産業用太陽光発電事業に存在する7つのリスク

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いつも応援ありがとうございます。



 

産業用太陽光発電事業について、先日意見を求められました。

その方は産業用太陽光発電を投資のスタートとして始めようとのお考えで
メールを下さいました。具体的な話も検討しつつあったようです。

 

それに対し、丁寧にお返事を書かせて頂いたのですが、非常に申し訳ない
ことにネガティブな意見となってしまいました。

盛り上がっているところに冷や水を浴びせるような意見を言われるのは
とても嫌なことですよね。先日も妻に怒られました。

ですが、せっかくご連絡を頂いたのですから率直な意見を述べることが
最も良いだろうと僕は考えていますので、産業用太陽光発電事業に対する
僕の考えを全てそのままお伝えしました。

 

今日はそれをシェアしようと思います。
あくまで個人的見解ですので、それを差し引いてお読み下さい。

 

産業用太陽光発電への個人的意見

以下、メールの抜粋です。読みやすいように一部改変しています。

—————————————————————–

産業用太陽光発電を検討中なのですね。
一つの可能性としては検討に値すると思います。

何よりグリーン減税制度などの税制優遇もありますので、
利益が出過ぎてしまいそうな際の税金対策としては
優れていますね。

 

ただ、懐疑的なところが多いのも確かです。
現場、今の僕は買うべきでないと考えているため、以下は
否定的意見が強くなっております。

産業用太陽光発電事業を全否定してはおりませんので、
一意見としてのみ捉えていただければ幸いです。

 

1.実質稼働率

新品でも天候などの影響を大きく受けるため、稼働率はよくて
想定の年間80%~90%程度と思います。

それに加え、太陽光パネルは熱を持つ電子機器ですので確実に
老朽化により稼働率が年々下がります。

5年後、10年後の発電量は現在のどれくらいなのでしょうか。

 

2.メンテナンス費用

後々、業者よりメンテナンスコストや保険料の上昇を言われても断れません。
下がった利回りで太陽光パネルの維持コストを支えられるのでしょうか。

 

3.パネル業者の健全性

高い利回りを掲げる業者ほど、太陽光パネルの質に不安が残ります。
逆に、信頼できるメーカーだと利回りが下がります。

そもそも、太陽光パネル企業など20年後に生きているのか?
その点も疑問です。既に中国の太陽光パネル企業がデフォルトを起こしています。

 

4.撤去費用

20年を経過した時点でパネルを撤去しなければいけなくなります。
その撤去費用と残された土地の処理はどうするのでしょうか。

太陽光パネルは中にはカドミウムなどを利用されているものもあります。
パネルを撤去することになった時点で果たしてその処理費用がどうなるのか。

 

5.金利上昇リスク

これは融資を受ける時に限ったことですが、金利上昇により維持が困難と
なる可能性があります。

金利が上がる時はインフレ傾向が強まった時ですが、太陽光パネルは
「固定買い取り」ですからインフレしても収入は上がりません。
(不動産であれば賃料が上がっていく可能性があります)

 

6.損切りの困難さ

賃貸不動産と異なり売却も容易ではありません。10年経過して利回りが
合わなくなってきたからと売却を検討しても、残された買取期間の短い
産業用太陽光を土地付きで買う人、買える人は多くないでしょう。

売れたとしても二束三文。

住宅などと違い、インフレにより価値が上がったりしないこと、
潰して建て替えの戦略が取れないことも問題です。

 

ざっと考えてこれらのリスクがあり、今の僕は手を出すべきではない
というのが結論です。お金の余っている企業の投資先、と感じます。

太陽光は少なくとも今は安定した電力供給源には成り得ませんし、
化石燃料の輸入量減少に寄与するかどうかは分かりませんが、
エネルギー源分散の意味で日本の安全保障に役に立つとは思います。

結論として、お金持ちのお仕事なのかな、と。

 

5年から10年で、産業用太陽光発電事業で経営破綻に陥る個人が
ぼちぼち出てくるのではないかな、と予想しています。

今はまだ始まったばかりで成功例を謳う人しかいませんが。
前述のように、お金のある方が融資を受けずに余剰現金を投資する
ならばなかなかに優良な投資先ではないかと考えます。

ただ、最初の投資先としてはそれだけ現金があるならよほど低リスクで
利回りの良い投資先があるのではないかなとも思います。

——————————————————————

と、このようなお返事をさせて頂きました。

太陽光発電にリスクはないというのは明確な嘘です。

産業用太陽光発電事業参入には十分検討を

加えて、7つ目のリスクとして、レバレッジが掛けられないリスク
存在します。

 

レバレッジを上手に利用した方がリスクが減る一面があり、融資を受けて
規模を拡大していくことで攻撃的なリスクヘッジが全体で考えると有効で
あったりします。

そのためにはレバレッジを掛け続けられる体制を整えることが大切。

積算評価が低くしか出ない産業用太陽光発電をいきなり所有することは、
次の融資を受けるための重荷になるのではないかと僕は思います。

規模を拡大しにくくなる、ということです。

質問者さんはそこに関しては理解されているようでしたので、
お返事のメール内では言及しませんでした。

 

以上7つのリスクが産業用太陽光発電事業にはあり、僕自身の答えは
「お金があるならご自由に、お金がないなら慎重に」となります。

異論も数多くあるかと思いますが、あくまで僕個人の意見ですので
ご自身の信じる道を進むのが正しいと思います。

上記の7つのリスクも、やりようによってはすべて乗り越えてリスクを
ゼロに近づける方法も存在するでしょう。

 

ただ、流されて、煽られて突撃してしまうのは止めて下さい。

産業用太陽光発電事業の割譲はものすごく流行しており、そこら中で
ひどい買い煽りを見かけます。

自分の責任を人に押し付けて生きなければいけない人生はとても不幸です。

 

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