2015年上半期の国際収支経常黒字をどう評価する?

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財務省の発表によると、日本の国際収支は2015年上半期は8兆1835億円の
経常黒字、だそうです。

上半期としては2年ぶりの黒字転換だそうで。国家財政の再建を目指して
いる日本としては良い傾向と言えるのではないでしょうか。

 

ただ、経常収支とか貿易収支のニュースを聞いて、黒字だから万歳、赤字
だからまずい、なんて短絡的な反応をしてしまうのは誤りで。

この辺、非常に勘違いをしている方が多いのですが、国際収支というのは
黒字が善、赤字が悪といった単純な話ではなく

もし詳しく知らないようでしたら、世界経済の流れを知るためには重要な
知識ですのでしっかりと勉強をしておく事をお勧めします。

まあ、黒字・赤字で言われてしまうとそういった印象を受けてしまうのも
致し方ない、とは思いますが……。

 

何事もそうですが、表面的な数字の良し悪しだけでなく、その内訳を精査
してはじめて本当の評価を下せるというものです。

不動産の購入前にも同じような思考能力が必要ですので、練習だと思って
一緒に学びましょう。

なお、例によって素人である僕の見解であり、間違いや考えの相違なども
あるかと思います。正確な情報はご自身の手で調べるなりをして、知識の
補強をされるようお願い致します。

国際収支の経常黒字、どう評価?

赤字は悪で黒字は善?

そもそも、経常収支とは「海外とのモノ・サービスの取引や投資の状況」
を表したもの。

経常収支=貿易収支+サービス収支+第一次所得収支+第二次所得収支。

分かりにくい単語が並んでいますね。一つひとつ単語の解説をしていたら
字数が足りませんので、以下の財務省ウェブサイトをご参照下さい。

財務省:用語の解説

 

必ずしも黒字であるのが良いわけではないというのは、単純な話をすると
国のその時の事情によって異なるから、です。

黒字が善、赤字が悪だとすると、万年経常赤字国であるアメリカの経済は
破滅状態、となりますね。

 

これから発展をさせようとしている国なんかは、外国からの投資を募って
開発をしてきますので、これまた経常赤字になりやすいです。

本来であれば自分たちの力でゆっくりと発展をしていくのが望ましいとは
思うのですが、人やモノの流通が便利になりすぎた昨今、どこの国も豊か
になるために先進国などを利用しようとしてしまうもの。

でなければ、最終的には自国民すらも海外へと流出してしまいますから。

 

逆に、黒字だから良い訳ではない、という例もあります。

例えば韓国などがそうなのですが、経常収支はここのところ黒字が続いて
います。むしろ、黒字は大幅増。しかし、景気や財政事情は非常に厳しい。

これは韓国の経常黒字が「輸入減」からくる貿易黒字の増大を背景として
いるから、です。

韓国も日本と同じく資源のない国。生きるためには貿易が必要です。にも
関わらず輸入が減っているのは、国内でのお金が巡らなくなっている証拠。

韓国の景気指数は昨今、極めて低迷しており。経済黒字が増大していても
景気とイコールではない、良い例です。

 

人間と同じように、経済も中身が重要なんですね。

 

経常黒字は日本経済の大前提

では日本の場合はどうかというと、少なくとも現時点では経常黒字は非常
に望ましいと僕は思っています。

話は簡単、日本は国内生産できる食料や資源等が限られており、海外から
輸入に頼らざるを得ない国だから、です。

海外と貿易をしなければ生きていけない国ですので、貿易のための資金は
国内に多い方が良い、と。

原油価格の減少等からくる貿易赤字の大幅減、及び円安が大幅に寄与して
いると思われる第一次所得収支の黒字幅増加は、今の日本にとってプラス
であるのは間違いありません。

 

ただでさえ財政問題で、(実際に問題があるかどうかはともかく)色々と
小うるさいことをいわれ続けている日本ですので。

あまり資金が海外へ流出し続けてしまうのは、先々の困難を増やす原因と
なってしまう。

経常収支の黒字は、財政再建を進めながら景気拡大を目指す日本にとって
必須項目でしょう。

 

経済は国際収支だけで図れるものではなく、一喜一憂する程良いニュース
というわけではありませんが、好ましい方向には向いているようですね。

ただ懸念としては、経常黒字が増えていけばそれだけ円高傾向へと向かう
のは間違いなく。

円安頼みになっている側面が否めない今の日本経済ですから、早いところ
国内実体経済の改善を進めなければいけません。

円安効果がなくなっても業績が上げられるようにならなければ先はない。

そのあたりは、国際収支からは全く推し量れません。その他の様々な報道
を常日頃から確認し、方向性が間違っていないかを確認していくべきです。

 

経済が良くなっていくかは、不動産投資に比重を傾けて良いかどうか、を
計るための天秤となります。

注目すべきニュースはまだまだあります。ひとつずつ知識をつけ、理解を
進め、投資家としてのステージアップをしていきましょう。

 

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