マンション傾斜問題に見る新築のリスク

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横浜市のマンションで何やら問題が発生したようですね。

関わった企業が大企業ばかりであり、しっかりと保障もされる様子
ですから世間的にはすぐ収束してしまう話と思いますが。

株式市場は、一部で大荒れだったようです。また、一部ネットでは
色々とある事ない事囁かれているようですが……。

 

このような事件は初報しか見ないままでいると大きな誤解を抱えた
ままになってしまいますので、事件をしっかりと追っておきます。

ニュースに即反応して批判的な意見を述べる方もいらっしゃいます
が、中途半端な情報で判断し発言してしまうと自分が加害者になり
かねません。ご注意下さい。

 

事の発端は、三井住友建設が建築基準法違反の疑いがある、と報道
されたのがスタートです。

横浜市のあるマンションで住民から4棟のうち1棟が他に比べて高さ
が低いと指摘があり、調査をしていた、と。

結果、建物を支える杭の一部が強固な岩盤に到達していなかった事
が判明、建築基準法違反の疑いがある、とニュースになりました。

 

この横浜のマンションは特定されていて、港北ニュータウンにある
『パークシティlala横浜』だそうです。

これを受けて三井住友建設の株価は急落、ストップ安となりました。
30%の下落です。

高値146円から109円まで下落、1株あたり最大で37円の損失ですが、
売買単元が100株ですから、損失額は3,700円から、といったところ。

あまりの株価急落に、焦って売ってしまった人もいると思います。

 

しかしその後、問題の真犯人が他にいる事実が判明。

杭打ちを施工したのは旭化成建材、基礎工事の際に行った地盤調査
のデータを偽装したのを認めたと報道されました。

そして、旭化成建材は「建物の補強、改修、他棟の調査費用などを
全額補償する」と発表。

この報道は市場が閉まった後で、三井住友建設の株価は場外で反騰
しています。焦って安値で売却してしまった方には悲惨な状態。

 

今後、調査結果で他の棟にも同様の問題があると判明すれば、より
大きな問題になるかと思いますが、それは調査結果待ちです。

三井住友も旭化成も母体が大きいのでこの程度で傾いたりはしない
と思いますが、旭化成建材の市場を混乱させた罪は重く、何らかの
処罰が下されると思われます。

もっとも三井側にも問題はありそうな雰囲気ですが。続報を待って
最終判断をするのがよさそうです。

立派な建物に見えますが、そのうちいくつに問題があるのでしょうか。

新築、築浅に潜むリスク

事件の流れはこんなところです。

この事件から、色々な事が学べますね。入居者さんにとっては残念
ですが、十分な補償を得られ総合ではプラスになるでしょうから、
気持ちを切り替えて欲しいもの。

 

個人的に気になるのは、新築物件の抱えるリスク、ですね。

私たちは不動産投資家で、時に新築案件に関わるケースもあります。
最近は中古不動産の老朽化、利回りの低下が進んでいる為か、新築
への投資がが流行ってきているようで。

しかし自分の建設したマンションがこのような状態となり、尚且つ
施工を安く済ませるためにお願いした中小企業で、補償能力が無い
ような事態であったら、どうしようもありません。

建売物件であったらより一層リスクが高い。

 

今回話題になったマンションは竣工から10年も経過しておりません
が、これほどの年月があれば中小企業が倒産するには十分な期間

保険も効かないでしょうし、詰んでます。

 

かといって大企業へ依頼をすると建築費用も高騰し、とても個人の
範疇でできる投資ではなくなりそうです。

ただでさえ利回りが低くなりがちな新築マンション。できうる限り
利回りを高める努力は必須。

そうなると、できるだけ安く施工をしてくれる業者を選択するのは
やむを得ません。

当事件は大企業の子会社が起こしており、大企業だから安全、とは
全く言えませんが、安さにはそれなりの理由があるのも確かな事実。

なんとも難しい話です。

 

その点、築10年を越えても何も問題が起こっていない中古不動産を
選ぶのは、当該リスクを避ける良い手段なのかもしれません。

もちろん、顕在化していないだけ、調べられていないだけで問題が
ないとは全く言えないのですけれども、10年大丈夫であったという
実績をどう見るか。

本当に問題が無いかをどう見極めるのか、も難儀ではあります。

 

可視問題の安心感

こう考えると、不動産投資で最もリスクを低く、かつ大きく稼ごう
と思うのならば、問題の起こらなさそうな物件を取得しよう、との
考えで行動をするよりも。

最初から問題が見えていて、それが故に安く購入できる物件を取得
して高い利回りを獲得、問題については自己解決を図ろう、とした
方がいいのかもしれません。

 

結局、不動産投資のほとんどの問題はお金で解決できてしまいます
そのお金の源泉たる利回りが十分高ければ、一時的には損失が発生
しても後で取り戻せる。

そうなると、問題解決能力があるかどうかに焦点が当たりますが、
当然ながら素人にはそれが無く、自信も無い。

結果、美味しい案件はベテランに持っていかれる、と。

 

つまり、少しでも早く経験を積み、実力も資金力も高め、問題解決
のできる人間になるのが、不動産投資で成功するポイントです。

私たちにはどうしようもない施工トラブルなどが起こると、不動産
の購入が恐ろしく感じてしまうものですが。

そのリスクを回避する為には、どうせやるなら一刻も早く行動する
のが最も効果的なのだと思います。

 

もしも「やる、やらない」が決まっているのならば。

日々学んだ事を活かし、やるべきをやってみてはいかがでしょうか。

 

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