不動産投資の利回りについて再確認する【1】表面利回りについて

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いつも応援ありがとうございます。



 

久しぶりに利回りについてをテーマにしてみようと思います。

というのも、ここのところの不動産価格の上昇で利回りが低下をして
いることは誰もが感じていることだと思いますが、それに強い落胆を
受けられている方が多数いらっしゃるためです。

 

確かに3年前、5年前と比較すれば随分と利回りは低下してきました。
それは事実です。

ですが、それと「優良な収益不動産が見つからない」こととは別問題。
不動産投資において利回りとは物件を評価する一要素に過ぎません。

そこの考えを誤ってしまうとチャンスを失うことになります。

 

何回かに分けて、利回りという言葉そのものに込められた意味や、
不動産投資における利回りの考え方についてまとめていきます。

 

表面利回りとネット利回り

まず利回りという言葉そのものについて。

利回りには大きく分けて表面利回りネット利回り(実質利回り)
二つが言葉として存在をしていることはご存知と思います。

以前も書いた気がしますが、この二つは明確に分けておかなければ
とんでもない間違いを犯す原因になりかねません。

 

ただ単純に「利回り」というと多くの場合「表面利回り」を指します。
このこと自体は大体コンセンサスが得られていると思いますので、
良しとしましょう。

なるべく表面利回りと明確にしておいた方が勘違いがなくていいですね。

 

が、僕は利回りの話をする時に表面利回りを基準にして語りたくない。
表面利回りは「非常に曖昧な言葉」だからです。

表面利回りという言葉は収益不動産の利回りを本当に表面的な部分だけで
表しているに過ぎません。

メリット部分を都合良く表現している、売主側の事情で出している数字と
いって過言ではない。

 

参考にはなりますが、参考程度です。買主側にとって表面利回りとは
値付けが適正範囲か否かを大まかに分別する機能しか持ち合わせていない。

そこを勘違いしてはいけません。

最終的に物件を購入するかどうかの段階になったら表面利回りなんて何も
基準にならないことを忘れずにいて下さい。

 

その上で、表面利回りという言葉が抱える問題を2点、提示します。

化粧で騙された経験はありませんか? 僕はないですよ。(笑)

何をもってして表面利回りというか

まず、ひとことで「表面利回り」といってもどの数字のことを表しているか
が業者によって違ったり、物件によって違ったりすること。

通常、表面利回りというとある物件の満室想定家賃収入を売買価格で割った
百分率の数字です。

家賃収入が年間1000万円で物件価格が1億円であれば10%ですよね。
これは単純な話です。

 

ですが、一見提示されている利回りは同じであっても売買条件によっては
随分と差が出てくることがあります。

特にパッケージ販売型の売主物件では売買価格に様々なサービスが含まれて
いることが多く、同じ表面利回りであれば売主物件の方がずっと割安である
ことは稀ではありません。

大規模修繕工事なんて典型的に差が出ます。

 

売主物件でなく通常の仲介物件であっても、いつ大規模修繕工事をしたのか、
全く手を付けていないのか、などなどの条件で同じ表面利回りでも実質利回り
には大きな差がつくのはよくある話。

木造物件でもシロアリ被害のあるなしで致命的な差が出ます。

表面利回りの高さにつられてしまうとろくなことになりません。

 

化粧をされていないかどうか

もうひとつ、表面利回りは「作れる」ことです。

インターネット上の物件概要に掲載される満室想定家賃収入。流石にここへ
嘘を書いているパターンは無いと思いますが、現実的でない条件を提示して
いる可能性はあります。

 

日本では建物が古くなるとともに価値が下がり、家賃収入は減ります。
が、言われなければ家賃を下げる理由はありません。

長期入居をされている方がいる場合、例えば新築当時のままの家賃で据え置き
で住まわれていることは珍しくない。

生活保護による家賃扶助で入居されていたりすると価格をわざわざ引き下げて
もらおうとは思わなくて当然ですよね。

 

その高い家賃を基準に空室の家賃設定をして、表面利回りを計算していても
おかしくありません。

実際にはレントロールを見れば分かってしまうことですが、素人なんて口で
丸め込めるとごり押ししてくるかもしれませんし、釣り餌として高利回りに
見せかけた物件を掲載しているだけかもしれない。

一度問い合わせをもらい、事務所まで来てもらうことができれば何かしらの
物件を購入してもらえるように誘導することは十分可能ですから。

 

表面利回りの高さに惹かれるというのはお見合い相手が用意した奇跡の一枚の
写真に惚れ込むのと同じことであるのをよく覚えておくべきでしょう。

 

初心者ほど注意

1棟目の取得ではどうしても修繕費用がどの程度掛かるかとか物件のチェック
ポイントが甘く、物件の問題点のチェックより表面利回りの見た目の良さに
判断が引っ張られてしまうことが多い。

不勉強であればあるほどその傾向にあります。

 

インターネットで物件を探す際に表面利回りで検索を掛けているようであれば、
それはすぐにでも心改めて下さい。

見かけの良さにこだわった物件ばかりに囚われ、真実の美しさを持ったモノを
手に入れるチャンスをみすみす逃すことになりますので……。

 

次回に続きます。

 

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