税金との戦いに法人の活用は必須。積極的な活用を。

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法人に関してのおさらいをしましょう。

 

ここでいう法人とは、不動産投資において節税のために利用する自分、
ないしは親族のみで構成される親族法人のこと。

日本では所得に対して累進課税をされているのは誰でもご存知の通り
(内容を勘違いされている方は多いですが)。

不動産投資を始めると急に所得が増えますので、対策を後回しにする
と多額の税金で利益を失う……どころか、元本返済とぶつかって経営
がままならなくなる可能性がある。

 

そこで活用されるのが法的な人格、法人です。不動産投資で得た所得
を法人へと分散し、全体的な税率を引き下げようとの手段は、日本で
最もメジャーな節税スキーム。

法人では個人とは異なった税制が適用されます。個人事業では決して
認められなかった費用も経費としての計上が可能となり、収入が多い
人間ほど効果が高い。

法人だから全て税金が安いとかそんな話はありませんが、個人との間
で所得調整ができるようになるため計画的な対策が可能です。

選択肢が増えるのに、何一つ悪い点はありません。

 

ただ、むやみやたらに法人を作っても損をするだけ。計画的に法人の
活用をするべく、基本的な知識を反芻しておいて下さい。

なお、ここで記載したことは素人知識によるものですので、もう一度
調べなおすないしはプロにご確認を。

法人設立は案外簡単。誰でも社長になれる時代です。

法人のものは法人のもの

まず法人のデメリットとして、法人で得た資金は法人のものである
というものがあります。

法人の所有者は出資者、です。100%自分が出資者ならば、法人は100%
自分のものであるのだから、法人の所有する資金も自分のものだろう、
と感じるかもしれませんが。

残念ながらそうはいきません。個人のお金としてちょっと拝借をする
のは法に触れてしまいます。

 

法人の所有するお金に対して経営者がアクセスできる権限は、法人と
してお金をどのように使うか、です。

そしてそのお金の動きは全て帳簿付けされなければいけません。どの
ような使われ方をしたか、定められた勘定項目に従って、振り分けを
しなければいけない。

無断でお金を使い込み使途不明金となれば課税対象となります。自分
以外の親族を出資者としている場合、横領です。

少なくとも帳簿上、明確にできるようなお金の使い方をするのは法人
を持つものの義務、といって良いでしょう。

 

もし、どうしても個人でお金を必要として法人のお金を一時的に利用
したくなったらどうすればよいか。

言葉として「事業主借り」なんてものを知っている方もいらっしゃる
かと思いますが、事業主借りは個人事業主の勘定項目であって、法人
には存在しません。

法人では借入金もしくは立替金となります。借入金には長期借入金と
短期借入金があり、後者の場合は法人へ利息を支払わなければ税務上
問題を指摘されますので、ご注意下さい。

 

法人化のタイミングは?

また、法人は確かに節税に利用できますが、あらゆる場面で個人より
税率が低いかといわれれば、決してそうではありません。

法人税を減税するとかそういった言葉をニュースで見聞きするケース
は少なくない。これが勘違いの元。

法人税とは法人所得課税項目の一つに過ぎません。個人の事業所得に
所得税、住民税、事業税が課税されるように、法人にも法人税以外に
多数の税項目が存在します。

代表的なものは法人住民税、法人事業税ですね。

正確に報道を聞いていれば、「法人税実効税率」という単語で報道が
されている事実に気がつくはず。この実効税率が、法人の所得に課税
される税率であると理解をすると簡便と思います。

法定実効税率といった方が正確なのかもしれませんが、ご容赦を。

法人税実効税率は、階段式に累進します。境目は400万円と800万円。
800万円超の部分については実効税率は40%近くに上ります。むやみに
法人化すると損をするのはこのため。

個人に対する課税は900万円を越えた時点で住民税と合わせて43%と、
法人税実効税率の最大値を上回りますので、この部分でうまく税率を
下げるために法人を利用するのが基本の考え方。

法人を利用すると、事業による収入と給与による収入に掛かる税率の
差も、また家族への所得分散の違いも利用できるようになりますので
節税効果は数字以上になります。

が、その分手間が掛かったり税理士費用が上積みされたり、自己資金
の自由度が下がったりとデメリットを伴いますので。

いつ頃法人化をすべきか、については早め早めに検討しておいた方が
良いと思われます。

迷うならとりあえず設立だけでも

単純に考えれば、年収が1000万円を超えそうな時点で法人を利用して
良いかな、と思います。

融資を受ける場合、時に法人への融資は個人のアパートローンに比べ
厳しく検討されたりもして、思ったようにはいかないケースもあり、
難しい部分もありますけれども。

今は設立費用も安く手間も少なく、資本金も不要の非常に使いやすい
合同会社がありますから、ハードルは相当に低くなっています。

何より個人事業で白色申告とするメリットも帳簿付けの義務化などで
薄れ、法人は逆に法人税の減税など税制上の優遇が拡大されています。

国の方向性に逆らっても良いことはありません。ここは積極的に法人
を活用し、トレンドに乗るべきと思います。

 

不動産所得法人とせずとも、資産管理法人とするだけでもメリットは
享受できますので、迷っているようであればとりあえず法人設立して
みるのも一興ではないでしょうか。

 

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