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今回は「属性」と「信用」の話の続きです。
前回の復習は以下から。
融資を受けるために重要な「属性」。融資を引き出しやすくするには?
一応、単独で読んでも話が理解できるように
書いてあるつもりですので、気張らずに
さらっと読み飛ばしていただけると幸いです。
また、今回の内容を深く読みたい場合は、楽待コラム
第13回:多面性への理解こそが不動産投資を円滑に進める最重要事項
を読んでみるとより分かりやすいかと思います。
属性。金融機関がサラリーマンを評価するための指標です。
金融機関はお金を預かることとそれを運用することが仕事。
お金を預かるというのは預貯金を単純に指しますが、
ではお金を運用するということはどういうことか?
誰でも分かりますよね。投資することです。
金融機関が慎重になる理由
投資は、例えば株や外国為替を買うこともそうですし、
国債を買うこともそう。
金融機関の金庫の中には実際はそんなに大金が
常においてあるわけではなく。
例えばBIGで6億円が当たり、大金を一度見てみたいからと
連絡もなしに全額現金で受け取ろうとしても、
「ただ今、現金がありませんので……」とお断りされます。
銀行強盗が「100億円すぐ用意しろ!」といくら詰め寄っても、
そんなお金置いてませんので時間稼ぎをされてしまうんです。
100億円の現金なんて運ぶことすら困難ですが。
何が言いたいかというと、金融機関に現金がないのは
顧客から預かったお金を他へ回し、利益を得ているからです、と。
さすがに知らない人はいないと思います。
投資先には、私たちのような個人の不動産投資家へ貸す
アパートローンも含まれます。
個人、法人問わず事業に対してお金を貸すことは、
国から金融機関へ命じられた義務でもあります。
またひとつ、大事なキーワードが出てきました。
「国」です。
金融機関は国家機関である金融庁に、常に監視されています。
余談ですが、僕がビジネスの基礎としているある人物は、
銀行が嫌いだと言っていました。
人が預けた金を断りもなく他へ貸したり投資へ回したり
するのが気に入らん、一言くらい言え、と。
確かに一理ありますね。何か、運用するのは当然のことだ、
暗黙の了解だから分かりなさいという雰囲気に、
金融機関の油断を感じなくもないです。
もっとも、いちいちそんなことを伝えていたら
心配性な人や高齢者がお金を預けなくなってしまいそうですが。
説明義務を強く求められ、それを遵守しようとする
医療者としてはちょっと複雑な心境です。
私たちは他人のお金で稼がせて貰っている
私たちの物件購入原資である融資は、
金融機関からしてみれば大事な顧客から
預かったお金。
それを前述のように、持ち主に直接的には断ることなく、
私たちに貸し出している。
私たちの原資を、入居者さんを含めた国民の皆さんが
出してくれているんですね。ありがたいことです。
つまり、金融機関としては人から預かったお金を
更に貸していることになりますから、相当緊張します。
しかも、そのことは金融庁にチェックされている。
融資を個別にチェックしているなんてことはないでしょうが、
安全な運用がされているか、投資先が偏っていないか、
全体像については注意深く見張られています。
金融庁が最も恐れるのは、金融機関の破綻。
金融機関の倒産により、個人は預金を失いますし、
融資を受けたい立場の人はお金を借りられなくなってしまう。
何より、金融機関も別の金融機関からお金を借りています。
一つの銀行なり、信用金庫が破綻することに対する影響は
その企業だけに留まらず、損失の輪は広まっていく。
更にそれが信用の暴落を引き起こし、為替市場、株式市場、
国債市場など、ありとあらゆる市場に激震が走ります。
金融庁としては金融機関を守らなければいけない。
しかし破綻しそうだからすぐ助けるというスタイルでは
お金がいくらあっても足りないし、国民も納得しません。
ですから、救済策は控えておいたうえで厳しく監視をして、
破綻しない経営を強いているわけです。
金融機関にとっては金融庁に目をつけられないよう、
最大限の注意を払って貸付金の保全、預貯金の保全の
努力をしなければいけない。
貸付に際しては、安全が第一となります。
そういった視点で考えると。
例えばソニーやシャープ、パナソニックなど、
腐っても大企業なら企業体力があるし、
資産も現物から知的財産まで含めて兆単位。
極めて安全な貸付先といえるでしょう。
ですが、私たちのようなどこの誰とも分からぬ
個人投資家気取りのサラリーマンなど、
どこからどうみてもハイリスク。
貸してくれといってもそんな大事なお金をほいほいと
貸すなんて真似、できません。
しかし、お金を貸すことは金融機関の大事な仕事です。
門前払いすることもできないし、何よりも
お金を借りてくれる人は喉から手が出るほど欲しい。
お金を貸さないと金融機関は利益を出せませんから。
金融機関にとって一石二鳥の信用担保
そこで出てくるのが担保。
万が一破綻しても貸付金が焦げ付かないための保険です。
不良債権問題は、バブル崩壊後大きな話題となりました。
不動産投資の場合、購入する不動産が一つの担保として
扱われますが、それだけでは不十分です。
なぜなら、金融機関としてはせっかく借りてくれるなら
長くお金を借り続けてほしいから。
言い換えれば、長く利息を払い続けて欲しい。
本来なら不動産投資であれば購入不動産の担保評価を
厳しく選別すれば、金融機関側はほぼ損をしないんです。
ただ、それでは融資を受けられる人が
ごく限られてしまい、利益が少なくなってしまう。
できるだけ多くの人にお金を貸したい。
そう思った金融機関の一つの解答が、信用担保です。
融資先の人物の背景を考慮し、それを担保にする。
経営がやや厳しくても他からの収入で支えて破綻回避が
期待できると、より長くお金を借りていてもらえます。
また万が一破綻して担保を売却したうえで残債が出ても、
他の収入から残りを支払ってもらえる可能性がある。
金融機関にとって信用担保というのは
利益の確保とリスクの軽減を同時に実現する、
すばらしい一手だったんですね。
属性に縛られていると信用を失いかねない。
世間で使われる属性という言葉、主にサラリーマンとしての
信用の高さという意味で使われています。
要するに、本来は全て「信用」という言葉に
集約されます。
ただ、信用という概念だと分かりにくいので
「属性」という言葉を用いてどこかの誰かが
比較的分かりやすくした、と。
実際がどうだったかは分かりませんが、
そんなところだろうと思います。
だから、本当に融資を引き出したいのなら、
「属性」という言葉に縛られるのは止めましょう。
大事なのは「信用」です。
これを言いたいがためだけに、
ひと記事丸々使ってしまいました。
徐々に確信へ近づきますが、更に続きます。
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