公示地価下げ止まり? 個人不動産投資家に与える影響は。

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3月21日、国土交通省が公示地価を発表しました。
時事通信から以下のように報道されています。

公示地価、底入れの兆し=5年連続下落も幅縮小-国交省

リーマンショックで2007年頃のプチバブルが崩壊して以来
下落が続いていた地価にようやく復調の兆し。
さて、私たちのような個人不動産投資家への影響、どうでしょうか。

不動産価格の高騰は景気回復の第一歩

不動産投資を投資の目線で見てみると。

まず注目したいのは記事中にあるグラフ。
これを、チャートとして読んでみましょう。

テクニカル的な視点でみると、長い目ではバブル崩壊を底とした
上昇トレンドに見えますね。

移動平均線がキレイに引けそうです。

 

ファンダメンタルズ的にも、アベノミクスによる円安により
地価は今後、相対的に上昇します。

うまく景気が良い方向に動いてくれれば、
バブルの再来とは言いませんが地下変動率はプラスに転じ、
公示地価は上昇をしていくでしょう。

実際のところ、本当に景気の浮揚があるかは分かりませんが、
地価が今後極端に下がり続ける可能性は低そうです。

土地をは個人だけでなく、企業も購入するものですからね。
一部企業は経営状態が良くなれば、必ず不動産購入を開始します。

企業資本の流入が、地価の下支えをすることでしょう。

 

公示地価の上昇が個人不動産投資家に与える変化

では、地価の上昇で個人不動産投資家はどうなるか。

公示地価が上がると所有不動産の資産価値、主に積算評価が上昇し、
バランスシートは良くなります。

これは信用が高まり融資を受けやすくなる、ということ。
現時点で資金が蓄積していれば、不動産投資を拡大していくチャンスです。

 

問題は、公示地価上昇は確実に固定資産税の上昇をもたらすこと。

家賃収入が増えてくれればいいですが、
残念なことに家賃が上がることはあまり期待できないでしょう。

たとえ景気が上がって企業が気前良く、
政府の指示通り給与アップしたとしても、
少なくともここ1、2年で家賃が上昇することは考えにくい。

しかも建物は老朽化していきますから、
せいぜい家賃の下落率が小さくなる程度でしょう。

不動産経営としては、税金が高くなる分厳しくなると予想されます。

下手すると、人件費のアップが修繕費に繋がり、
厳しい経営となる可能性も考えなければいけません。

何しろ、昔と違って礼金も更新料もほとんど取れない時代なんですから。
今後、礼金や更新料が復権することはないでしょうしね。

 

次に、これから夢のある未来へ向けて1棟目の収益不動産を購入しよう、
という新規参入者にとってはどうでしょう。

まず、融資は受けやすくなりそうです。

地価が上昇傾向となることにより、購入不動産の担保力が増します。
金融機関は、信用できるのであればお金を貸したくてたまらないからです。

融資による金利が金融機関の最大の収益源ですからね。
お金を借りてくれる人がいなければ、金融機関は成り立ちません。

 

しかし、公示地価が上昇することで、当然売買価格も高騰します。
融資を受けられたとしても、融資額が大きくなってしまい、
利払いに苦しめられることになります。

インフレが度を過ぎたりすると政策金利が上がり、
利払いはさらに増えてしまいます。

特に都市部の収益不動産では、利回りが低くキャッシュフローが
出ない物件が増えてしまいそうです。

利回りが低くなると、資産家の独壇場となってしまいますから、
新規参入者は地方投資に道を見出すしかないかもしれません。

 

しかも、次に控える消費税増税。
個人事業主の消費税還付スキームは完全に封じられてしまっています。
購入時の負担は増すばかり、利回りは下がるばかり。

地価の上昇が続いて売却益が確実に見込めるのであればいいんですが、
そういうわけにもいかないでしょう。

 

適応した不動産投資家だけが大きな利益を手にする

厳しい話ばかりになってしまっていますが、
僕にはこれがチャンスに見えて仕方ありません。
なぜなら、今は変化の時だからです。

変化が起きる時に損をする人は、どんな人でしょう?
変化に適応ができない人です。

周りの環境が大きく変わっているのに、今
までと同じような対応しかしない。

 

古い話ですが、ペニシリンという抗菌薬があります。

それまでは細菌感染症に対して有効な薬があまりなかったんですが、
菌をことすことができるペニシリンが生まれ、
人間は細菌感染症を克服したと言われた時代があります。

しかし、非常に効果が強かったがためにペニシリンが濫用され、
結果として細菌の進化を促し、ペニシリンが効かない細菌が
世に溢れかえってしまいました。

しかしそんなことに多くの人は気付くはずもなく、
しばらくペニシリンは同じように使われ続けました。

結果、ペニシリン耐性菌に多くの人が犠牲になりました。
当然、医師や製薬会社の信用は地に落ちました。

しかし一部の変化を見抜いた人が新しい抗菌薬を開発したり、
抗菌薬の適正な使い方を打ち立てたりすることで、
変化に適応した人は莫大な財と名誉を築くことができたんです。

 

ピンチはチャンス。要するに変化を捉えて対応できるか、
変化に気付かずぼけっと波ん飲まれるかのどちらかしかありません。

まだ、どのような変化を迎え、どのような道があるかは分かりません。
しかし日本が大きな変わり目にあることだけは確かです。

漫然と今までと同じような視点で考えるのではなく、
今後どのような変化があるのか、違った道はないのか、
じっくりと目を凝らし、頭をフル回転させて考えましょう。

準備をする人にこそ、幸運はついてくるものですから。

 

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  1. やっぱり巷のニュースで言うように
    地価など不動産系は
    上昇しているんですね??

    でも大家さんとか
    業種によっては
    良かったり悪かったりなんですか…

    難しいですね^^;

      • きりのき
      • 2013年 3月25日

      こんにちは。

      まだ平均では公示地価の減少率が低下した、
      くらいなので続落傾向ではあるんでしょうけれども、
      都市部の一部地域では市場に出てくる物件の少なさもあって、
      購入しにくい状況にあるようですね。

      REITも活況みたいですし。
      個人投資家としてはじっくりと腰を据えて臨む必要がありそうです。
      待てばお金も貯まりますし、状況も変わるでしょう~。

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