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自民党安倍政権、及び日銀黒田総裁の金融政策の効果が実際に景気の
上昇に結びついているかどうかはともかくとして、確実にインフレは
進んでいます。
このまま景気上昇局面に入ったとしたら、金利が上昇するのは間違い
ないことです。
それがいつになるかは不透明ですが、金利上昇に備えておかなければ
いけないことは確実。
前回はそのための最大の施策として、自己資本率の引き上げのを提案
しました。もし当初フルローンであっても後から自己資金を少しずつ
入れることで自己資本比率を高める努力をすべきだと。
前回:金利上昇リスクについて冷静に考えてみる【1】
しかしそれだけでは解決しきれない問題もあります。
十分な自己資本比率の上昇を達成する前に金利が急激に上がり始めて
しまったらどうすればいいのか。
今回はその点に関して僕の考えを書いていきます。
給与収入から不足分をまかない続ける?
融資を受ける際に金融機関にチェックされるものとして「属性」が
あります。
例えばサラリーマンなら定期的な給与収入があり、もしも事業の経営
がいまひとつ不調であっても給与から不足分を補って返済をすること
ができるだろう、との金融機関の目論見です。
同じ給与であればより安定した公務員の方がより属性が高く評価され
たりと、金融機関にとって融資先、特にそれが事業というよりは副業
であった時は評価項目として重要な位置づけとなっています。
最近の楽待さんのコラムにもありましたが、日本政策金融公庫ですら
給与からの予備返済能力が重要であると述べています。
ただ、僕はこれを真に受けるのはどうかと思っています。
もし収益不動産を購入し、いまひとつうまくいかずに経営難に陥って
しまった場合、延々と十数年、二十数年も給与収入から足りない分を
補い続けていられるでしょうか?
不動産投資はあくまで副業的な位置づけであり、不動産投資で赤字が
出ているのにそれを生活を切り詰めてまで支え続けることに、なんの
意味があるのでしょうか?
金融機関が属性を含めて融資可否判断をしてくれるのは、サラリーマン
に対する優しさだと思っています。
厳しいところでは、属性なんて全く考慮してくれません。あくまでも
事業として成り立つかどうかが融資する根拠で、いくら属性が良かろう
とも事業としての評価が届かなければ融資は出さない。
本来はこれが健全な金融機関の姿。
ですが、それではこれから事業を起こして頑張ろうとしている人のほぼ
全員が全く融資を受けられずに終わるでしょう。
特にサラリーマン不動産投資家なんて賃貸経営のど素人。事業主として
信用なんて全くありませんから。
そこを何とかして融資をしてあげよう、協力してあげようと考え抜いた
末に、評価の不足する事業の融資審査をクリアするための言い訳として
「定期収入があるから補えます」と上申してくれている、と。
債務者側にとっては属性とは融資審査で理由付けとして都合の良い存在
に過ぎず、本当に事業として立ち行かなかった時にダラダラと延命措置
を続けるための道具ではないことを認識しておかなければいけません。
一時的に調子が悪かったり、資金不足を起こしてしまった時の緊急的な
資金源としては使えますし、自己資本比率を上昇させるための資金源と
して利用できるのなら利用すべきとは思いますけどね。
経営難に陥ってしまった時にまず考慮する事
金利が上昇したことが経営難となってしまった理由であったら、非常に
深刻です。
一時的に空室が増えてしまった、なら頑張って埋めればいいと思います。
が、金利が上がってしまったことで赤字となってしまった場合、金利が
下がるまで待てますか?
いえ、そもそも金利はこの先また下がってくれるのでしょうか。
金利が上昇することで収支バランスがマイナスになってしまったら、
その時点で投資としては失敗です。負けを認めざるを得ない。
そんな時に正しい選択は何でしょうか?
損切りです。
給与収入からの返済補填で粘る、というのは、FXや株式で言えば証拠金
を追加投入して強制ロスカットされないように粘っているのと同じこと。
ジリ貧でしかありませんし、粘れば粘るほど傷痕は広がります。
不動産投資は損切りのタイミングが非常に図り難い。空室で困っている時
空室がたまたま長く続いているだけなのか、条件の問題なだけであるのか、
それとも立地上頑張っても無意味なのかを判断することは困難です。
が、金利の上昇による経営難ならばこれほど分かり易いことはない。
満室でも返済が困難なのであれば、明らかに失敗です。
金利上昇に伴う赤字が発生した場合、粘ることはせずに早めの損切りを
するのがいいでしょう。
身軽になったらそれを教訓に次頑張ればいいだけの話です。
金利が上がるのはどんな時?
損切りといっても、金利が上がる局面=インフレ過剰の時、です。意外と
高く売れるかもしれません。
そのためには、売却し易い条件の揃った不動産を選択することは大切である
と言えます。出口戦略を描くことができる物件を選ぶのは、損切りをする時
にも役に立ちます。
これもある種の金利上昇リスク対策と考えていいでしょう。
多額の損失を抱えることが無い限り、仕切り直しはいくらでも可能です。
この先いつ訪れるとも分からない金利上昇局面に備え、損切りがし易い物件
を選んでおくことは大切なことであると思います。
では実際に金利は上がるのか? 次回へ続きます。
……としたかったのですが、この続きをまだ書いておらず、現在ひどい風邪
を引いてしまったので、元気になったら続きを書きます。お待ち下さい。
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