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不動産投資家にとって一番話題になる税金の一つ、消費税。
最近では消費税が増税されるされないで、
最近はにわかに世間でも注目を浴びています。
消費税3%が導入された時も、5%に増税された時も、
時の政権が崩れるほどの大きな負の影響力を発生させました。
また、消費税の負担が重くなるたびに消費が冷え込み、
景気が悪くなったのも事実。
消費税は悪税だという経済学者もいます。
来年、再来年には消費税8%、10%と増税される見込みが高く、
これが日本経済にまた冷や水を浴びせることになるのでは、
と一抹の不安を覚えます。
収益不動産と消費税の切り離せない因縁
不動産投資において、住宅賃貸は消費税が非課税です。
テナントがない物件では通常、消費税の非課税事業者として
経営をしていくことになります。
この非課税事業者というのは実は曲者で。
入居者にとっては消費税を取られずに済み、
とてもいいことですし、大家にとっても
毎月の消費税の納税に苦労しなくて済むので
悪いことばかりではないのですが。
建物部分については購入の際に消費税が課税されるため、
課税事業ではサービスの最終消費者がし負担する消費税を、
結局は大家が負担をしているだけ。
不動産は金額が金額なだけに消費税も負担が大きく、
利回りを低下させる原因になっています。
ただ、なぜ不動産投資家で消費税がよく話題になるかというと、
大家が身を削って負担する消費税を還付するスキームが
形を変えながら今も残っているからです。
スキームのことや消費税についての詳しいことは、
解説できるほど十分な知識を持ち合わせていないので
ここでは話題にしません。
税理士さんに相談するのがいいと思います。
ここでは知識的なことではなく、消費税についての
僕の考えを話題にしたいと思います。
非課税(免税)事業者の憂鬱
消費税の非課税事業者というと、僕も身近です。
医業はまさに、健康保険適応の範囲では
消費税非課税事業者だからです
この消費税非課税が、実のところ病院や診療所の
経営に大きな打撃を与えています。
医療が消費税非課税事業となったのは、
導入当時に医師会が患者さんへ負担をさせるなと
言っていたのが最初と聞きました。
あまり詳しくはないですが。
当時は3%でしたから、それくらいは医療サイドが
被るという意思表示だったのでしょう。
ところが、その後消費税は5%に値上げ。
また、その後の数々の政策や社会環境の変化により、
経営が厳しくなり、消費税の負担が重くなりました。
まず、医療は全て価格が国によって定められています。
値上げすることも値下げすることもできません。
診療するだけならいいんですが、医療には必ず付き物の
ものがあります。
内服、外用といった手渡しする薬や注射の液、消毒薬、
その他消耗品全般です。
価格が決められているということは、消費税を価格に
転嫁することはできません。
(かつては薬の差額、というものがありましたが、
現在は仕入れ値に規定ができた為不可能です。)
仕入れるときは消費税を支払わなければいけないが、
受け取る時は消費税を取ることはできない。
注射や薬を使えば使うほど、消費税分の損失が
出るという厳しい状況です。
それだけではありません。
一般的な事業であれば消費税は最終消費者である
受益者が負担するもの。
もしも売上がよろしくなく、仕入れで支払った消費税より
売上で預かった消費税が少なければ差額は還付されます。
最終消費者に辿り着かなかった分に支払った消費税は
払い過ぎということで戻ってくるんですね。
ところが、医療では提供者側が消費税の納税者です。
薬を仕入れて、それが使われることなく破棄された場合。
消費税は還付されません。
いざという時のために滅多に使わない薬も
必ず仕入れておかなければいけないけれども、
期限切れで破棄しても消費税は還付されない。
普通より厳しい納品管理が必要になりました。
診療所、大病院関係なく、経営の素人が経営をせざるを得ない
医療業界には、ちょっと厳しい状況です。
それでも国民皆保険というとても優遇されたシステムに
保護されていますから、まだ何とかなっていますが。
これが何の対策なしに消費税8%、10%と増税されれば、
医療業界全体にとって大激震となるでしょう。
消費税増税の悪夢は三度起こる?
これは何も、医療業界に限ったことではありません。
住宅を主に扱う不動産業界も同じです。
もしこのまま住宅賃貸へ何の対策もなしに
消費税が増税された場合。
特にRCマンションはまともに新規物件を
購入することができなくなるでしょう。
新築するにしても同様です。
ただでさえ今はコンクリートが値上がりして、
新築RCマンションを建てるにはコストが掛かりすぎます。
それは利回りの低下を起こし、業界の停滞に繋がる恐れがある。
現時点でRCマンションを複数持っている人にとっては
有利な部分もあります。しかし、その場合でも修繕費など
経費には消費税がかかるので、利回りの低下は避けられません。
今さら課税事業者にされても困ります。
消費税還元セールの禁止法案がされているといっても、
ではある日から消費税分8%値上がりしますと言って
怒らない入居者さんがいるでしょうか?
こう考えると、「何の対策もされなければ」生き残るのは
建物価格が非常に安く、修繕費も掛からない、
築古木造アパートのみとなるかもしれません。
もしくは、商業用ビルに活路を見出すか。
いずれにしろ、業界全体が冷え込むことは間違いないでしょう。
消費税還付スキームを利用するのは本当に有益なのか
その対策として不動産投資業界で用いられているのが、
消費税還付スキームです。
一言でいえば、法の隙間を縫って支払った消費税を
合法的に還付してもらう方法がある、ということ。
以前は今よりも緩く、簡単だったようですが、
現在は結構厳しくなり、設立後2年経過した法人が
不動産を所有した際にしか使えません。
ただ、条件を満たしていても否認されたり、
追及されることがあります。
『ほけんの窓口』の元社長がこのことで捜索されていますね。
2013年に入ってから、このスキームに対する監視の目が
非常に厳しくなっています。
国税庁がかなり嫌がっているようです。
特に、法人を「購入」してスキームを利用することには
相当厳しい目を向けているとのこと。
もし誰かに勧められて今後手をつけよう、と考えているなら
気をつけた方がいいでしょう。
僕としては、正直なところあまり乗り気はしません。
スキームというのは合法ですから、よほど変なことを
しなければほけんの窓口の元社長のようにはならないでしょうが。
でも、合法とはいえ公認されているわけでもない。
いわゆるグレーゾーンです。
脱法ドラッグのようなもの。
正直な話、監視の目が強まる中、消費税還付スキームを利用すれば、
国税庁に目をつけてくれと言っているようなものです。
僕は痛くない腹でも探られるのは嫌なのに。
わざわざ自分から狙ってくれと目立つような行為を
したくありません。
ほけんの窓口の元社長の事件により、
一般市民にも知れ渡りつつあります。
還付されるのが百万円単位といっても、たかが数百万円。
これから先不動産投資を拡大していけば、事業を拡大すれば、
いくらのお金を扱うことになるでしょうか。
それをたかが数百万円で失う可能性がある。
これこそ、避けるべきリスクではないでしょうか?
真面目にだけではやっていられない部分があることも
重々承知しています。
だからといって、ハイリスクローリターンの案件に
首を突っ込むことが、賢いとは思えない。
消費税増税に伴って、過去に遡り突然として国税庁が
違法性を指摘して摘発、粛清を始めるかもしれません。
僕も法人でRCマンションを買うことがあると思いますが、
今のところこのスキームに参加する気はありません。
考えが浅かった少し前は、お願いしようとか考えてました。
でも、今は考えを改めました。
消費税還付スキーム、利用するときはそれ相応のリスクを
覚悟してご利用下さい。
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