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不動産投資を始めたばかりの頃は、一つひとつの出来事がすごく
重大な問題のように思えてしまうでしょう。
例えば退去連絡が一件来るだけで、もしかしたら経営がこのまま
成り立たなくなっていくかもしれない、という強い不安に襲われ、
息苦しくなってきます。
それが続こうものなら、もはや正常な精神状態ではいられません。
他人に八つ当たりするようになってしまったり、当たり前のこと
をやってる人に責任があるように感じてしまったり。
とにかく、不安を誰かのせいにしなければいられなくなります。
一度、冷静になりましょう。決して誰も悪くありませんし、多分
その問題は大したものではありません。
退去連絡、これは慣れるしかありませんが、不動産投資を始めた
以上はずっと付き合っていかなければならないものであり、日常
でしかありません。
マンションやアパートに住んでいる住民が一生引っ越しをしない
のであれば、ものすごく楽ですし、儲かります。ほぼ確実に利益
を出し続ける「金のなる木」ですね。
しかし金のなる木など実際には存在しないように、退去されない
賃貸住宅なんて存在しません。憲法第22条に居住・移転の自由の
保証が規定されている日本においてはあり得ない話。
退去が嫌なのは分かります。かつては退去されても痛くも痒くも
ない時代もあったようですが、今は退去が出れば出ただけ利益が
圧迫される時代。
最大利益を確保するには、ずっと満室で退去者が一切いない状態
であるのがベストです。
私たちのやるべきは、できるだけそうなるように努力をすること
であって、退去が出たら不安になったり誰かを責めたりすること
ではありません。
退去は致し方なく起こるものであり、むしろ入居して下さった方
に感謝する最後のタイミング。今まで利用してくれてありがとう、
との気持ちで見送るべきでしょう。
そうした心持ちは、必ず次の入居者を引き寄せます。ネガティブ
な考えで誰かに責任を押し付け、パートナーとの関係を壊すより
ずっと有益です。
結構急に発生するものですから、それが余計に精神的動揺を誘う
のかもしれませんが、2,3年もすれば慣れてしまうでしょう。
他に、突然の修繕費の発生なども同様です。急に管理会社からの
報告を受けてショックなのは理解できますが、責任追求は後でも
できること。
まずは冷静に、起こったことに対処できるよう経験を積んでいく
のが急務と思います。
見極めは慎重に
最終的に管理会社などがあまり宜しくなくて、経営不振の原因と
なっている場合もあるとは思います。
が、なかなかすぐにそうであるかどうかを見極めるのはできない
でしょう。
むしろ、一つの問題でそう決めつけてしまうのはあまりにも危険
な行為。態度というのは透けて見えるもので、こちらが不信感を
持って接するのは相手にも伝わり、関係の悪化を招きます。
良好な関係の構築に失敗すれば、有能なパートナーは恐ろしい敵
になってしまう。相手に不信感を抱いて冷静さを欠いた行動には
注意をすべきです。
なんだかんだいって、私たち個人投資家は不動産の素人であり、
相手はプロです。多くの場合、プロの方が正しいケースが多い。
もしも相手の方がおかしいと感じるなら、それに見合った経験を
積み、勉強してレベルアップを図るのが先決ではないでしょうか。
素人がプロを批判したら嫌な顔をされても仕方ありません。まあ、
本当のプロはそこを丁寧に説明し、顧客を納得させられる能力を
持つ人のことだとは思いますけどね。
そのレベルまでも求めるのは、実は結構難しいケースが多いのが
現実かもしれません。プロと言ってもピンキリです。もしもピン
の方との出会いがあったら乗り換えるくらいが良いと思います。
不動産投資を始めたばかりの頃は、非常にリスクに敏感になって
しまうのは仕方ない。僕もそうでした。退去が発生して、本当に
次の入居が入るのだろうか、と。
修繕が必要な部分が続き、本当にこの建物は大丈夫なのだろうか、
と。
結果、大丈夫でした。これは結果論ですが、結局のところ大丈夫
だったとの体験を持ち合わせていないからこそ不安になるんです。
大丈夫かどうか、結果を待つしかない。
犯人捜しをする前に、もう一歩待ってみるのが最初にやるべき事
であると思います。
もし結果として駄目だったら?
買ってからすぐにダメな状況であったら、それは投資そのものが
失敗であったと認めざるを得ないでしょう。その上で、打開策を
検討するしかありません。
その時初めて、管理会社を変更するなどの行動に移すべきだろう
と僕は考えます。
リーダーとしての行動を
実は僕も一度、管理会社を変更しようと考えたこともありました。
少し思い止まっているうちに対応の改善が行われたため、現在も
付き合いを続けさせて頂いていたりします。
現在も上手く管理を続けてくれていて、対応には感謝するばかり。
冷静さを欠いて不満をぶつけてしまっていたら、今頃どうなって
いたか。
不動産投資開始当初は不安に押しつぶされそうになっている方も
少なくないでしょう。
今こそ、自分の経営者としての素質が試されています。危機対策
もせずにすぐに他に責任の所在を求め、追及を始める経営者を、
自分であればどう思いますでしょうか。
リーダーに相応しい器作りを、共に頑張りましょう。
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