いつも応援ありがとうございます。
今回は経費のお話をしようかなと思います。
だいぶ前に、色々なものを按分して経費化しましょう、といった趣旨の
記事を書いたことがあります。
経費の按分の匙加減
経費で落とすとは? 経費計上の勘違いと問題点。
古い記事を引っ張り出してくると恥ずかしいですね。文章も未熟です。
で、実はその時から若干疑問が自分の中にあったのですが、僕とは全く
関係のないことでしたので、敢えてスルーしていたことがありました。
が、この度、友人が収益不動産を購入することになりそうでしたので、
なんとなく気になって調べてみました……というより、税理士さんに
直接尋ねてみました。
僕とは全く関係無いことも丁寧に回答して下さって、ありがたいことです。
賃貸住宅は経費として按分可能。では、持ち家は?
気になることというのは、自宅の家賃のこと。
賃貸住宅住まいの場合は、家賃の一部(3割程度が一般的かと思います)を
事務所費用として経費化することが可能です。
電気代だとか水道代だとかガス代だとか、その辺りと同じ。仕事しながら
コーヒーくらい飲みますし、明かりだってつけますし。
按分して経費化することは、当然の権利です。
ただ、ひとつの疑問がありました。
自宅が持ち家の場合、です。
自宅が無借金の持ち家の場合、家賃の支払いがそもそも存在しません。
この場合は一切事務所費用を計上できないのだろうか。
住宅ローンを組んでいると、いかにも家賃のような毎月の支払いがあるものの、
それは決して家賃ではないけれども、何かを経費化することが可能なのだろうか。
そんな疑問がなんとなくありましたが、深く考えることはしませんでした。
今回、前述のようなことがあり、また規模的に税理士さんを入れる余裕は無い
であろうと思われたため、友人へアドバイスをするべく疑問の解消へ動いた次第。
だって、不公平ですよね。賃貸の場合は経費として計上できるのに、持ち家だと
事務所費用を経費計上できないというのは。
そこでまず、質問する前に想像をしてみました。答えを得るのは簡単ですが、
いきなり解答を見てしまうのは進歩がありません。
まず、住宅ローンを按分して経費化する。これは単純には不可能です。
利息部分は按分して計上することが可能でしょう。家賃の際と同じく3割程度が
基準でしょうか。
しかし、元本返済。これは経費計上することは許されません。
収益不動産でも元本返済は経費として計上されませんよね。
それと同じ理屈。
では、もしかして自宅の建物価格の一部を減価償却できるのでは?
と考えました。元本返済は無理でも、こちらならば納得がいきます。
僕の考えた結論として、建物部分の利息部分は按分して経費計上が可能、
また自宅評価額の一部を減価償却することが可能であるのではないか、です。
非常に面倒そうですが、これなら筋が通っています。
経費のプロの見解
結論として、これは「正しい」ようです。
少なくとも僕の顧問税理士さんは可能であるとのお答えでした。
が、同時に「お勧めしません」とのことでした。何故か?
居住の用に使っている家屋であれば受けられる譲渡の特例や住宅ローン控除が
受けられなくなる可能性があるから、です。
10%以下の経費割合であれば譲渡の特例や住宅ローン控除の適用は可能ではあるが、
金額も小さいためリスクを考えるとあまり大きなメリットとは思えない、と。
なるほど納得。住宅ローンを組んだ経験の無い僕としては、そこは盲点でした。
確かに住宅ローン控除が適用されなくなるのは大きなデメリットです。
固定資産税も按分して経費化することはできるようですが、それについての言及は
なかったものの、建物部分に関する減価償却や利息と同じような認識と思って
いいのではないでしょうか。
つまり、不動産投資をするのであれば、賃貸住まいの方が若干有利である、
と言えます。
住宅ローンは債務超過になりやすいですし、その意味でも足手まといであると
いっても過言ではありませんね。
賃貸併用住宅を購入するならば利用すべきですが、既に住宅ローンを組んで
しまった方以外は、不動産投資を始めたいならば賃貸住まいのままでいた方が
いいかもしれません。
転勤などで他に住宅を借りるようなことになった際は、改めて按分して経費を
計上するのがいいのではないでしょうか。
自宅は賃貸に出し、少しでも返済の足しにするのがお勧めです。
時にそれが許されないこともあるかもしれませんが。
賃貸と持ち家はどちらがいいのか
僕は正直言って、自宅を購入する気が全く無いです。
特に分譲マンションなんてまるで興味がありません。
お金が有り余っていて使い道に困ったら、別荘として億ションを購入しても
いいかもしれないなとは妄想したりしますが、果たしてそんな日が本当に
来るのかどうか。
また、そんなものにお金を使うくらいなら、ワインセラー用の地下室がついた
戸建を買うか建てるかするかと思います。
ただ、僕は医師で定年が基本ありませんから歳を取ってからでも賃貸住宅を
借りることができるだろうからこんなことが言えるのかもしれません。
一般的なサラリーマンは定年を過ぎたらなかなか良い条件の住宅を借りる
ことができない可能性もあり、自宅を持っていたほうが安心な一面がある
のも確か。
自宅購入を否定はしません。
ですが、不動産投資をしているのならその1室に住むなんて選択肢も
ありますから、あまり心配する必要もなさそうですね。
さて、どうするのが一番得か。
永遠のテーマのひとつです。
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自宅の減価償却、気がつきませんでした。譲渡の特例や住宅ローン減税が受けられないかもしれないリスクを上回るメリットがあれば按分して経費にしてもいいようですね。
建物部分に関しては固定資産税とローン金利の按分だけと思っていましたが、言われてみればその通りです。自宅を事務所と兼ねている個人事業主で適応となる人は結構いるのでは。譲渡の特例も今時譲渡利益がべら棒にでる物件も少ないし、住宅ローン減税が終わっていたり適応で無い人もいるし。
賃貸に住んでいるの場合、住居専用として契約していると思うので、一部を事務所として転用するのは契約違反にあたります。個人的にはこちらの方が問題かな。
坪倉 さん
コメントありがとうございます。そうですね、条件次第で有用な内容が
税理士さんから確認できたました。
賃貸の契約上の問題に関してはあくまで入居者のみの利用で人の出入りがなく、
常識の範疇であれば問題になることはないとは思いますが、心配なようでしたら
大家と相談をすべきですね(我が家は貸主が親族ですので相談するまでもなく……)
僕の所有物件に住まわれている方が不動産投資をしていても何も気になりません
ので多くの場合は問題とはならないかと思います。
もし問題になるのであれば、在宅ワークもできない世知辛い世の中になって
しまいますね。
まあでも、中には面倒な大家もいるかもしれませんので確認するのが確実するに
越したことはなさそうです。