不動産投資で税金の負担が年々重くなる3つの理由

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不動産投資をしていく上で、税金負担を減らそうという努力は
決して疎かにすることができません。

この事実、購入当初は実感しにくい仕組みになっています。

 

理由は3つ。

一つ目、所得税に累進課税制度が採用されており、
日本の場合は最高税率がかなり高いこと。

一般的なサラリーマンの所得では、所得税負担はそれほど
高い額にはなりません。

しかし、そこを超えると指数関数的な上昇を見せます。

 

年収1000万円でも所得税はまだ年額50万円強程度ですが、
年収2000万円となると年額200~300万円にはなる。

投資規模が小さいうちは税金の負担もそう感じませんが、
規模が大きくなると所得税が一気に大きくなりますので、
2棟目、3棟目と買い進める際は注意が必要です。

 

二つ目、初期費用が大きいこと。

不動産購入年度、及び翌年くらいまでは様々な初期費用により
利益は圧縮されています。

ですから確定申告をしてみると、納税額が増えるどころか
税金が還付されてくることも多いでしょう。

ところが、特に何事もなく3年目が過ぎると、手元に残る金額は
さほど変わりないのに経費が少ないため所得額が一気に増えます。
すると税額にびっくり、というオチです。

 

三つ目、元利均等返済の性質。

融資の返済方式が元利金等返済の場合、最初から最後まで
毎月の返済額が変わりません。元利金等返済の特徴です。

内訳は、当初は利息が返済の多くを占め、徐々に元本払いが
増えて融資残高の減少が加速していきます。

元本返済分は所得ですから、元本返済が増えると手元に残る
金額が変わらないまま税金だけが増えてしまうことになる。

 

これらの理由で、購入直後は税金が少なくなりますし、
2,3年経つと急に税金が重くなったように感じます。

税負担の重みを感じ始めてからも安定して経営が
続けられるかどうか、がキーポイントになりますね。

 

経費支出のタイミングで利益が増えることも

もちろん、2,3年の間、私たちも黙っている訳ではありません。

2年も経てば不動産投資家としても大家としても大幅に
レベルアップし、何をするべきか、しなければいけないか
具体的に見えてくることでしょう。

金利が高ければ金利を引き下げてもらえないか行動するし、
税金が高ければ税務を見直して節税できる場所を探す。

どこか経営に無駄がないかを検討することになります。

 

前回、僕は税理士さんに税務を丸投げしている、と書きましたが、
決して全てを放り出してあたかも税理士さんが経営を担っている
というような状態にしているのではありません。

あくまでお任せしているのは自分でできない複式簿記による
帳簿付けであるとか、青色申告であるとか、経費の按分や
可否の判断など、専門的知識を要する部分。

出費の調節であるとか、資産や物品の購入時期などは
当然ですが自分で検討し、判断しています。

時々ここまで丸投げしてしまう人がいるようですが……。

 

特に年が変わる今の時期になると、経費を今年分にするか
来年分に回すか、見定める必要が出てきます。

大して変わらないように思えるかもしれませんが、
不動産投資においては結構重要です。

 

例えば今年は赤字が確定している、というのに無駄な出費を
作ってしまうと、翌年度の黒字額が大きくなり過ぎて税額が
大きくなってしまう。

特に個人だと給与収入と合計して考え、かつ累進しますから、
赤字を増やして還付される額はごくわずか、黒字を増やして
増える所得税は高額に、最悪40%(近く45%)になってしまう。

 

急がない修繕や必要に迫られていないその他の支出については
バランスシートを見ながら経費化するか翌年(次年度)に持ち越すか
を判断するのは事業主として大切なことなのは言うまでもないこと。

自戒のためにも今一度、再確認をしましょう。

空を見ていると青も白も良いものだと思いますが…。

高額経費の一括償却の優位性

こういった経費の適正化を考えると、
やはり青色申告が税務上有利です。

30万円未満のものについては資産計上せずに
一括で減価償却できるというのはかなり便利。

30万円というと、不動産投資ではかなりの部分が当てはまります。

 

今度僕は、自転車置き場に屋根を付けてあげようと
サイクルポートを設置予定なのですが、仕切り価格で
30万円以内に収まっています。

一括経費化することで経費の調整もしやすく、
運転資金の減少も免れます。

 

白色申告では取得価格が10万円以上かつ耐用年数が1年以上の
ものは資産計上をする決まりです。

白色申告ではこんなものまで資産計上し、
減価償却をしていかなければいけません。

経費を回収するのに何年もかかってしまいます。
これは、お金を国に人質として取られているのと
何ら変わりません。

 

太陽光発電などのグリーン投資減税が資産家の間で
流行しているのはこれが理由です。

グリーン投資減税では初年度一括償却が認められていますので、
大幅な黒字で税金が大きくなり過ぎそうな時はこの制度を利用し
大きく利益を圧縮することができるからです。

 

区分マンションであれば白色申告でも問題なさそうですが、
土地があるがために大きな経費計上が必要になりがちな時は
青色申告がやはりおすすめです。

自分で青色申告できるのか、白色申告でも損のない投資法を
選択するのか、税理士さんへ依頼できる程度の物件を買うのか。

その辺りまで計画立てて、不動産投資をスタートするのが
好ましいと思われます。

 

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