もらい事故で4000万円の賠償判決。ビジネスにも伴う訴訟リスクとどう向き合うか。

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インターネットで様々な情報が庶民にもいくらでも入るようになった現在。
恐らくこの先、新たに様々な問題が発生することが予想されます。

特に興味深いのが、司法の場、です。人が人を裁いている以上、完璧には
決してなりませんが、少しでも完璧に近づける努力を義務付けられている。

ある意味、医療に似た境遇です。

 

そんな司法ですが、インターネットのお陰で「トンデモ」な判決が日常的
に下されていることが徐々に広まってきました。

その最たる例が、今話題の「もらい事故で4000万円の賠償命令」です。

 

多くの方がご存知と思われますが、簡単に解説しておきます。

自動車対自動車の交通事故で、片方がセンターラインを越えたため対向車
と接触、結果としてセンターラインを越えた側の運転手が死亡しました。
取り敢えず運転手を加害者、対向車を被害者と表記します。

その自動車は所有者の知人が運転していて、所有者は助手席に。自動車へ
掛けられている任意保険は所有者又はその家族限定で、今回の事故は家族
でない加害者の運転でしたので保険が降りません。

 

さてここでどういった経緯かは分かりませんが、加害者側の遺族が被害者
に損害賠償請求訴訟を起こしたそうです。

訴訟することそのものは自由ですのでいいのですが、問題はその判決。

事件のタイトル通りに、被害者側が加害者側に4000万円余りの損害賠償を
支払うよう命じる判決が下された、と。

判決が逆転されることはあるでしょうか。

これまでの原則に反する判決

これだけの情報で、色々と感じるものはありますが、裁判を傍聴したり、
裁判記録を読んだ訳ではありませんので、どちらが悪いとかは言いません。

が、問題と思うのは判決文
当裁判を勤めた原島麻由裁判官は、こう言いました。

「対向車側に過失がないともあるとも認められない」

こうした上で、自動車損害賠償保障法に基づき「賠償する義務を負う」と
認定した、というもの。

 

これは完全に原則を無視した判決です。

司法は原則的に訴訟を起こした側に証明の義務があります。この場合は、
訴訟を起こした加害者側の遺族が被害者側に過失があったと証明すべきで
被害者側は必ずしも無過失であったことを証明する義務はありません。

判決文において、「対向車側に過失がないともあるとも認められない」と
されている部分から、加害者側は被害者の過失を立証できなかった事実が
読み取れます。

つまり、被害者側に過失はありません。

 

にもかかわらず、損害賠償の責任を負うことを認定している。これが原則
を無視した判決であるように見えるのは、少なくとも素人目には明らか。

何か専門家にしか分からない時代の変化があるのか、現場を知るの人間に
しか知られていない内容があるのか、地裁レベルだからとリベラルな判断
が望まれているのかは分かりません。

が、下々の者としては見過ごせない、十分な説明を受けなければ到底納得
できない判決であるのは多くの方にご同意頂けるのではと思います。

 

事実、ネットの反応を見る限り批判が集中しているようですが……。僕は
司法に関する知見がなく意見を言う立場にはないのですが、一個人として
気になります。

 

ビジネスには訴訟リスクを伴う

数々の冤罪事件もそうですが、司法は様々な要素から間違った判断をして
しまうのは決して珍しくはありません。

また、司法の立場として間違っていなくても、非常に理不尽に感じられる
判決が下されるのも同様です。

更には、未だに何が正しいのか議論が終わっていないものも多々あります。
先日結審した、子供の蹴ったボールによる転倒事故の裁判のように。

 

人間が判断する以上、完璧なものにはなり得ない。

可能な限り、司法の場に関わる事態にならないよう、行動するしかない。

 

不動産投資も、大きなお金が動くものですから、時に裁判沙汰となるのは
致し方ないですし、事件や事故に巻き込まれてしまうのも止むを得ない。

簡単な例を挙げれば、貸し出している部屋の住人が自殺をすれば、遺族に
損害賠償請求をしなくてはいけなくなります。

気分の良いものではありませんし、凄まじい時間と労力を無駄にします。
しかし、やらなければ自分が危ない。自分が危なくなれば、家族も危うい。

 

そんな中、司法の判断が誤って自分に害なす存在となってしまったら一体
どうしたらいいのでしょうか。

袴田事件は他人事ではない。

 

ビジネスを行う上では訴訟リスクも十分に考えて決断、行動をする必要が
あります。

僕も、今まで一度も利用した経験はありませんが、医師賠償責任保険へは
年間5万円近くの保険料を支払っていますし、不動産投資でも対外賠償用の
保険へも加入しています。

またできる限り誤解をされないように言動には気を遣っていますし、顧客
はしっかりと選んで優良入居者さんばかりになるようコントロールをして
います。

面倒ごとを避けるためのコストは安くはありませんが、それだけの価値は
あるように感じています。身近な人々の様子を見る分に。

 

交通事故で揉めている患者さんを見る都度こんな思いを強くします。裁判
で貴重な人生の一部を潰すことにならぬ様、ご注意下さい。

 

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    • 通りすがり
    • 2015年 4月28日

    「もらい事故で4000万円の賠償命令」に関しては…。

    先生の仰る通り、一般不法行為責任の場合には被害者が要件事実を立証しなければなりま
    せん。

    ただ、本件の場合被害者(この場合で言及の対向車、以下同)も自動車を運行中のため
    「運行供用者責任」(自賠法3条(民法709条特則))というものを(自動的に)負う
    事になります。 そして、本責任の成立要件には被害者の過失の要件が含まれていません。

    つまり、加害者(この場合の死亡運転手、以下同)が過失を立証しなくてもよい事になり
    ます。 逆に被害者に反証の必要が生じます。

    なので、本件地裁の裁判官が「対向車側に過失がないともあるとも認められない」とした
    のも、額面的、論理的には正しい事になります。

    このへんは運転手の代理人(弁護士等)も計算した上提訴したのでしょう。

    確かに一般常識からすれば「えっ?」みたいなものでネットが騒ぐのもいたしかたないで
    すし、立法趣旨としては被害者の救済を充実させるための無過失責任を定める特別法なの
    で、いささか逆手に取った感は否めないですが…。

    もし上級審があるなら変わる可能性も無くはないような感じですね。

      • きりのき
      • 2015年 4月30日

      詳しくありがとうございます。

      ニュースを読む限りそのような印象を受けていましたが、
      やっぱりそうなんですね(立証について)。

      法を逆手に取った判決というのも間々あることなのだと
      思いますが、判例としてこれが残ってしまうと大変な事態
      になるか、法改正をせざるを得なくなるかのどちらかで
      あろうと思いますし、被害者側の保険会社が黙っている
      かどうかも疑問ですので、ぜひとも上級審で議論を重ねて
      いただきたい案件ですね。

      医療の業界もそうですが、世間の常識と外れてしまうこと
      が度々あり、また報道で更に歪んで伝わっていきますから
      難しいなぁと改めて思いました。

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