収益不動産は消費税増税前に買うべきか?

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消費税増税の影響もあるのか、来年3月までに収益不動産を
購入したい、と考えている方が多いようですね。

確かに免税事業である住宅賃貸事業にとって消費税が
5%から8%に上がるのは大きいです。

購入金額が100万円単位で変わります。1億円の物件であれば、
300万円も税金の支払いが多くなる。5000万円でも150万円。

 

ですから、焦る気持ちは分からないでもないです。
4月を跨ぐだけでそれまでよりも初期投資額が高くなり、
利回りが悪くなるんですから。

でも、ちょっと待って下さい。消費税が上がるからそれまでに
どうしても収益不動産が欲しいと思う気持ち、抑えた方が
いいかもしれません。

後でこんな顔をする羽目にならないように。

消費税増税後でも買うべき物件とは

2014年、キャッシュフローの獲得を目指した不動産投資は
これまでよりやりにくくなると思われます。

 

一つは利回りの低下。消費税増税もそうですが、物価の上昇に
伴う不動産価格の上昇は都心部を中心に利回りを低下させます。

表面利回りが8%~9%でも飛ぶように売れているのが現状。
利回りが低い物件は現金を持っている者だけが手を出して
よいものであって、資産の無いサラリーマンには厳しい。

 

またほぼあらゆる経費が3%高くなります。維持管理費は勿論、
電気代、水道代、交通費、事務所費用その他何でも値上がりし、
キャッシュフローに悪影響を及ぼします。

利回りが低くなっているというのに経費は余分にかかるという
ちぐはぐをどう解消すべきか。これを解決策を見出せないならば、
2014年以降不動産投資に手を染めるべきではないかもしれません。

 

そう考えると消費税が増税される前の1月~3月に何としてでも
収益不動産を購入しよう、というのは、上記の問題に対する
回答の一つとして正しいと思います。

物件取得時の消費税が低いうちに購入することで表面利回りの
低下を抑えることができますから。

 

但し、これには前提条件があって。
それは「消費税増税後も経営が成り立つ優良物件」であることです。

 

2014年は日本経済の正念場

前述のように賃貸住宅経営は厳しさを増すばかり。

消費税増税の影響はじわじわと効いてくるでしょうし、
再来年には更なる増税が待っています。

 

消費者物価指数は上昇傾向にありアベノミクスの甲斐あって
デフレからの脱却が期待されますが、その内容を見てみると
まだまだ問題ばかりで。

上がっているのは燃料費だとか電気代といったインフラなどへ
掛かる代金が中心で、食料とエネルギーを除いたコアコアCPIは
10月になってようやく0.3%上昇の98.8。

現実は1年弱掛け、ようやくデフレ脱却に向けて足掛かりが
できたといったレベルです。

 

肝心の賃金上昇の交渉はこれから。

8月の時点での企業アンケートではベースアップや定期昇給を
実施する予定としている企業が多いようですが、どうなることやら。

アンケートと実際は大きく異なるのが現実です。

更にこの賃金についてのアンケートは大企業を対象としたもので、
中小企業については情報がありません。果たして本当に賃金は
上昇するのか。

 

もし実際に賃上げが実行されたとしても、それが手元に届くのは
少しずつです。こんな不安を煽られ続けたサラリーマンは、手元に
ある程度貯蓄が貯まらない限りお金を余分には使わないでしょう。

賃金が上昇したから即、物が売れるようになるなんて都合の良いこと
決してありません。市場に反映されるのは時間が掛かるだろうなんて
小学生にすら分かる理屈。

 

何を意味しているかというと、賃金が上昇して私たちの家賃収入に
繋がるのは数年先の話であるということです。

その間、低利回り高経費で生き抜かなければなりません。

 

ついでに言うと、賃金が上昇しても消費税増税が全てを台無しに
してしまう可能性があります。その場合、経費が上がっただけで
家賃収入に反映される日はいつまでも来ることはなく。

不動産投資家にとって長く苦しい10年の始まりとなる
可能性は十二分にあると考えられます。

 

厳しい時こそチャンスをじっくりと待つ

正直言って、5000万円、1億円の物件を購入する時に消費税が
100万円、200万円高くなることなんて、下手な物件を取得して
しまうことに比べれば米粒のようなもの。

建物価格の3%如き、最終利益が僅かに圧縮される程度です。
良い物件が増税前に見つかれば最高ですが、魅力の薄い物件を
買うよりも増税後に魅力的な物件を買う方がメリットは大きい。

そう考えると、あまり「来年の3月までに」と思いつめ過ぎては
欲しくないかな、と。

 

消費税増税前に利益確保目的で売りに出される物件はありそう
ですからそれを狙うのも良いですが、その手の人は妥協せずに
利益を追い求めてきそうですから、安く買えるかどうか。

消費税の影響なんか考えずに売りに出す気分屋の方とか、
言い方は悪いですが消費税増税の影響で経営破綻しかかって
いる人から買い叩いた方が安く買えるかもしれません。

 

労働であればいつまでに、といった時間目標を立てるのは
大事なことではありますが、投資では事情が異なります。

投資を成功させるのは品定めの能力です。

そしてそれを曇らせるのは感情。焦りや欲といったものが
視野を狭くし、自分の立ち位置を見失わせる原因となる。

どうか焦らず、欲張らず。冷静に判断をして下さい。

 

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