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不動産投資のリスクとして常に挙げられる、金利上昇リスク。
融資を受けて収益不動産を買い進めている人間にとっては、
非常に深刻な問題です。
何しろサラリーマンとしての自分の給与から比較すると非常に
大きな融資を受けているのですから、0.5%金利が上がっただけで
相当なインパクトがあります。
この金利上昇リスクがあるために、20年以上の長期融資が当然の
ように組まれるアパートローンや住宅ローンなどでは、変動金利
がいいか固定金利がいいかと皆頭を悩ませます。
金利上昇リスクをどのように考えるべきかはそれぞれ思うところ
はありますが、当たり前の話として低金利で抑えられるならば
固定金利の方がいいに決まっています。
金融機関から十分な信頼が得られ、低い固定金利が組めるように
なったならば、必要以上に低金利にこだわって変動金利を続ける
よりは、固定金利にしてしまった方がいいでしょう。
ただ、法人化を検討している場合は注意して下さい。同一行内の
法人借り換えであっても、固定金利期間中は違約金が発生します。
近々法人へと収益不動産を移行させたい場合、変動金利で融資を
受けつつ、法人化と同時に固定金利へと変更することをおすすめ
します。
金利上昇は本来は大したリスクではない
実際に今後将来的に金利が上がる可能性があるかどうかについて
は最後の回で検討をするとして。
金利上昇リスクについてはある程度考慮をしておいた方がいいと
思いますが、基本的には「安定経営をするために当たり前のこと」
を続けていれば、なんら心配の無いものと思われます。
勝負は購入時点から始まっています。
金利上昇による経営破綻を回避するために最も効果のあることが
何かというと、自己資本比率の上昇です。
収益不動産を購入する時に自己資金を多く入れることができれば
金利の多少の変動など怖くありません。
月の利払い額は融資残高が多ければ多いほど額が多くなります。
自己資金を多く注入して総融資額を減らすことができれば当然、
月の利払い額は減りますし、総利払い額は減ります。
自己資金を注入して総融資額を減らすことは、利払いの金額に
直接的に影響をします。
キャッシュフローに十分な余裕を持たせておけば、多少の金利の
上昇で経営難に陥ることはないでしょう。
また、融資期間が長ければ長いほど総利払い額は多くなります。
キャッシュフローが同程度であっても、借入期間を短くすれば
それだけ金利上昇リスクを背負う期間が短くなります。
ただし、無理な返済計画をするわけにはいきません。ある程度の
キャッシュフローを維持する必要があります。
返済期間を短くしたいなら、自己資金の注入は必須です。
一部の金融機関、特にメガバンクが多額の自己資金の注入を要求
してくるのは、自己資本比率の上昇こそが最大の経営安定化策で
あることをよく知っているからです。
もし金利上昇リスクが怖いならば、自己資金をしっかりと入れて
収益不動産を購入することが最も勧められます。
金融機関からの融資も引き出し易くなり、有利な条件での融資を
受けられることでしょう。
自己資本比率を後からでも補正する重要性
僕もこの点は重々承知をしてはいたのですが、残念ながら不動産
投資を始めたいと思った時点で、RCマンションの自己資金として
足しになるような現金は持ち合わせておりませんでした。
一般的には10%~30%ほどの自己資金を金融機関から要求される事
が多いです。2億円の10%といったら2000万円。30%なんていったら
6000万円。そんな簡単に用意できる金額ではありません。
安全性を考えるなら、自己資金が貯まるまで待つことでした。が、
当時2012年上半期。収益不動産はぎりぎり値上がりが始まる前で、
大きなチャンスでしたので逃すわけにはいかず。
仕方なしにフルローンで融資を受け、物件を購入しました。
そこから考えたことは、自己資本比率をいかに上昇させていくか、
です。
自己資本比率は後付で高められます。2億円の物件を自己資金ゼロ
で購入したとしても、税引き後キャッシュフローが500万円あれば、
わずか2年で0%だった自己資本比率を10%に高めることができます。
それだけでなく、給与収入の余剰金から経費の支払いや納税をして
いくことで、更に自己資本比率の上昇を図っています。
途中、2棟目と運悪く(?)出会ってしまったため、2棟目取得時点
で自己資本比率は激減してしまいましたが、その後はまた自己資本
比率を上昇させることに集中しています。
一時的に生活を不自由にしてでも。
それもこれも、金利対策のためです。
経営状況が改善すれば金利の引き下げもし易く、金利上昇リスクに
対しても高い効果があります。
フルローン、オーバーローンという常識外の行動を取ってしまって
いるのですから、信頼を取り戻すために努力するのは当たり前。
その努力のうち、最も有効なのが自己資本比率の上昇であることは
間違いない。
1棟目の取得にフルローンを受けられた方は、須らくこの考え方を
念頭に置くべきだと確信しています。
自己資本比率の引き上げが追いつかない時は?
ただ、将来的な自己資本比率の上昇だけでは若干不安を覚える部分
があることも確か。
例えば購入後まもなく政策金利の上昇がされてしまったら? まだ
自己資本比率が安全圏に辿り着いていないのに金利が大きく上昇を
してしまったら、どうすればいいのでしょうか。
次回はこの点に触れていきます。
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