無理な税金対策よりもバランスシートの改善を重視するべき

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税金をいかに減らすかが不動産投資の成否を分けるという話を聞いたことの
無い方は恐らくはいらっしゃらないと思います。

不動産投資を始めるきっかけが「税金対策」であることすらよくある話で。

税金対策の投資がどれ程愚かなことであるかは、普段からしっかりと勉強を
されている方はよく理解されていることとは思いますが。

 

あんまりガチガチに税金対策をすることについても、僕は反対だったりします。

やっぱり税金は払ってナンボだな、と。

税引き後キャッシュフローを増やすために正当に削れる税金を削ることについて
は当たり前であり当然の権利として行使をするべきです。払わずに済むものを
払うなど、そんなもったいないことをしてはいけません。

しかし、税金は何も見返りがないため「無駄な費用」との意識が強くなりがち。

そのせいで、税金を払うくらいなら他のことに使いたいからと経費を計上する、
節税スキームを利用するといったことを当初から積極的に行ったり、勧める方
がかなりの割合でいる。

 

十分な利益を手に入れて、少なくとも数年間から十数年間は収益不動産を買う
必要が無い場合はそれもいいかもしれません。

が、まだ満足のいくキャッシュフローを得られておらず、もっと上を目指したい
と希望をしているならば、必要以上の税金対策を行ってはならない。

結局のところ税金を納め終わらなければ自由なお金は手に入らない。お金は
自由度が高ければ高いほどその価値が高まることを忘れてはいけません。

税金対策に新車を買う必要、ありますか?

ポイントカードの罠

これは家電量販店などのポイントカードを例にしてみると分かりやすい。

家電量販店で税込10,000円の10%ポイント還元とネット通販の税込9,100円が
果たしてどちらが得なのか。

単純に考えれば前者は実質9,000円ですからこちらの方が得であるように感じる。

 

しかし、ポイントというものの正体はお金を店に預けているようなもの。
900円余分に払って1,000円の店限定商品券を買ったのと同じことです。

900円の自由なお金を失って、1,000円分の非常に用途の限定された不自由な
将来の貯蓄を得ることがどれ程メリットがあることか。

十分な生活費があり、将来的にもその店を使うならば100円の得であることは
間違いない。

 

しかし100円でも惜しい生活をしているならば、将来の100円の得よりも目先の
900円を取るに違いありません。

この例えでは金額が小さいため想像しにくいかもしれませんが、ちょっと数字
をいじって95万円で売られている100万円分のデパートの商品券を買うかどうか、
との想像であればどうでしょう?

すぐ使う用事があるならともかく、そうでなければ買うのを躊躇しませんか?

 

手元に2000万円くらいの余剰資金があれば、すぐ使う予定はなくても余っている
お金の有効活用として購入してもいいかもしれません。

ですが、コツコツと少しずつ貯蓄を貯める身にしてみれば信じられない買物だと
思うのではないでしょうか。

まだ十分な余裕がない時期に税金対策を行うというのは、こういうことです。

 

不動産投資は思ったよりお金が残らない

加えて、不動産投資に夢を抱いている方には申し訳ありませんが、不動産投資は
想像以上に手元にお金が残りません。理由は3つ。

 

中古の収益不動産を扱う者の定めとして、特にRCマンションであれば想像されて
いる以上に経費が掛かること。

どう頑張っても常に満室とはいかないため、期待(満室想定家賃収入)よりも
家賃収入が入ってこないこと。

時間の経過とともに経費は増大し、収入は減衰していくこと。

 

これら3つの理由により、扱っているお金は大きくとも利益は非常に限定され、
手元に残る自由なお金は極めて少なくなります。

ですから、意外と税金対策をするチャンスなんてありません。

 

僕も現在、何とか法人へと所有不動産を移して税率を下げようと努力をしては
いますが、ぶっちゃけるともしそれが実現しなくても税金で経営困難となって
しまうことはありません。

むしろ、個人所有であればそれはそれで税金を納めた後は全額自由に使えるお金
として手元に残ります。他のビジネスにそれを利用することもできるし、個人的
に大きなお金がどうしても必要になった際にためらいなく使うことができる。

法人の内部留保として残しておいたお金を個人に貸すことはできなくもないです
が、用途によっては問題となることもあり、あまりやりたくありません。

 

僕にとってのベターが法人化であることは間違いないので、最善の努力は尽くす
つもりではありますが、無理はしないことに決めています。

減価償却が進むと流石に厳しくなるかもしれませんが、5年程度であれば問題は
ありません。それまでに何とかすればいいので、もしダメであればそれはそれ。

最低限の税金を納めつつバランスシートの改善に務めれば、5年もあれば十分に
状況を好転させるチャンスは巡ってくるでしょう。

 

バランスシート至上主義

重要なのはバランスシートの適正化です。税金対策を行ってもバランスシート上
の疑義が発生しないならば利益のために行うべきだし、バランスシートが悪化を
するようなら今現在は必要のない税金対策ということ。

これは不動産投資を拡大していくうえで、最も大切なことです。

 

節税に励むのは良いことですが、優先順位としてどうなのかを常に考えましょう。

将来のことにかまけ過ぎて今を疎かにしてしまうこともまた、宜しくないことです。

 

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