られない、場合によっては赤字になるでしょう。

 

それでも入居者がいないよりは遥かにマシですから、とりあえずは家賃を
落とさざるを得ない。

経営は非常に厳しいものになります。

そう遠からずに投げ出す人も出てくるでしょう。物件価格が下がる前にと
売却(損切り)に走る人もいると思われます。

 

元々が投資適格のない都市部の新築区分マンションですので、経営の勝負
となったら息が続かない。

中古物件と競合価格帯まで家賃を落としては、利益が全く出ません。無理
して私たちと競争に出ることすらできないのが本当のところ、です。

 

競争のない価格戦略を

そういった意味で、中古マンションを購入するのはビジネスにおいて実に
理に適っているといえます。

エリア内にもし新しく競合が出現するとしたら、間違いなく新築しかない。

突然、価格帯が競合するような中古マンションが多数出現するなど絶対に
あり得ないからです。

あとからライバルが現れたとしても、決して競合することのない価格帯
ビジネスが展開できるように最初から準備しておけば、何も怖くない。

競争過多で潰されるような自体にはならないでしょう。

 

ビジネスはなるべく競合他社と争わなくても良い環境でするのが最も健全
な経営に繋がります。

様々な業界で談合、カルテルが行われていたり、どう考えても示し合わせ
をしたとしか思えないような価格統一が行われていたりするのも、それが
分かっているから、です。

競争は消費者にはメリットがあっても、経営者にとっては身の削りあいで
しかありません。

 

ただ、談合やカルテルは違法ですし、そもそも不動産賃貸業では意図的な
カルテルは不可能です。頭を使って合法的な競争なき経営戦略を計画する
しかない。

そのひとつとして、中古不動産を安く取得することによる低価格戦略は、
非常に合理的かつ効率的、効果的であると思われます。

利益を最大化させるのではなく安定経営のための低価格戦略。個人レベル
での不動産投資では、必要な考え方ではないでしょうか。

 

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