消費税増税後GDP速報値が発表され、市場の反応は?

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4月-6月期のGDP伸び率速報値が出ましたね。消費税増税前の駆け込み需要の
反動で大きく数字を落とすことが予測されていた4月-6月の現実を示すことに
なる今回、結果はどうだったでしょうか。

ご存知の方も多いと思いますが、前期比-1.7%、年率換算で-6.8%と大きな減速
となりました。あくまで速報値であり、確報値はまたしばらくしてから結果が
公表される予定となっております。

 

報道各社は「東日本大震災の影響で年率-6.9%だった平成23年1月-3月期以来の
大幅な落ち込み」「1997年の増税時を大幅に上回る景気冷え込み」と緊急速報
を繰り返しました。

報道はネガティブな煽りが大好きですので予想通りの反応と言えます。では、
実際の市場の反応はどうだったでしょうか?

前回も似たような記事でしたが、せっかくの時事ネタなので扱っていきます。

結果は悪いけど予想通り?

悲観的な報道とは裏腹に

一般紙やTVなどで報道される内容とは異なり、株価は大きく上昇しています。

日経平均株価は3日続伸となり、相も変わらず15,000円越えを維持したまま。
GDP伸び率がこれほどの大減速をしたにも関わらず、なぜでしょうか。

 

株や為替をかじったことがある方なら、何度もこのような光景をみてきたこと
と思います。

これがいわゆる「予想よりも良いことによる楽観視」「悪材料の出尽くし」
よる上昇というやつですね。

 

7月30日の段階で、4月-6月期GDPの6社民間予測年率は-8.0%でした。別の調査
でも-7.1%であったりと、今回発表された速報値よりも高い下落率でした。

元々大幅なGDPの減速は分かりきっていたことで、後はその幅がどの程度で
あるかが市場関係者の興味だったんです。

予想より良ければ楽観視するのも分かると思いませんか? GDPの下落は既に
織り込み済みだったのですから。

 

また、消費税増税直後の4月-6月期GDPが、ここしばらく最も注目をされ続け、
一番悪い状態数字が出るであろうことも受け入れられていました。

これ以上の悪いニュースは出てこないはず。そんな心理になると底値買い
しようとする投資家が数多く現れます。

悪材料の出尽くしによる買い注文の増加です。下値が限られているならば、
今買っておけばいずれ株価は上昇し、儲かるだろう、ということ。

 

この二つの条件が整ったため、報道ではネガティブなニュースが流れる中で
株価が上昇トレンドを維持する結果となったと思われます。

もっとも同日夜、米国で悪い指標が公表されてしまいダウ平均株価が下落、
つられて日経先物も弱含みと、良い話ばかりではありませんでしたが。

 

政府の下支えのもとに日本経済は伸びるか

もうひとつは、政府のバックアップが大きいです。政府系機関投資家である
GPIFが株式への投資比率を引き上げることが決定しており、日経平均株価の
買い支えが為されるだろうとの期待感です。

世界最大級の機関投資家、GPIFの資金力は大きく、その動向には注目せざるを
得ません。GPIFに期待を寄せる人々は安心して日本の株式を買い増してきます。

この辺りの知識になってくると僕もまだまだ不足しており、話が曖昧になって
しまいますのでこれ以上深入りはしませんが、ファンダメンタルズ的にはこの
ような動きがあったものと思われます。

 

もちろん楽観視ばかりはしていられません。まだまだ円安期待による株価上昇
から抜け切れていない。

円安となれば円で取引される株の価格が上昇するのは当たり前です。あくまで
相対的な株価の上昇であり、景気の上昇とは言えません。

為替の変動で市場が揺さぶられてしまうようでは「安定的」とは言えない。
この度の報道で消費の低迷が発生していることは明らかであり、この先の持ち
直しがなければ再び市場は落胆することでしょう。

 

実際の景気の上昇に結びつかなければ、私たち不動産投資家としても困ります。

家賃の上昇が得られなければ、結局のところ2008年のプチバブル崩壊と同じ
を辿る事になってしまう。期待感から不動産価格が上昇するだけして高値取引
ののち、市場の景気後退による不動産価格の暴落。

株価が暴落することがあれば、考えられるシナリオです。

 

個人の不動産投資家の影響力は、今や無視できるものではありません。一部の
金融機関は不動産への融資量を増やしており、もし不動産価格の暴落となれば
またまた不良債権を大量に抱えることとなってしまう。

それは健全な投資をしている不動産投資家にも大きな傷を作ります。

もちろんそこはチャンスでもありますが、先々まで考えると決して楽観視の
できる日本ではなくなってしまうでしょう。

私たちも一丸となり市場を支える気持ちで投資と向き合わなければいけないの
かもしれません。

 

3か月後の結果が来年を占う

次の山場は7-10月期GDP発表ですね。消費税増税判断にも関わってくることで、
政府がその手を緩めるとは思えませんから今のところは僕も楽観視しています。

何としてでも消費税増税を推し進めるでしょうから、その足かせとなるような
事態を許すとは思えません。

2014年は「対応する年」ですが、果たして来年はどのような年となるのか。
どのような覚悟を持って迎えるべきなのか。

少しずつですが、見えてきたような気がします。

 

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