2015年の路線価が公表される。その評価法と今後のトレンドは。

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

今年も国税庁より全国の路線価が発表されました。他に大きなニュースが多く、
あまり報道では目立っていないようですが、全国的に回復傾向が目立ってきて
いるのは昨年から引き続いています。

日銀の大規模金融緩和によって増加したマネタリーベースの一部が不動産へも
流入していますので、大都市圏を中心に路線価が上昇して当然といえば当然。

 

既に収益不動産を所有している人間としては、路線価上昇による評価額アップ
は新たな融資を受ける際に有利となりますので喜ばしい限り。

中には債務超過で購入した物件の評価額が大きく上昇し、債務超過からの脱出
に成功した方もいるのではないでしょうか。

金沢の駅近くに広い土地の収益不動産を購入された方などはまさに路線価上昇
の恩恵を受けているのだろうと思います。

 

ただ、残念なことに現時点で路線価上昇の恩恵を受けられるような収益不動産
を所有していない人や、そもそも評価額とかどうでもいい自宅などの不動産を
所有している人にとっては路線価上昇は悩みの種。

何しろ、税金が高くなるだけですので。路線価が上昇したから住宅ローン金利
が下がったりしません。

2015年1月から相続税も大幅な増税(控除額の縮小)がされていますので、親の
住宅を相続する方にとっても路線価の上昇は大変な負担になります。

固定資産税の住宅の軽減措置がありますから、住宅として使っているのならば
よほど東京都心の立地でもない限り大した負担にはなりませんが、空家対策に
引っかかってしまうような物件だと税負担は急上昇。

 

日本経済にとってはどの視点からもいいニュースですが、国民にとって朗報か
どうかはかなり個人差があり、負担が増えるだけの方にとっては何とも微妙な
気分になるニュースです。

2015年の路線価は前年からのトレンドが継続しているようですね。

新しい情報でないことには注意

もっとも、路線価の好評は7月1日ですが、路線価を決定する基準の日は1月1日。

要するに地価公示価格を基準として決定していますので、目新しいニュースと
いうわけではありません。

この辺、面倒な仕組みになっていますので、ニュースに惑わされ危ない勘違い
をしないようにお気をつけ下さい。

 

収益不動産を購入しようと考えている場合、路線価の数字は極めて重要です。

全ては融資を受けるため。

 

金融機関は、なんだかんだで土地の評価額は重要視しています。建物と異なり
減価もせず、立地の良さは欲しいと思っても手に入らないためでしょうか。

路線価は、国が土地の重要性を数字で表現しているようなもので。国家が高い
評価をつけているならば安全、安心であるとの考え方があるのかもしれません。

 

物件価格に対して土地価格が大きい方が、金融機関内における不動産の評価額
は高くなる傾向が強いです。

建物の評価額には掛け目があるなんてざらにあり。

つまりは土地分の割合が大きければ大きいほど、融資がつきやすい傾向にある
といっても過言ではないでしょう。

 

勿論あくまで要因の一つですので、誤解されないようご注意を。収益不動産の
基本は収益性。路線価は金融機関を説き伏せるための武器の一つに過ぎない事
を忘れないで下さい。

 

絶対値よりも変動率が重要

正直なところ、融資さえクリアしてしまえば路線価そのものはさほど賃貸事業
に影響をもたらしません。

接道によって近隣でも路線価が結構違ったりはしますが、基本的にはそこから
賃貸のしやすさに差が出たりはしないはずです。

 

それよりも注目すべきは、地域全体の路線価の「変動率」でしょうか。路線価
の絶対的な金額よりも、どう変動しているかの方が遥かに重要です。

毎年の発表にあるように、日本全体的には路線価の改善傾向であるのは間違い
ない話です。

が、地方物件に投資をするならば、その地方の路線価が大きく下がり続けては
いないかをチェックしておいた方が無難と思われます。

 

地方では、その路線価の下落率に歯止めが掛かりつつあるとはいっても、未だ
低下をし続けています。

中には下がり止まりの気配がない地域もあるでしょう。

地方のあまり詳しくない地域に投資をするならば、他の地域に比べて路線価の
下落率が高くないかどうかは、地域の先行きを占う為に非常に価値のある情報。

 

全国地価マップなどを見れば、数年分は路線価を確認できます。クリック一つ
で比較できますので、面倒臭がらずに調べておくのをお勧めします。

 

上昇トレンドに乗るべきか?

報道を見る限りは色々と言われている不動産価格ですが、路線価の変動を見る
限りでは、今のところ順調に日本の景気は回復しつつあるのかな、と感じなく
もないですね。

そこに外資の影響が多分にあるであろう事が気にはなりますが。特に東京では
東京オリンピックの期待上げが混じっており、オリンピック終了後の路線価の
急落があるのではと心配になります。

 

もっとも、それ以前にもっと大きな世界経済問題が発生し、日本の不動産価格
も巻き込まれるに違いありませんが……。

それでも、現金で持っているよりはずっと有益であると僕は考えています。

前提に不動産投資をビジネスと理解し真面目に向き合わなければいけませんが、
そこさえクリアできるのであれば、今からでも収益不動産への投資が遅いとは
まるで思いません。

 

トレンドに乗るかどうか。それはあなたの判断一つ、です。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 秋の臨時国会ではどのような補正予算案が提出されるでしょうか。
  2. 今時、副業なんていくらでもあります。
  3. このまま来年も米国金利は上昇するでしょうか?
  4. なんだかんだいって、中心はやっぱりこの国。
  5. 世界経済危機がまた訪れるのでしょうか。
  6. もうすぐ桜の季節ですが?
  1. 売却を考えている物件があるのですが、この不動産価格上昇のおかげである程度利益が出る形で売れそうです。でも、購入も考えているので、複雑な気持ちですけどね。

      • きりのき
      • 2015年 7月8日

      おめでとうございます。売りたい時が売り時ですし、そういった意味では
      低めの利回りに設定しても売れる今のタイミングはよいですよね。

      僕が売りにいけるタイミングも、うまく環境が整っていればいいのですが。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る