長期保有する収益不動産の出口戦略。気にすべきことはたった二つ。

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今日は出口戦略について一つ、話題に上げます。

出口戦略とは本来、軍事学的もしくは経済学的な用語で、
『撤退する時にいかに損失、被害を最小限に抑えるか』
という意味の言葉です。

元々はベトナム戦争時にアメリカ国防総省内で
初めて使われたもの。(Exit Strategy:出口戦略)

 

その後も、戦況が悪い時や被害が大きい時に
いかに損失を少なく場を収め、撤退するかを
目的とした戦略やその実地を表す言葉として
一般的に使われるようになりました。

経済学用語としても転用されるようになり、
経済政策、企業の経営、投資に際して
いかに撤収時、売却時に経済的損失を
最小限にする戦略を指す用語として使われています。

 

つまり、損失が出るだろうことを
前提とした用語なのが本来です。

不動産投資でも使われているこの「出口戦略」。

最近では意味が拡大解釈され、いかに損失を少なくするか、
ではなくていかにベターな利益確定を迎えるか、
という意味となっていますね。

出口は常に確認しておかなければ、いざという時に迷って痛い目に逢うかも…

不動産投資でも出口戦略は重要

不動産投資における出口戦略。
多くの場合は売却時のことに含みを持って語られます。

 

確かに投資という意味で売却は重要です。
含み益は利益ではありません。

株式やFX、先物取引では含み益が出ていても、
売り時を逃して一晩のうちに含み損となってしまった、
なんてことが多発します。

含み益があるうちに利益を確定させられるように
手放すラインを事前に引いておき、確実な運用益を
出すようにしなければ、勝ち逃げするのは難しい。

トレンドに乗りなさいとは言いますが、
いつ反転するかは神のみぞ知る。
不確定な要素に任せるのでは、投資ではなくギャンブルです。

 

不動産投資も、保有期間が短ければ短いほど
出口戦略が重要になります。

インカムゲインが少なければ売却益が出ないと
最終的に損失が出る可能性がある。
不動産取引は諸費用が非常に高いためです。

ですから、もし早めの売却の検討が必要な物件を購入する場合、
必ず買う前にいつ頃いくらくらいで売れるかを
検討しておかなければいけません。

 

中古区分マンションや一戸建てなんかに投資をする際は、
忘れてはいけないことですね。

つまり区分ワンルームマンションの場合、短期売買予定では
競売などからよほどの高利回り・低価格で購入できない限り
投資不適格になりがち、となります。

ワンルームマンションは実需向けには売れませんから。
投資家向けでは、高く売ることは困難です。

 

出口戦略には細心の注意を払う必要がある?

さて、ここで少し引っかかっ方もいるかと思います。

長期保有をする予定ではどうなんだ、と。

 

時々、長期保有をする時も出口をしっかり見据えて、
計画的に考えなさいという話を聞きますが。

僕はある意味では正しく、ですがちょっと言い過ぎではないか
と思う部分があります。

 

もちろん、全く出口が想像できない物件はどうかと思います。

例えば再建築不可、借地権、立地もいまいちの築古RCマンション。
これは流石に困ります。

立地が良ければ補強を重ねるという方法もありますが、
そこまでして元を取って利益を出せるのか。

売るにも買い手は見つからないだろうし、
潰して同規模の物件を建てることもできない。
個人レベルでは手の施しようがありません。

 

ただ、ある程度条件が良くて買い手は付きそうであれば。
出口戦略を細かく考えすぎなくてもいいのではないでしょうか。

 

いつ頃売った方が良さそうかなど、売却時期については
しっかりと検討しておいた方がいいでしょう。

無計画では売り時を失います。

 

でも、売却時に値上がりしているかどうか、とか、
暴落しなさそうかどうかまで気にし過ぎる必要はありません。

10年後の地価なんて、分からないんです。
今より高いか安いか、想像できません。

また、株式や為替と異なり、1日でひっくり返るほどの
暴落をすることは考えにくい。
眠っている間に逃げ場を失うようなことはありませんから、
急激な変化が起こりそうでも悩む時間くらいはあります。

 

それに、現代の不動産投資の中心はインカムゲイン、
そしてそれはキャッシュフロー(現金収支)です。
含み益ではありません。

もしも不動産バブル崩壊時のように急激に地価の下落が
発生したとしても、家賃収入で元を取り返すことができていれば、
問題ないと思いませんか?

 

高利回りが最大のリスクヘッジと言われる所以が、
ここにあります。

家賃収入で融資をさっさと返済し、投入した自己資金分の
稼ぎを出せば、不動産は完全なる資産であり、
後のキャッシュフローは全て利益です。

 

レバレッジが効き過ぎていて自己資本率が極端に低いと、
不動産価格の暴落により債務超過に陥り、厳しい状況に
直面することになるかもしれません。

不動産バブル真っ只中であれば、気をつけるべきでしょう。

 

ですが、デフレが長く続いた末の底である今なら、
そこまで恐れる必要があるかどうか、です。

僕は不動産価格の上昇を予想していますが、
たとえ横ばいが続いたとしても何も困りません。

家賃収入は着実に入ってきますし、そのままの値で
売れば最終的には利益が出て終わりますから。

 

長期保有ならたった二つの要素を気にすれば良い

長期保有をする予定であれば、家賃収入を堅実に稼げて
十分な利回りを得られるなら出口戦略に必要以上に
怯える意味はありません。

2013年の時点では、長期保有予定物件の出口戦略で
気にすべき項目は、たった二つ。

1.いつ売るのがベター、ベストか。
2.売ろうと思う時期に買い手が付くかどうか。

この2点に尽きます。

 

もしかしたら値下がりしてしまうかも、とか。
売却損が出そうだ、とか心配していたら、
いつまで経っても収益不動産を購入できませんよ。

売却損が出てもいいんです。

むしろ、売却損が出て当たり前です。
売る頃には自分が買った当時より減価償却が進み、
建物は古くなっているんですから。

 

それ以上に稼いでくれる物件を選びましょう。
売却損を上回る利回りが得られる物件を。

何度も繰り返しますが、キャピタルゲインが欲しいなら
不動産なんて止めて、株式や為替、先物取引を
したほうが絶対に良い。

取引の手間もないし、手数料も安い。

 

不動産投資の魅力は、家賃収入、インカムゲインです。
徹底してそこを頭に叩き込んでおいて下さい。

稼いでくれる物件をしっかりと発掘して大事にすれば、
安定して大きな実質利回りをもたらしてくれますから。

 

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