調子の良い時に売り抜けるか、そのままホールドするかの困難な選択

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不動産投資で一番難しいのは、やはり売却時であると思います。

不動産に限らず、投資全般で、ですね。利益を確定する瞬間を決定
するのは相当の勇気を必要とします。

特に、極めて良いタイミングで購入できた場合は尚の事。

 

例えば現在、シャープ株は一時期87円まで下落しました。その後、
現在は鴻海による買収も終了し、米国の選挙や金利動向で円安傾向
になっているのも手伝って、現在は300円を超えています。

底値近く、90円程度で購入していた場合。もしかしたら二度と手に
入らないお宝となる可能性があります。

これでシャープが順調に成長し、配当を出すようになったら永久に
配当を生み出し続ける金のなる木ですから。台湾企業となったのも
株主配当への期待を高めます。

シャープから鴻海本体へ資金を移すのであれば、配当を出す以外に
方法はありませんからね。100%子会社でない以上、勝手に資産を
本体へ移動させるのは許されません。

ただし、今のところは黒字予測もあって株価は上昇していますが、
本当に黒字が継続できるかは分かりません。

シャープだけの問題ではなく。例えば中国経済が世界中から懸念を
されているように大崩落してしまったら、世界恐慌になりかねず。
円高が加速し、業績も株価も大きく低迷するでしょう。

倒産クラスまでいかなければ90円を下回ったりはしないでしょうが、
今より株価が下落してしまえばせっかく資金が3倍になるチャンス
をみすみす逃してしまった事になります。

とっととシャープ株を売却し、他の銘柄へ再投資した方が良い結果
となったかもしれません。

 

いかに利益を最大化させるか。出口戦略が重要であるのは、投資の
最大の目的である利益の最終確定を担っているのが理由。

考えれば考える程難しいです。売却というのは。

止まる場所が明記してあれば楽なんですが。

良い時に出口へ向かう難しさ

特に、インカムゲインを主な収入源としている場合は猶更、難しい
判断を迫られます。

収益不動産でも株でも一番高く売れる瞬間とはいつでしょうか?

一番高く売れるタイミングとは、一番上手くいっていて高い収益を
上げられている時に他なりません。

 

不動産投資でいえば、満室運用が続いていて家賃収入がザクザクと
入ってきている時。

そんな物件を、多くの人がよだれが出る程欲しいと考えています。

だからこそ、高く売れる。空室だらけの物件が安く買えるように、
満室続きの物件は高く売れて当然です。

 

では、所有者としてはどのような気持ちになるでしょうか。順調に
利益を上げていて、何の不満もない収益不動産、金のなる木の売却
を簡単に決断できるでしょうか?

勿体ない、と思ってしまう方が大半でしょう。売却してまとまった
お金を手に入れるよりも、安定した高収入源を手元に残しておく方
が得である、との打算をしても何らおかしくない。

 

収益不動産は利回りが高く、また売買も大変でコストも掛かります
から、よりその傾向が強まります。

利回り10%の物件を効率で稼働できれば、15年もあれば購入価格と
同等のお金が得られますよね。単純な考え方をしてしまうと、売る
タイミングを逸するのも仕方がない。

そして、それが正解なケースもあるのが問題をさらに難しくします。
融資を完済してしまえば、収益不動産はよほど大きな問題で稼働率
が激減しない限り、損をしません。

それはある意味で理想的な状況です。

 

ただ、理想を目指し過ぎて失敗するパターンも多く見受けられます。

大規模修繕はいつしか必要となりますよね。古い建物ほど維持費が
多く掛かります。大金を掛けてメンテナンスをすれば、それを回収
するにはまた時間が掛かります。

それを避けて高値で売り抜けてしまった方が、利益はずっと大きく
残せる可能性は否定できません。

 

うまくいっている時にこそ突入しなければいけないのが出口戦略で。

僕はまだ不動産投資で一度も出口へ向かった経験はありませんが、
想像すればするほど難しさを実感します。

 

購入前から出口を見据える

そこで僕は不動産投資で出口へと向かう指標となるものを当初から
設定しておくことをお勧めします。

減価償却の進み具合、です。

 

減価償却は基本的に建物費用を残存耐用年数から計算される年数で
割り算して導かれます。今は定額法で行うのが主流と思います。

何も考えずに減価償却していると、償却終了まで定額ですので何の
指標にもなりませんが。

設備部分の償却期間を短くし、一部を早めに経費化する事も可能で、
これにより償却が早く進む分だけ設備の償却が終わるまでの税金を
抑えられますから、より多くの手残りを残せます。

 

その期間を過ぎると、今度は逆にそれまでより経費が減ってしまい
税金が高くなってしまいます。稼働率が同じでも手残りが減る、と。

売却を検討する良い機会になるでしょう。

設備部分の償却期間についてはいい加減には決められませんので、
税理士に相談するのをお勧めします。この手法は決して珍しいもの
ではなく、多くの人が取っている方法です。

 

こうしておけば、売却タイミングを購入時点で設定できますから、
ベストタイミングになるかはともかくとして、ベターな売却時期を
逃すことも無くなります。

もちろん、想定以上に調子が良いならそのままホールドしても良い
わけで。税金対策には他を探せばいい話。

これから不動産を購入する方にとっては何とも気の早い話だと思う
かもしれませんが、漠然とでもいいので想像をしておいて下さい。

どのタイミングが、最も売却に適しているか、を。

 

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