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収益不動産を購入しようと不動産会社や仲介業者を訪れると、
何を見せられると思いますか?
当然、収益不動産の提案をされる訳ですから不動産の概要書類を
渡されることになります。
で、この不動産の概要書類というのが非常に曲者で。
不動産会社によって、大きな差があるんです。
それはもうすごい差が。
収益不動産を購入するために一番重要視されるべきはこの概要書類。
特に収益不動産を専門で扱っている業者に物件を紹介してもらう際は、
これをよく精査をする必要があります。
不動産概要書の厚みは本気度の差……とは限らない
別に不動産の概要書が非常に薄っぺらかったら悪い物件だ、とは言いません。
それは単に、不動産会社が残念なだけです。
商売の基本として、しっかり売り込みをしたいと思うのが普通ですから、
売りたいものであればリサーチをして書類を作りこんでおくのが当たり前。
それをそうしないのは不動産会社の怠慢です。
しかしそれが単にやる気がないだけなのか、それとも簡素な書類だけでも
分かる人だけを相手にしたいからそうしているのかは分かりません。
後者であるとすれば、むしろその中に優良物件が眠っている可能性が
あります。
そんな不動産会社は既に十分な顧客を抱えており、あまりおおっぴらに
宣伝費を掛けて売り込む必要がないのでしょう。
ただ、そんな不動産会社と付き合うことができるのはベテランになってから。
自分が「買うことのできる」人間だと証明できてからですし、その頃には
十分な不動産評価を自分自身の手で調べることができるようになっている
と思いますので、概要書類が簡素でいいんです。
初心者向きではないというよりも、初心者はそのような簡素な不動産概要書を
目にする機会は本来あまり無いといった方が正確かもしれません。
自分の足で色々な不動産会社を訪れ、足を使って探し出すことをする場合のみ
初心者であってもそういった概要書と向き合うことになります。
もちろんそれはとても素晴らしいことです。
どんな場合でも自分でリサーチすることほど重要なことはありませんから、
最初からそうやって自助努力で道を切り開く癖をつけることができれば、
不動産投資で失敗することは極めて少ないでしょう。
初心者相手にペラい概要書を持ってきたら地雷
気をつけなければいけないのは、個人のサラリーマン向けに融資付けまで
含めて不動産の紹介を行っている会社を相手にする場合。
もしくは銀行が収益不動産の投資案件を持ってくる場合、です。
リサーチをしっかり行い、作り込んだ資料を持ってきてくれるような
不動産会社は実に仕事熱心で、とても好感が持てます。
その物件が本当に購入に値するかどうかは自分自身で評価し、判断を
下さなければいけませんが、不動産会社としてはそれだけで信用をして
いいのではないかなと思ってしまいます。
しかし、中にはいるんです。物件の所在地と写真、あとは数字だけで作られた
書類を持ってくる業者が。
特に都市部、都内やその近郊の「立地が良い」物件を紹介してくるような
不動産会社に極めて多い。
場所に関してはこの住所なら間違いないでしょう、この駅からこの距離ならば
間違いないでしょう、と言わんばかり。
それ以外の資料は現在のレントロール、何パターンかの試算表だけ、とか。
実際に知人が持ってきたものなどを何度か見せてもらったことがあるのですが、
本当にそれ以外に書類がない。
これで売れるのが不思議でしょうがない。
でも、そうやって売り込みをして何年間も会社が存在しているのですから、
売れてしまうのでしょうね。恐ろしいことです。
属性が高くて不動産賃貸の深い話には興味は無いけど儲け話は欲しい、なんて
考え方をしている方が買ってしまうのでしょう。
僕の記事を読むことができるほど意識の高いあなたであれば、そんな業者に
引っかかってしまうことはないと思いますが、嘆かわしいことです。
初心者ほど事業計画書と向き合うべき
実はこの話、自戒すべき内容でもあるんです。
この不動産概要書、言い換えてみればなんだと思いますか?
事業計画書です。
実のところ、不動産投資初心者に対して収益不動産専門の業者が渡してくる
収益不動産の提案書は、事業計画書そのもの。
私たちは、事業計画書を読み、その事業に対して投資をするかどうかの選択を
迫られている。
これを置き換えてみると、金融機関に収益不動産の融資を持ちかけている時の
私たちの姿と重なると思いませんか?
事業計画書なんて書き方がよく分からなくて書けないとか嘆いている場合では
ありません。
事業計画書を書かずに事業をしようなど、プロットを立てずに小説を書こうと
するようなもの。まさに行き当たりばったり。
自分の人生の行く末を左右することであるのにできないなんて泣き言を言って
いいはずがない。
ネットで調べると非常に小難しいことが書いているように感じてしまうかも
しれません。しかしそこをクリアするのは当たり前のことなんです。
幸いなことに不動産投資では数字の部分については良いツールを安価に取得
することができます。僕がお勧めしている不動産投資収支シミュレーターも
金融機関へそのまま提出できる収支予測書が印刷できます。
あとは人を説得できる文章を書くだけ。どれほど将来性があり、事業として
継続性が期待できるかを根拠を持って書くだけです。
事業計画書を書くこと自体が物件を客観的に評価することにも繋がります。
本当に確信を持って投資をしていいのか、それとも踏みとどまるべきか。
事業計画書を作ることで再確認ができる。
面倒かもしれませんが、事業計画書は必ず書くようにして下さい。既に購入
してしまっていたとしても、問題点を洗い出すきっかけとなります。
事業計画書は不動産投資の成功の鍵を握っています。初心者である自覚が
あるならばこそ、作成する癖をつけるようにしましょう。
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