目標達成のためには滅私も厭わず

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融資を何本も背負う立場になって、また、人を何人も雇う立場に
なって、これまでよりもずっと頭の回転が速く、また人格として
磨かれたものになった気がしています。

以前の僕はもっと適当でした。明らかに、物事を真剣に考えたり、
プライベートより仕事を優先したりはしないタイプだったはずで。

やらなくていい事はできるだけやらず、仕事時間内だけは真面目
にやっても義務を超えた事からはなるべく目立たないように逃げ、
自分のやりたい事に時間を取るような人間でした。

最低限の義務だけ果たしていれば、人生何とかなるだろう、と。
中学受験、大学受験、進級試験、国家試験、専門医試験と、壁と
いう壁をそれでするする突破してきたのもそれを後押ししました。

 

だから、僕はろくでもない人間だったんですね。昔を振り返ると
実にそう思います。

現在勤務している病院では、専門医取得前の若い先生が半年から
1年ごとに交代でやってきます。彼らを指導する立場として接し、
もう少しこうであればいいのにとか思うのですけれども。

よく考えなくても、自分もこうだったのだな、と。

 

そこには年齢を重ねたから、その分だけ老獪になったのだろう、
とも思います。僕も既にアラフォーですし、もはや自分を若いと
表現はできません。

しかしそれ以上に、圧倒的に経験不足、そして真剣さが不足して
いたのでしょう。自分でも驚くほどの変わりようで、行動までも
変化させてしまいました。

これまで、手術などあまり好まなかったのですが、地域のために
と考えて必死に向き合っているうちに、手術件数は増えるばかり。

以前の僕を知っている人間が、今や毎日のように手術をしている
と知ったら、きっと驚くでしょう。40歳を前にして年間手術件数
を毎年のように更新するなど、考えもしませんでした。

 

若い先生を指導する際には、自分が昔感じていたことも踏まえて
教育をしなければ、と思います。

滅私で国のために、というのも格好いいです

今は滅私して未来を生かす

一番最悪なシナリオは、歳を取っても以前のままである事でした。

今の僕の境遇で、もしも以前のまま人格的にも変わらなかったと
したら、本当に大変な事態になっていたでしょう。

経済的に困窮し、問題解決もままならず、全てを失っていたかも
しれない未来すら浮かびます。恐らくこうして破滅していった人
も数多くいたのではないでしょうか。

 

最終的に僕が辿り着いたのは、『滅私』であると考えています。

『滅私』といっても、奉公のためではありません。あくまで自分
の利益を先に見ての話であって、私欲に塗れた滅私で、奉公では
ありません。

先の利益のために、今の自分を殺すのを厭わない覚悟。その覚悟
が、一歩を踏み出す意思の力となり、全体を見渡す眼力となり、
人に、地域に貢献する原動力となっています。

 

僕の場合、単純に将来的な利益を確保しなければ、背負ったもの
に潰され未来は無い、というのもありました。

それを解消するために今も滅私で努力しているところ。実家での
診療など完全に無給でやっており、住まいも節約のために40歳を
前にして、妻子にもお願いして親と同居。

かつて子供部屋として使っていたところを少し片づけて利用する
程度の、快適とは言い難い環境です。特に妻には苦労させており、
申し訳ないばかり。

にもかかわらず、懸命に僕を支えてくれる妻には、感謝しかない。
僕の人を見る目は、配偶者選びでも曇っていなかったようです。

 

結局これらの行動は、全て計算づく、自分の将来を確保するため
のものです。

ただし、この滅私の行動が独りよがりにならないように、だけは
注意をしています。最終的な目標は自分への利益誘導、けれども
その間では本気で他者のために。

本気で他者のためにやってきたからこそ、多くの人からの信頼を
獲得できて、診療所もうまくいき始めているのでしょう。

なんというか、雰囲気で言えば「情けは人の為ならず」との諺と
極めて似ているかもしれません。

 

そうして、今の場所までやってきました。まだ道半ばで、当面は
滅私が続きそうですが、回収が始まる時はそう遠くないでしょう。

これまで6年間自分を殺し頑張ってきたのですから、もう数年間
滅私で人に、地域に貢献するなんて大したことありません。

とりあえず、余裕ができたらこれまで貢献してくれている妻へと
感謝を行動で示したいと思っています。そんな考えを持てるよう
になったのも、成長したからに違いありません。

 

自分なりの道を探す

なかなか、多くの人に共感を持って貰えるような考え方ではない
のは重々自覚しています。

そもそも、多くの人に共感を持って欲しい、とは考えていません
し、誰にどう言われようと僕は今の自分が好きであり、また満足
いく結果を残せている事から己の正しさを確信しています。

僕にとってはこの道がベター、いえベストだったのは間違いない。

 

昨今は、滅私奉公なんて死語。仕事のために自分の大切な時間を
無駄にするなんて馬鹿のする事、という風潮が強いのは承知して
います。

それももっともな考え方。今の時間を大切にするのだって一つの
正しい道。

しかし、回りがそういう風潮だから自分も、ではもったいない。

 

自分の歩む道は自分で決めるべきで、滅私こそ目標に最短距離で
近づけるのであればそれも一つの選択肢として認識し。

自分の一生にとって何が最も正しいかを間違わないよう注意して
下さい。

 

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