法人は減税、個人は増税。高まる不動産所有法人への期待と問題点。

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法人税実効税率の減税は平成28年度税制改正でも着実に実行されるのが
確定しており、その分だけ個人に対する税は上昇をしています。

これは現政権が望んでいる方向性であって、しばらくは流れが変化する
可能性はほぼありません。

方向性としては正しいとは思います。個人の税負担は非常に重くなって
いて大幅な調整が必要であるようには感じますけれども、方向性として
は正しい。

 

昔と違って企業は世界を相手に戦わなければいけないのですから、健全
な競争力を持つためには企業の税負担を調節するのは自然の流れ。

企業の税負担が高いままでは競争力を保つための資金を保持し、収支を
安定させるために人件費を削らないといけませんが、それではジリ貧に
追い込まれるのは目に見えています。

それを解消するために法人税を減税し、企業が将来のために確保をして
おきたいお金を確保しつつ、労働者の給与やすぐに必要な設備投資費を
捻出することを可能とするのは合理的。

しかし、個人にとっては非常に厳しい時代です。消費税が増税されて、
またその他の税金も高くなると出費はすぐに増えますが、収入が増える
のは企業収入が増えてから。

労働者給与は企業収入から出ている。インフレにならなければ企業収入
は増えない。個人目線では、必ず先に支出が増えて、それがうまくいく
のを確認してから収入が少しずつ増えていくという流れになります。

サラリーマンのつらいところ。

 

ただ、幸いなことに現代は個人でも法人を所有するのが極めて低コスト
に、簡単に可能です。

2006年5月1日に現行の会社法が施行され、有限会社が廃止され合同会社
という新しい会社形態が整備されました。

有限会社は最低資本金が決められており、末期は300万円必要であった
ので、とてもではありませんが気軽に法人を作ろうとはなれなかった。

合同会社には最低資本金が決められておりません。資本金0円で法人を
所有できるようになったのは私たちにとって極めてインパクトが大きい。

 

本当の意味で、誰でも簡単、低コストに起業が出来る時代です。そして
法人税が減税され個人の税負担率が上昇する今の時代、法人を持たずに
いるのは逃げ道を自分で塞いでいるのに等しく。

多くの方はそれに気がつき、法人の活用を始めています。

法人所有はメリットばかりではありません。

高まる不動産投資法人の需要

実際、不動産投資の市場でも法人を活用する機運が高まっているようで。

1棟目から法人で不動産を所有したい、と希望をされる方も増える一方と
なっている様子。

元々不動産投資をしようと思うのが比較的収入の高い層が多く、つまり
高い所得税を払っていて重税感に辟易している人ばかりであるのも法人
が人気を集める理由なのでしょう。

 

実際、個人所有で不動産投資を拡大しすぎると、税金対策が非常に大変
になりますし、苦労の割には納税額は高止まりします。

僕自身も、昨年までは何だかんだで所得を抑制できていましたけれども
今年からは元本返済の多さで納税額が跳ね上がると思われ、税理士さん
と必死にその対策を進めているところです。

増税も考慮すると、これ以上僕の収入を増やすのは自殺行為。何とか他
へと分散をするべく全てを利用するつもりです。

 

その点、法人は無限に増やせますので分散先としては極めて優秀です。

大企業が何とか節税をしようと連結納税などを利用して納税額の抑制を
図っている時代に、せこいだの何だのと言ってられません。

むしろサラリーマンであっても法人を所有し、あらゆる方法で納税額を
少なくしていこうと思うのが時代の流れ。僕は、乗るべき流れであると
思います。

 

法人も使いよう

ただし、法人への所得分散には欠点もあることを忘れないでください。

法人はあくまでも法人であり、個人とは別人格。法人の所有するものは
全て法人に所有権があり、個人のものではありません。

法人は出資者の持ち物ですが、法人の所有するものは出資者の持ち物と
認められない点に注意をしましょう。

 

中でも現金は非常に扱いづらいものがあります。法人のお金を使い込む
のは横領となります。

とはいっても自分一人で設立した法人の場合、逮捕されたりはしないと
思いますが、国税当局は見逃してくれません。

発覚すれば、個人への報酬とみなされ課税されるでしょう。当然ながら
追徴もされるはずです。

 

ちょっと借りるだけ、にも危険が伴います。法人の決算前に返せるなら
何とかなると思いますが、決算を超えて借りてしまうと残高証明が証拠
として残りますので、税務調査が入ったらごまかしが効きません。

役員への報酬とみなされるか、もしくは法人から役員への借り入れ、と
いうことで法人に利息をつけて返済をする羽目になるか。

また、個人のお金と法人のお金の境目があやふやなのは信用も落とし、
金融機関からの借り入れがしにくくなる可能性も高く。

 

そう考えると、法人にお金を多く残しても、経費的支出をするか個人へ
の課税を覚悟して報酬を出すかのどちらかしか選択できず、後者の場合
はうまく立ち回らないと何のために法人設立したかが分からなくなる。

法人に、何の目的でどのくらいのお金を置いておくかは、十分検討の上
決定をすべきと思います。

 

それさえ定まっていれば、個人ではできない節税方法や経費支出が可能
となる法人は、期待の通りの得をもたらしてくれます。

サラリーマンでは絶対に許されないような事が、公然と認められている。
利用しない手はないでしょう。

 

もちろん法人に収入が無ければ意味がありません。不動産投資は法人が
収入を得られるようにする最も簡単な方法の一つですね。

サラリーマンでいるだけでは、今後も重税感に悩まされ続けるのは明白。

起業なんてそう難しいものでもありません。増税を機に法人を設立して、
良い生活を目指すのも目標があって楽しいものです。

 

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  3. 税金はしっかりと納めましょう。
  4. 追徴課税は避けましょう
  5. こんな会社と張り合わなくていいです。
    • ケンケン
    • 2016年 2月20日

    大変勉強になります。
    わたしも合法的な範囲で、法人を作り、うまくライフワークバランスをとるようにしたいと思います。

      • きりのき
      • 2016年 2月23日

      お読みいただき、ありがとうございます。

      お金をたくさん使いたい人にとっては法人はすごくメリットが
      大きいと思います。僕のようにけちで、将来のための資金集め
      がメインの場合は、正直使いづらいですね。

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