不動産投資の利回りについて再確認する【4】リスク資産から安全資産へ

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利回りについて第4回です。

前回の話を要約すると、不動産投資における利回りが低下しているのは日本の
収益不動産が安全資産であると認識されている結果であり、嘆く状況ではない
ので積極的に投資をしましょう、といった話。

相場が下がり続ける、いわゆる下落トレンドにある時よりもよほど投資をしやすい
環境にあるのを幸運に思うべきです。今後しばらく、不動産価格が下落することは
考えにくい状況下にあるのですから。

前回:不動産投資の利回りについて再確認する【3】収益不動産はリスク資産か安全資産か

 

あの時買っておけばよかった、と思ってしまう人にはリスク資産は買えません。

もしも間違ってそのような人がリスク資産を購入してしまった場合どうなるかと
いえば、売り時を逃して「あの時売っておけばよかった」と後悔することになる。

株やFXで損失を出して後悔をしたことがある方には理解頂けると思います。

 

むしろ投資をするなら安全資産を選ぶのが一般的。今までが異常な環境であった
だけで今後収益不動産に投資をすることは何も非常識なことではありません。

利回りだけを見て投資判断を決定する方が、よほど常識から外れています。

いくら利回りが高くても経済の雲行きが怪しくなってきている中国の株を買うより
景気も改善していて上昇を続けている米国株を買いたいと思いませんか?

 

ただ、一つ心に留めておかなければいけないことがあって。
前回の文末にちらっと書いたこの部分。

多少利回りが下がっても安全確実な投資ができるなら、いいじゃありませんか。
投資の内容をそれに合わせたものにアレンジすればいいだけです。

利回りの低下によって、戦略を見直さなければいけないのは確か。

収益不動産の利回り低下に強く落胆している方は、古い戦略をそのまま今の時代に
当てはめようとしてしまっています。金融の世界の流れは速く、時代に取り残され
てしまえば稼げなくて当たり前なんです。

現実的を見てみると。

不動産投資から夢は失われた

かつての高利回り時代の不動産投資には夢がありました。それは、サラリーマンが
フルローン、オーバーローンで物件を購入して短期間でキャッシュフローを肥大化
させることができたからです。

数年前の書籍や教材のタイトルを見ると、普通のサラリーマンが短期間でこれだけの
家賃収入を手に入れることができました、とアピールするものが多いでしょう。

それには利回り15%以上のRCマンションを購入すべしと書いてあったりします。
当時の収益不動産はリスク資産でしたから、リスク回避目的により高い利回りを求め
早期に投資資金を回収することが主要な投資戦略だったんです。

そして、現実的にもそのような物件は数は多くないものの存在しました。
金融機関も今ほど不動産への融資が積極的ではなかったため、売買が薄かった分だけ
売る側が価格競争をしなければいけなかった。

 

その頃(正確にはその時代の終わりが近い頃)に出版された書籍には、その時点で
有力な投資戦略について書かれています。デフレ不況が今でも続いていればいまだに
同様の戦略で問題なかったかもしれません。

しかし時代は大きく変わっています。民主党野田政権から自民党安倍政権へ政権交代
が行われたことで様相は一変しました。

経済思想が正反対ともいえるほどに違う政権へと変わったため、市場環境が一変。
政府・日銀が現在も続けている金融・経済政策により、少なくとも投資市場における
デフレは解消されました。

株価は大底から倍以上となり、遅れて動く不動産価格も上昇しています。

 

こんな環境の変化が起きているにも関わらず、デフレ不況時の戦略をそのままに
当てはめようとしている時点で間違っていると言わざるを得ない。

不動産投資はリスク資産から安全資産へと変わりつつあります。

それは、不動産投資が夢の見れる世界から現実的な投資対象へと近づいていると
言い換えてもいいかもしれません。

 

そう、今後の不動産投資においては、より現実的な投資戦略を必要とします。
サラリーマンのままで挑み、アドバイスされるままにリスクだけ背負って行動を
すれば成功する時代はとっくに終わりを迎えている。

何しろ、現実的な市場には夢を見る必要の無いプロの投資家が集まってくるの
ですから。

 

新時代には自分なりの新戦略を

今後の不動産投資で一つ言えることは、資産のないサラリーマンにとっては非常に
厳しい時代が訪れるだろうということ。

少なくともこれまでのようにフルローンで高金利の融資を受け、レバレッジを限界
まで引き上げてキャッシュフローを短期間で増やすことによりカバーする、という
大味な戦略は時代にそぐわない。

数字的に厳しいものがあるし、物量作戦であれば資産がある人や属性の高い人には
決して敵いません。

 

一般的サラリーマンであればあるほど、より現実的な回答を探さなければいけない。

高い金利でしか融資を受けられないのに低い利回りの物件を全力レバレッジで購入
するのはもはやギャンブル。

 

古い戦略は捨て去って下さい。時代が変わっても変化しないビジネスの原理原則と
いわれる部分は持ち続け、ただし具体的な数字の出る部分については自分なりの
アレンジをしていかなければ生き残れません。

何しろ今の時代に変化を始めてからまだ2年も経っていない。

ノウハウは確立されていないのですから。

 

続きます。

 

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