入居者の選別は賃貸人にとって当然の権利の行使に過ぎない。

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収益不動産の運用をしていく際に一番嫌なものは空室です。

空室が無ければ購入当初の予定通りの利益を得ることができますから、
先々の予定が立てやすい。

しかし空室ができてしまうことで予定していた利益を得ることができず、
先の計画に支障をきたしてしまう。

ですから、不動産投資家は誰もが血眼となり入居者探しをします。

 

話を進める前に一つ注意点を。

不動産投資において常に満室を想定した将来計画を立てているとしたら、
それは間違っています。

賃貸不動産が常に満室であり続けることは絶対にあり得ません。また、
特徴として退去が出て入居が決まるまでの過程で大きな経費が掛かるため
1ヶ月だけでも空室が出来るとその2倍以上の損失が出ます。

更新料や礼金が頂けるならばカバーできますが、今の時代なかなか難しい
こともあるのが苦しいところ。

 

これまでも何度も書いていることですが、都合の良いように将来予測を
立てないようにして下さい。

期待しすぎると思ったように利益が出ない時の落胆や不安が大きくなり、
精神的に追い詰められていきます。

騒音に神経質な方も数多く。

空室を埋めたい欲が命取り

さて、本題です。

空室が長くなると、特に不動産投資を始めて間もない頃はどうしても焦り
を感じてしまいます。

所有物件の戸数が少ないと1戸の空きで逸失する利益が割合的に大きく、
金銭的な負担が大きいこともあります。

多額の融資が残っているため、返済に支障が出るのではないかとの思いが
出ることもあります。

いずれにしろ、空室があるとすごく嫌な気持ちになってしまう。

 

戸数がある程度以上になってくると、常にどこかしらに空室があることの
方が多くなるためあまり気にならなくなってきますが、そこまでの感覚を
身に着けることができるのは100戸を越えたあたりではないでしょうか。

僕は現時点で50戸以上抱えていますが、まだ1戸の空きが気になります。
一部家賃単価が大きいというのもありますが。

 

空室に対する嫌悪感が強くなりすぎると、とりあえずどんな人でもいいから
入ってくれと思うようになってしまいます。

正直言って、危険な状態です。

戸数が少なくリスクヘッジが十分でない状況で問題のある入居者を抱えて
しまうと、そのために自分自身を窮地に追い込むことになりかねません。

 

滞納なんかはその代表例ですが、同じくらい嫌なのは騒音や異臭を撒き散らし
他の入居者さんに悪影響を与えるタイプの方とか、契約時のルールを守らずに
ペットを買う、複数人で住むなどをされる方。

一人の入居者を受け入れることで、複数の入居者を失う可能性があります。

経営上の余裕が十分にあるならば少し損失を計上する程度で済ませられる程度
のことかもしれませんが、小規模経営だと一大事。

下手をすると破綻のきっかけとなりかねません。

 

激しい競争の中、ひとつでも多く部屋を埋めようと焦る気持ちは分かります。
分かりますが、欲をかいて問題のある入居者を抱えてしまうのは、絶対に容認
してはいけないことです。

 

優良な入居者が集まる経営をする

本来ならどんな方でも受け入れてあげたいところですが、そうは言っても自分
の生活を優先すべきなのは言うまでも無いこと。

差別ではなく、区別です。入居可能な部屋が見つからないのは残念ですが、
そのような自分になってしまったことを悔やんでもらうしかありません。

医師は医師法により応召義務に縛られていますが、不動産賃貸業に要望に必ず
応じなければいけないなんて義務はなし。

危ない橋は渡らない方が良い。

 

管理会社さんがちょっと止めたほうがいいかもしれない、との判断を下された
場合は従うのがいいでしょう。

僕もこれまで何度か、入居申し込みがあったものの管理会社さん側の判断で
お断りさせていただいたことや、保障会社が通らないため入居不可となった
ことがあります。

入居者は喉から手が出るほど欲しかったので、「いいから入居させちゃってよ」
と何度も言いかけましたが、踏みとどまりました。

そのお陰もあってか、比較的平穏に過ごせています。ちょろっと滞納される方
はいますが、その方は物件購入前からずっと住んでいる方なので仕方ない、と
割り切っています。

 

ただでさえ収益不動産、特に中古のものはトラブルがよく起こります。建物の
老朽化による修繕、経費が発生するのは致し方ないこと。

そこに人的トラブルを抱えて収入まで落ちるのはなるべく避けたい。

であれば、多少の空室損は受け入れた上で安全で優良な入居者さんの受け入れ
を目指すのが王道戦略と思います。

 

トラブルが増えるであろう時代をどう乗り切るか

今後、外国からの移民や、移民とまではいかずとも外国人労働者を日本が大勢
受け入れるようになると、必然的に私たち不動産投資家も関わっていくことに
なります。

外国人が嫌だとは言いませんが、習慣の違いや日本での生活の理解不足による
アクシデントは増えることになるでしょう。

 

それを致し方ないと受け入れるか、ビジネスチャンスと捉えて積極的に攻めの
姿勢を見せていくか、それともより安全(と思われる)層を対象にした経営を
心掛けるか。

どんな経営戦略を取るかにより、値付けひとつ違ってきます。

ただ少なくとも、規模が小さい間はなるべく冒険は避けたいところ。どこまで
入居者を選別するか、管理会社さんとよく相談して決めて下さい。

 

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  5. 空室が、不動産投資家が最も恐れるものなのは確かです。
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