いつも応援ありがとうございます。
不動産投資に限らず、投資全般において、スタートする前に意識を変えて
おかなければならないことがあります。
投資によって自分の世界が変わるのだ、という強い期待を持たれている方
には、夢を壊すようで申し訳ないのですが。
投資は、期待しているほどには儲からない。
不動産投資でも株式でもFXでも、広告に乗るのは「大成功した一例」とか
それを模した架空話。
同じように成功できる可能性はありますから、誇大広告だ、嘘だと批判を
したりはしません。現に僕は、大成功とまではいかずともそこそこの成功
を不動産投資で収めていますし。
ですが、それはたまたま僕の運、巡り合わせがよかっただけ。見立て通り
に経営が進んでいるのは努力の賜物かなとも思いますが、目の前に優良な
物件が流れてきたのは本当に偶然です。
株で「億ったー」と呼ばれる成功した方々も、勿論見る目があって成長株
を掴むのが上手だった面もありますが、アベノミクスの流れの時代で偶然
株をスタートしただけの方も少なくないでしょう。
株価が10倍になった株をテンバガーと呼びますが、たまたまテンバガーを
手に入れただけ、な人もいます。
そんな大成功を収められるのは、本当にごく少数。宝くじで1等が当たる人
の方が多いように思えます。
「そこまでいかずとも、多少良い生活をできるくらいの稼ぎは得られるの
ではないの?」とのご意見が聞こえてきます。
そうですね、可能だと思います。ただし、それに見合うだけの資金を投資
すれば。
割合でいえば、年利で数%から20%以内でしょう。年利20%をコンスタントに
稼げるとしたら、専業投資家になった方がいいです。
100万円を投資に回せるとしたら、1年間に数万円から20万円程度の利益。
年収が20万円増えたからといって、生活の質はどれほど上がるでしょうか。
1億円を投資に回せるのであれば、数百万円から2000万円ですので、生活の
質を上げるには十分ですが、1億円の資金を持っている方はごく少数。
これ以上の利回りをたたき出すためにはギャンブルをせざるを得なくなる。
それは、本意ではありませんよね?
投資はお金を稼げます。長期的には夢を買えるほどに。しかしその実態は、
実に地味なものでもあるんです。
地味な利益に価値を感じますか?
特に不動産投資は地味です。株のように評価額が急騰して短期間で大儲け
なんて話はほぼゼロ。毎月地道に家賃収入を得ていく道となります。
1億円を投じたとしても、利回り10%として年間1000万円。なんだかんだと
経費と税金が掛かりますから、手元に残るのはもっと少ない。
1億円もの資金を投じた割には儲けが少ないと思いませんか。前例で純利益
が600万円だとすると、原資を回収するだけでも16年以上の歳月が必要です。
投資利回りは約6%。
個人的には、投資額が回収できて更に土地と建物が残るのですから大成功
した投資だとは感じますけれども。
ですが1億円ものお金を貯めるまでの努力を天秤に掛けると、物足りない気
もします。
それを超越した利益があると感じられるのは、レバレッジの存在がある為
に他なりません。
1億円の物件を購入するのに1000万円の自己資金と9000万円の融資を受け、
融資返済が毎年400万円とすると、1000万円の投資で200万円の利益。
投資利回りは6%から20%へと大幅アップです。
それでも、投資利回りが20%だとしても手元には僅か200万円しか残らない。
1000万円の貯蓄を失って、9000万円の借金を背負って、毎年200万円収入増。
どうでしょうか、割に合うと感じますでしょうか?
僕にはそれでも悪くない投資だと感じます。5年で投資資本を回収できて、
回収した資本をまた別の投資に回せますから。
ですが投資によって生活が良くなるとは感じません。9000万円もの借金を
背負った状態で年収が200万円増えても、贅沢する気にはなれない。
将来の目標達成に一歩進んだと実感はしても、生活が楽になるとか、贅沢
ができるとは一切感じません。
元から資産家ならいざ知らず。庶民にとっての投資とは、とっても地味な
存在なんです。
短期間に大儲けできるかも、なんて幻想は吹き飛ばしてしまった方がいい
と僕は思います。
期待は将来へ持ち越しを
それでも大成功を収めたい、そう考えるなら、株であればテンバガー狙い
で投資をすればいいですし、不動産であればフルローン、オーバーローン
で投資規模を急拡大する道を探すのがいいです。
ただし、そこには当然ながらリスクを伴います。損失を抱える結果となる
リスクは当然ながら、一度の損失が巨額になる可能性も肥大化します。
それでも、やりようによっては期待値は1より大きく、ギャンブルとは一線
を画した「投資」とするのは可能です。
相当に難しく、また運も強く絡んできますが……。ハイリターンを狙うの
であればハイリスクを、となるのは致し方なし。
夢を抱いている方には夢を潰すような、また怖さを感じさせるような話に
なってしまいましたが、これが投資の現実です。
現実を受け入れた上で、どのような道を歩むか。ほんの僅かな差でも長い
距離を歩くと到達地点は大きく変わるもの。
期待は将来に先送りしつつ、行くべき方向をしっかりと見定めて下さい。
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