不動産でも金融でも、投資とは「予想」ではなく「期待」で動く。

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10月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、予想通りゼロ金利政策の
維持がされました。

元々10月の利上げはシナリオとして検討されておりませんでしたので、
特に波乱も無く市場は落ち着いた動きだったようです。

そして次が本命、12月。以前から年内に利上げの意向を示唆しており、
12月にわずかに利上げをするだろうとの予想が以前より最も有力で。

個人的にも、これまで随分と年内の利上げを強調してきた現議長です
から、何としてでも、ほんのわずかでも利上げをするのではないか、
と感じています。

 

しかし、いつも思うのですがこの「予想」というのは、ギャンブルと
なんら変わりませんね。

経済の強さ、景気動向は様々なデータが統計上出てきますけれども、
それを見てどう解釈されるのだろうかは、他人の頭を覗き見しなさい
といっているのと同じで。

また、その結果市場がどのような反応をするか、株価が上がるのか、
それとも下がるのか、それを予想するのもまたギャンブルに近く。

このような、経済指標や政策決定による市場の反応から来る動きを
狙って短期的に儲けようとするのは苦手です。

 

僕が思うに、唯一の正解は「データを自分で解釈し、自身の判断を
正義と思い、長期的にどうなるか自分なりの答えを出すこと」だと
考えます。

FOMCの結果で言えば、景気や雇用の動向から今は利上げをすべきで
ないと思うので、少なくとも利上げが必要となる段階までは株価の
上昇は続くはずだ、とか。

こうなると、極めて高度な内容になっていきます。

不安と期待は入り混じるもの。

予想より期待を信頼するべき

何も変わっていないのではないか、と思われるかもしれませんが、
日本の、少なくとも個人では、FOMCの利上げ予想をする際に米国の
経済データを見て、自分で解釈している方はほとんどいません。

いえ、そもそも全ての情報を収集する事すらできないはず。大体が
報道を見て「根拠はないけれどもそう感じる」方に賭けている。

賭けている、との言葉通り、ギャンブルに過ぎない。

 

僕も同じです。だから、こういった指標や政策発表の短期的動きに
手を出しません。

ただ、長期予測になると短期的変動の影響はほとんど受けなくなる
ため「根拠は不十分だけれどもそうあるべきだと思う」方へと投資
をするのは悪くないと思います。

 

完璧なデータから来る完璧な解釈で確実に勝つ、なんて不可能です
から。そんなものを求めていたら、一生投資なんてできません。

大事なのは「予想」ではなく「期待」です。

心から「こうあって欲しいし、それを期待させる力を感じる」もの
へと投資をする。それが、本来の投資の姿ではないでしょうか。

 

株式でも、不動産でも、投資行動であれば全て同じです。

どうしても「予想」は不完全なものにならざるを得ません。日本の
人口は減少が懸念されていますが、本当にそうなるかは不明。

これからの政府の政策や社会環境、文化の変化により、その予想は
大きく外れるかもしれない。地方ごとに考えたら尚更分かりません。

であれば、収益不動産に投資をしたいのなら、将来の日本に、また
気になる地方に「期待」を寄せられるかどうかが、長期的な投資に
踏み切れるかどうかの境目で。

最終的に、ではどう思われますでしょうか、と客観的に自分自身へ
問いかけるしかない。

 

日本にはまだ力があり、成長が期待できると思えば投資すべきだし、
そう期待できなければ投資すべきではないでしょう。

そこまで大きな問いかけでなくても構いません。物件単位でも良い
ですし、長期といっても数年と数十年では随分違うもの。

大切なのは、己がどのような期待を感じるか、です。

 

「予想」に頼りすぎると、どうしても考えが歪んでしまうし都合の
良い解釈をしてしまいがち。

ギャンブル的な行動を取ってしまう原因となるため、堅実な投資を
心掛けたいならば控えるのをお勧めします。

 

期待を失わない限りは長期保有

例えば僕は、実は僅かながら今話題の旭化成の株を所有しています。
今回の事件後の急落で購入をしたのではなく、それ以前から、です。

この度、旭化成建材が絡んだ事件は、最終的にどのような調査結果
が出てこようが、許されざることと思いますし断罪されるべきです。

しかしそれでも、当該事件を根拠に旭化成の株を売却しよう、とは
一切思っていません。今後も長期的な保有を続けるつもりです。

値下がりした今、できれば買い増ししたいほど。

 

何故か。旭化成全体を見ればこの事件で傾くほどに脆弱な企業では
ありませんし、他の事業の業績は非常に好調です。長期的には利益
を更に伸ばす力は十分にある。

販売する商品も非常に優良なものですし、ブランド力もある。

そして、官僚の天下りを受け入れていない、非常に誠実で真面目な
企業であるのを知っているからです。僕は、旭化成のような企業に
活躍して欲しいと思っています。元から力のある財閥よりも。

ですから、10年単位で保有するつもりで投資をしました。今後余程
その信用を落とす、応援のできなくなるようなことにならなければ
そう簡単に手放すつもりはありません。

少なくとも、材料が出るたびに何度も売り買いする短期勢の動きに
付き合ってはいられません

それで損失が出たとしても、致し方ないと思っています。見る目が
無かっただけの話。

 

投資とは、予想ではなく期待でされるもの。

どんなジャンルに投資をするにしても、それだけは忘れずに判断を
下すべきだと、僕は信じています。

 

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