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地方物件へ投資をする際に、必ず気を使っておかなければいけないことが
一つあります。
金融機関について、です。
以前も何度か触れていると思いますが、復習も兼ねて記事にします。
地方物件は都市部よりも高利回りが狙えるという点において、優れている
といえます。その分、土地が弱くなりますので原価法による積算評価では
この先厳しくなりますが、そんなものは何とでもなる話。
長期間安定して高い入居率が維持でき、将来的にもそれが継続される期待
が持て、収益還元評価で良好な評価が得られるならば、金融機関における
評価の壁は越えられます。
いくらがんばっても駄目な金融機関はありますが、理解のある金融機関の
方がずっと多いです。
もちろん積算評価も高いに越したことはありませんが、最近の不動産価格
の高騰によりそううまくいかないこともあって。
その辺は、自己資金の投入や金融機関との面談を通じて、工夫をしていく
のが腕の見せ所。
収益性を重視したい場合には、地方物件は悪くない選択肢であると、今も
僕は考えています。
だからといって利回りの高さに飛びついて地方物件を購入してしまうと、
とても厄介な事態へと足を踏み入れてしまうことがあります。
それが、金融機関の問題、です。
物件と人の両方を管理する金融機関
全国津々浦々、非常に多くの金融機関が存在してはいますが、全国展開を
している金融機関は非常に少なく、都銀、及びごく一部の地銀に限られて
いるのが現実。
そのごく一部の地銀が収益不動産に対して積極的に融資を出しているため、
どこに住んでいても日本中の物件が購入できるのですが。
だからといって下手に買ってしまうと身動きが取れなくなるかもしれない
地方物件があります。
それは決して「物件」のせいだけでなく、「自分自身」も強く影響します。
例えば東北地方にお住まいの方が、中国地方や四国の物件を購入した時。
当初から好条件で借りられていて、基本的には借り換えを行う必要が薄い
場合はいいでしょう。
ですが、やや高い金利で融資を受けている場合は、借り換えを含め、金利
を引き下げるよう努めなければいけません。
金利交渉をするといっても金融機関にとって引き下げる理由を作ってから
でなければ、そう簡単に引き下げに応じてもらえるものではなく。
交渉材料の一つとして、借り換えが可能であるというのは極めて重要な、
欠かすことのできない選択肢。
借り換えができないとなると、せっかくの好条件の物件でも早期に売却へ
向かわざるを得ず、ちっともお金が手元に残らなかった、なんてケースに
陥ってしまうでしょう。
物件の条件が悪くて借り替えられない。これは最早、入り口が悪かったと
しか言いようがありません。しかしその場合は、自己資金を注入するなど
して融資希望を緩和すれば解決させられます。
多額の資金が必要となるため、状況によっては難しい場合も少なくはない
ですが。
しかし、金融機関特有の条件のために借り換えできません、となると非常
に厄介な事態となります。
物件の所在地と自分自身の問題です。
金融機関の選択肢は広い方が良い
前述の例のように東北地方在住の方が中国地方の物件を購入した場合に、
何が問題になるかというと。
都銀とごく一部の全国対応の地銀以外、融資可能な金融機関が全くのゼロ
になるかもしれません。
地銀や信金は、地域に縛られています。存在意義自体が該当地域の振興の
ためにありますので、それから外れた融資は実行しにくい。
少なくとも「物件の管理」と「顧客の管理」の二つが確実に行えるような
環境でなければ、条件が良くてもお断りされてしまいます。
東北地方に中国地方の地銀の支店はあってもごく僅か。もし近場に支店が
なければ、物件所在に問題はなくとも融資を引き出すのは難しいでしょう。
そうなると頼れるのは都銀のみ。
しかし都銀は融資基準が地銀以下より厳しくなりがちです。可能性が高い
のはりそな銀行や三井住友銀行ですが、簡単にいくだろうと希望的観測を
して地方物件を購入するのはやめた方がいいでしょう。
もし駄目だった場合、現金が増え融資返済が進み、融資を引き出せる条件
を満たすまでの数年間、身動きが取れなくなります。
一部の金融機関が、住所や物件所在地に関わらず融資を出してくれたりも
しますが、利回りが高く魅力的な物件であったとしても、それだけを理由
に地方物件へと手を出すべきではありません。
東京やその近辺にお住まいであればまだ選択肢は広く持てますし、属性の
良い方であれば都銀から融資を引き出せる可能性は高まります。
が、それでもなるべくならば、自ら金融機関の選択肢が狭まるような決断
は控えるようにした方が、心穏やかな不動産投資ができるかもしれません。
僕のような苦労をしたくなくば。
こんなことを繰り返し書いているのも、僕自身の経験談があるからです。
やはり、福岡県(の更に地方)に収益不動産を持つというのは、借り換え
に高いハードルがありました。
結果的には人脈なども活用して何とかなりましたが、場合によっては2年
ほど更なる待機期間が発生していた可能性もあります。
地方物件まで視野を広げると、条件の良い収益不動産は決して枯渇などは
していません。
が、数字ばかりみてしまうと、肝心なところで判断ミスをしてしまいます。
くれぐれも、立地にはマクロ的視点も含め、注意して下さい。
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