不動産投資における出口戦略の基本事項

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不動産投資も投資ですから、出口戦略は入場前に検討をしておく必要があります。

最終的にいくらの利益が出たのか、それとも損失が出たのかは、売却をして
その結果を計算に入れなければ分かりません。

 

出口とは売却のこと。

不動産投資が株やFXと大きく異なるのは、この売却に大きな手間とコストが
掛かること。また、売却益を得るのも株やFXと違ってかなりハードルが高い。

今回は、不動産の売却について考えてみようと思います。

出たいのに出られなくなることが最も恐ろしいことです。

出口戦略はあまり公にしない方が吉

まず、これから不動産投資をスタートしたいと考えられている方に一つお伝えして
おかなければならないことがあります。

収益不動産を購入する際に売却時のことを想定しておくことは絶対に必要ですが、
それをあまり口に出してはならないことです。

特に、金融機関に対しては。

 

金融機関は投資に決してお金を出しません。事業に対して融資をしています。
個人に対して株を購入する費用を融資してくれる金融機関があるでしょうか
(信用取引は除きます)。

金融機関の主な収入は、貸し出した融資から得る金利収入。持続可能な収入が
得られそうな事業に対して投資をすることが使命です。

金利収入は融資が続く限り得られるもの。逆に言えば返済が終わってしまうと
金融機関は収入源を失ってしまう。

できるだけ長くお金を借りてくれる、安定した融資先を常に探しているんです。

 

収益不動産に対して金融機関が融資を出してくれるのは、事業として10年、20年と
付き合っていくことを期待しています。

そこに、「長期譲渡益が得られる5年後には売却予定です」と堂々と伝えていたら、
良い案件であってもそれだけで融資の審査に落ちる可能性があります。

 

投資として考えると、出口戦略まで検討して資料を作った方がしっかりと計画的に
練られていて説得力があるように思えるかもしれませんが、全くの逆効果。

それよりも予定返済期間での完済までの事業計画書でも作った方が遥かに良い。

 

繰り上げ返済すら良い顔されないのに、売却して一括返済することを最初から
予定している案件なんて金融機関は相手にしてくれません。

キャピタルゲインを得ようとの意思が少しでもあったら問答無用でお断りする
金融機関もあるようですので、少なくとも表面上は出口戦略に関しては伏せて
おくことをお勧めします。

 

悪い部分を切除することは基本

最近は不動産価格が上昇しています。それは単純に不動産の需要が増えたことを
意味していますが、それとともに売却しようとの意思を見せる方も増えています。

消費税増税がされた4月以降も勢いは衰えておらず、ある不動産売買仲介サイトの
売買取扱い金額は3.2倍にも増加しているとのこと。

楽待などの不動産投資情報サイトでも不動産売却の成功談なんかが頻繁に掲載されて
いるところを見ても、相当に売却機運は高まっているようです。

 

所有物件を売却することによりまとまった資金が手に入りますから、新たな投資を
する資本ができます。不動産経営に手詰まり感があっても、その資本を用いれば
閉塞した状況を打破することができるかもしれません。

残債が残ってしまうようであれば問題ですが、そうでなければ少なからずの現金が
得られますから、バランスシート上は大きく改善される可能性も高いでしょう。

収益不動産を売却することの最大のメリットは、経営状態の健全化にあります。
不動産の売却は、新たな投資のための一歩と言っていいでしょう。

 

例えば、自分にとってそれなりに収入も得られているし、都合の良い収益不動産で
あったとしても、金融機関からの評価はあまり宜しくない、なんて物件があります。

時にそれが足枷となって債務超過との評価をされてしまい、新たな融資を受ける
ことができないことがあります。

積算評価を重視する金融機関を相手にする際にはよくあること。

 

ずっとそれを持っていてもいいのですが、収益性は年々低下することもあって、
持ちっぱなしでいることにより経営状態が悪くなっていくこともあります。

すると、より一層融資を受けられなくなってしまう。

そんな時に収益性を根拠にある程度の高値で売却をすることができれば、
物件を持っている時よりも金融機関からの評価が大幅にアップします。

 

不動産投資は全体のバランスが重要です。もし一つの物件が自分の資産背景を
悪くしているようであれば、早いうちに売却してしまうのも手かもしれません。

 

売り煽りに惑わされないように

ただ、下手な売り煽りには気をつけて下さい。

前述のように、様々なところで不動産の売却を勧める広告を目にします。
仲介業者としては不動産を売却する人がいなければ仕事になりませんので、
とにかく強く売り煽りをしてきます。

自宅に「マンション売りませんか?」の広告が入っているのを見たことがない方は
数少ないのではないでしょうか。

 

不動産売却にはメリットもありますが、定期収入源を失うことでもあります。
次に買える物件がいつ見つかるかも分かりませんし、安定した経営が得られる
かも分かりません。売買に手間もかかります。

売却時にはメリットとデメリットをよく天秤にかける必要があるでしょう。
個人的には、購入以上に慎重に考えるべきことのように思えます。

不動産を売却したことのない僕が言うことではありませんが、不動産投資と
関わる以上売却とは縁が切れません。今のうちに様々なシミュレートをして
おいた方がいいと、直感的に感じます。

 

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