不動産投資で失敗しないためにはセールスを学ぶべし【1】

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最近、とある方のご相談を受けていたのですが。

その相談というのは、よくある「この物件についてどう思いますか?
買っても大丈夫ですか?」という類のもの。

内容を拝見したら、この条件で購入したりしたら即死する可能性すら
あるタイプの案件でした。

 

相談者さんも冷静に考えてちょっと駄目なのではないかと
思い始めていたようで、僕に第三者としての意見を聞きたい、
と僕にご連絡を下さった、と。

問題は買い付けを出して、手付金(申込金)を入金してしまった後だったようで、
その後の処理をどうしたものかと作戦を練ったりしていました。

できれば買い付けを入れる前にご相談頂きたかったところでしたが、
何とか解決しそうな雰囲気でしたので、そのまま終わることを祈ります。

 

さて、このような事例から、どんなことを教訓として持つべきだと思いますか?

もっと勉強をしてから慎重に行動すべき?
騙されないように常に相手を疑ってかかるべき?
信用できる人間を探すべき?

それも大切なことではありますが、ここではちょっと違う話をします。

人が「物を買う」と決断し、行動を起こすのは、商品そのものだけに
依存しているのではないことを知るべきだ、ということです。

 

アパレルショップで店員が話し掛けてくる理由

いわゆるセールスですね。

僕は普段から買い物は全部自分で決めたいので、例えば服を買いに行く時に
店員に話しかけられるのが嫌いです。

欲しいものが見つかれば迷わず買うし、見つからなかったら無言で立ち去ります。

店員に話しかけられるのが嫌だ、苦手だ、と言う方はすごく多いです。
僕なんて、店員がしつこく話しかけてくる店だったら二度と行きませんから。

 

それでも入店者全員に声を必ず掛けるようスタッフ教育をしている店舗も数多い。
なぜかといえば、その方が売れるから、です。

そうしないと売れないから、とも言えるかもしれません。

 

セールスの力で、買うことを迷っていたり、あまり興味を持っていなかったり
する客であってもモノを買ってもらうことが可能となる。

その為に必要なのは、話を聞いてもらうこと。ちゃんと聞いてもらえさえすれば、
購入して貰える確率が相当高まります。

話を聞いて貰いやすくするための色々テクニックもあるのですが、スタッフ全員に
それをマスターさせるのはお金も時間も労力も掛かり過ぎる。

だから「数打ちゃ当たる」で客全員に話し掛ける方針としているのでしょう。

 

買い物で迷いやすいタイプの方は、こうしたセールスにより後で買ったことを
後悔したり、無駄遣いが多くなってしまったりします。

身近に誰か心当たりありませんか?

失敗の多くの原因は、「物に魅力がある」のではなく「セールスを受けた」ことに
よるのではないでしょうか。本当に物に魅力があって購入したのなら、買って後悔を
するなんてことないはずですから。

カカオの数字を書くだけでも大きく売れ行きが変わるんです。

大して効果の無いサプリメントが売れる理由

もっと別の例を挙げると、かつての「霊感商法」なんてものがあります。

「宗教的な側面」を一切省いて霊感商法を考察すると、客観的には明らかに
おかしいですよね? 購入してしまった人は。

だって、何の芸術的価値もない壺だの印鑑だのを、何十万円、何百万円もの
大金を出して購入してしまったりするんです。

 

霊感商法の場合、霊感があるかのように振舞って信用させ、祟りだの何だの言って
無駄なものを法外な価格で売りつけているのですから、ただの詐欺でしかありません。

でも、それを買ってしまう人が大勢いたわけで。

それは、「詐欺」という行為のどこかに人にモノを買わせる力があることを示唆しています。
セールスは嘘をついたりしていないし合法で、全く悪いことではありませんが、
「人にモノを買わせる力がある」点では同じです。

 

共通事項は、言葉や文章を用いること。

言葉や文章の使い方次第で、モノの良悪の関係なしに、人にモノを買わせるように
コントロールすることが可能であることの証明です。

 

もう一つ例を挙げれば、サプリメントなんかもそうです。

世の中、サプリメント好きは多いです。特に整形外科には、ヒアルロン酸だとか
コンドロイチンだとかのサプリメントを飲まれている患者さんが時々います。

あれ、高いですよね。一か月分で5千円以上したり。

 

詐欺とまでは言いませんが、少なくともサプリメントは効果があると主張できる
明確なデータがありません。にも関わらず、よく売れています。

今の法律のままで、薬が同じ値段したとしたらどちらが売れるか?

おそらくサプリメントの方が売れるでしょう。
それは、広告に制限があるからです。

 

サプリメントにも広告制限(薬事法による表現の規制)はありますが、
処方薬は遥かに厳しい。

厳しいというか、広告出せません。処方薬について、世間一般に
直接的な広告を打つこと自体が禁じられています。

同じ価格だとしたら、広告を打てるサプリメントと宣伝できない薬では、
薬に勝ち目はありません。

 

余談ですが、患者さんから「サプリメントを飲んでいるんだけど、
本当に効いているんでしょうか?」と質問をされることがあります。

それに対して僕は必ずこう答えます。

「効くかどうかは個人差がありますが、本当に効果があると証明ができるのなら
薬として販売をしているはずですよね? あれば処方してあげたいくらいです。
でも残念ながらありません。それをどう考えるかは、ご自身次第ですね」

わざわざ僕に尋ねるということは、自分自身でも懐疑的になってらっしゃる
のでしょうから、やんわりとそう伝えます。

「そのお金で旅行でも行っていただいたほうがいいかもしれませんよ」と。

 

不動産事業に関わるうえでセールスは外せない要素

このように、セールスには非常に強大な力があります。

ぶっちゃけてしまえば、セールスのやり方次第で「ガラクタ」でも売れてしまう。
中国では石ころが投資理財として売買されていたことがあったほど。

そこにまず気がつかなければいけません。

 

この話をし始めると、やはり長くかかりますね。次回に続きます。

次回:不動産投資で失敗しないためにはセールスを学ぶべし【2】

 

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