日本でこれから増える多数の築古RCマンションをどう扱うか

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今後の日本としての課題に、高度経済成長時代からバブル期に建設された
中古の鉄骨造、RC造、SRC造のマンション群をどう扱うか、が大きなものと
なっていくと思われます。

なぜ鉄骨、RC、SRCだけを問題視するかというと、頑丈な建築物であるから
に他なりません。

 

木造アパートなど、取り壊そうと思えばいつでも取り壊せますし、費用も
さほど掛かりません。新しいものを建て直すのも苦労はない。

しかし鉄骨以上の物件だとそうはいかず。取り壊しだけでも相当なお金が
必要となりますし、建て直すにはそれ以上に莫大な資金が必要です。

 

背の高い建物が増えているのも、それを更に助長しています。土地を有効
活用するために高いマンションを建てるのは理に適っていますが、潰して
新たにマンションを建てるならば同等以上の大きさにしなければならず。

何故なら、せっかく高いお金を払って取り壊したのに建設するマンション
が小さかったら、取り壊し費用がペイされないからです。

売買時に解体費用も含めて好条件で取引できているなら、次の計画も考え
やすくはありますが。

分譲マンションでも、再建築がトラブルになっていると時々話題になって
いますし、再建築に関する法律も変更がされています。

不動産投資により1棟マンションを購入した場合、それを自分だけで解決
しなければならず、個人のマンション所有者が増えている今、10年~20年
の時を経て社会問題となっている可能性が高い。

日本にとって最大の困難である人口減問題にも繋がっている、根深い懸案。

 

中古RCマンションを2棟も所有してしまっている僕にとっても他人事では
ありません。

出口戦略にも繋がっているこの問題を今後どう考えるべきか。

不動産投資をしていく上で避けられない問題です。

廃墟だらけにならなければいいのですが。

中古不動産は「危ない」のか?

現状、政府レベルで中古マンションの評価方法を変えようと話が煮詰まり
を見せている段階ですので、物件を丁寧に修繕し、建物を大事にしている
オーナーにとっては数年後には杞憂となっているかもしれません。

僕も比較的、楽観視しています。古い住宅に関する法整備は着実に進んで
いますし、そうでなくても徐々に、日本人の価値観が新築嗜好から離れて
いるのを実感するから、です。

リフォーム業が大きく成功する事例も増えてきました。最近話題になった
のは、住友不動産の始めた「新築そっくりさん」というサービスが、年間
1000億円規模のビジネスに成長しています。

 

リフォーム・リノベーション事例が増えれば増えるほど、問題点が露出を
し始め、また新築嗜好へと回帰していく可能性も十分に考えられます。

が、それは恐らく、日本が今のアメリカのような好景気の演出が始まる頃
まではお預けでしょう。

ブランドよりも低価格で実用的なものが選ばれる今の日本において、中古
不動産を忌避する人が徐々に減少していくのは間違いないと僕は感じます。

 

ですので、いわゆる法定耐用年数を超えてしまったとしても、経営次第で
十分に賃貸需要の獲得は可能でしょうし、それまでに十分な融資の返済を
終わらせて債務バランスを適正化していれば、何も怖くはない。

結局、不動産投資は資産・債務バランスの管理さえ適切であればほとんど
リスクがなく、その上でバランス改善の後押しを政府がしてくれるという
のですから、不安は極めて小さいだろう。

それが、現状の資産・債務バランスを評価した僕のスタンスです。

 

出口を一つに絞ってはいけない

ですが、それはメインシナリオとして見ているに過ぎません。リスク管理
をするならばバックアッププランも考えておかねばならない。

最も簡単なバックアッププランとしては、比較的早期に売却をしてしまう
のがよさそうです。

将来性に期待できないのであればポジションを整理してしまうのは、投資
において最も一般的な考え方。

 

基本的にはやはり短期譲渡税を払わなくてすむ5年経過以後に売却を目指す
のが良いと思われますが、金融経済の雰囲気も読みつつタイミングを計る
必要があるように思えます。

収益不動産というものも、売りやすい時期、売りにくい時期があります。
今のように日銀が金融緩和をしており、資金供給量が多く、資金が投資先
を求めて彷徨っているタイミングでは売却しやすく。

逆に市場が冷え込んで、金融機関が融資を引き締める傾向にある時期へと
突入してしまったら、築古物件の売却は難しくなります。

 

日本経済のみならず、世界経済についても情報収集をして、景気の先行き
を把握しておかなければ、出口へ向かおうにも混雑が起きてしまって通る
ことができない、なんて事態になってしまう。

不動産投資ひとつで世界情勢を知る必要性があるのか、と疑問に思われる
かもしれませんが、はい、必要です。

視野狭窄を起こしてしまえば、横から突っ込んでくるバイクに気がつかず
引かれてしまう。被害者だと訴えても、怪我が元通りにも治らず、無保険
であれば賠償金すら泣き寝入り。珍しい話ではありません。

 

出口は決して一つや二つではなく、状況に応じて様々な想定が可能です。
ぜひ、今のうちから楽観的・悲観的問わず複数準備をしておきましょう。

 

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